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わたしを離さないで の商品レビュー

4

1230件のお客様レビュー

  1. 5つ

    360

  2. 4つ

    424

  3. 3つ

    258

  4. 2つ

    39

  5. 1つ

    12

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2024/09/11

静かに淡々と過ぎていった。 読む手が止まらなかった。 なんだか不思議な小説で読む前と後で何かが変わった気がする。

Posted byブクログ

2024/09/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恥ずかしながら、何の事前情報もなく読み始めたため、当初は「ヘールシャム」が何で、「提供者」とは何なのかわからずに、物語に入り込めず…。ネットで少しあらすじを読んでから読み始めました。 調べずに読んでいたら、途中まで何の事かわからなかったなと思う…のは私の読解力不足だな、と痛感。 ヘールシャムで育った子供たちの運命を思うと苦しいが、翻訳ものの言いまわしなどに慣れていなくて、「味わう」までには到達できませんでした。

Posted byブクログ

2024/09/08

かれこれ10年以上前から、読みたいと思っていてずっと読めていなかった。とあるきっかけからついに読む決意(?)をして、読了。 まあ、読みたいのに読めなかったことの理由のひとつに、どうしても翻訳ものの小説が苦手、というのもあったのだが、本書はそれほど苦手感なく読めた。よかった。 本...

かれこれ10年以上前から、読みたいと思っていてずっと読めていなかった。とあるきっかけからついに読む決意(?)をして、読了。 まあ、読みたいのに読めなかったことの理由のひとつに、どうしても翻訳ものの小説が苦手、というのもあったのだが、本書はそれほど苦手感なく読めた。よかった。 本作が、どういう人物たちの話なのかは、すでに知られていることでもあるから頭にはあった。 柴田元幸の解説にもあるように、抑制のきいた筆致で、とか、考え抜かれた構成、とか、その辺はまさにその通り。なんの予備知識もなく手にしたら、それはそれで違和感の正体に気づいたときの衝撃に、ドギマギするかもしれない。ミステリとして読めなくもない。いや、読めないかな。どうだろう。 予備知識があったことを差し引いても、なんとも切ない読後感は、ストーリーテラーとしての巧みさによるものなのだろうし、示唆に富み、いろいろな思いにもかられるのだけれど。 なんだろうか、やっぱり翻訳ものが苦手だからなのか、はたまた、単に著者の作品が自分の好みとは違うということなのか。 それなりに引き込まれて、翻訳もの苦手の私にしては3日くらいで読み終えられて早かったし、悪い印象ではないのだけど、それほど刺さらなかったんだよなああああ。 もっと若いときに読んでいたらよかったのかな、ひょっとして。

Posted byブクログ

2024/10/19

グロテスクだがあり得る世界。 提供者の人生が、医学目的だけのものでないことを、読み終わる頃には知っている。丁寧に編まれた生涯。

Posted byブクログ

2024/09/04

村上春樹のような美しい文章× 平野啓一郎のような緻密で繊細なストーリー。 そこに臓器提供を通してクローン技術の倫理的な問題を投げかけた唯一無二の物語. Never let me go. 終わりが見えても、まるで人間らしく 感情を持って複雑な人間関係を生きた姿に、 胸がいたたま...

村上春樹のような美しい文章× 平野啓一郎のような緻密で繊細なストーリー。 そこに臓器提供を通してクローン技術の倫理的な問題を投げかけた唯一無二の物語. Never let me go. 終わりが見えても、まるで人間らしく 感情を持って複雑な人間関係を生きた姿に、 胸がいたたまれない。

Posted byブクログ

2024/08/24

読み始めは介護人、提供者、ヘールシャムと主人公のキャシーの語りの中で当たり前のように出てくる言葉の意味が分からず、この長編を読み進められるか不安になった。ヘールシャムをネットで調べた時に、臓器提供という言葉がスッと目に入ってきて全てを悟り、次へ次へと読み進められた。 散りばめら...

読み始めは介護人、提供者、ヘールシャムと主人公のキャシーの語りの中で当たり前のように出てくる言葉の意味が分からず、この長編を読み進められるか不安になった。ヘールシャムをネットで調べた時に、臓器提供という言葉がスッと目に入ってきて全てを悟り、次へ次へと読み進められた。 散りばめられた違和感を一つ一つ拾い集めて行った先でようやく答えに辿り着く第二十二章、本当に長かった。ヘールシャムの存在意義には疑問も感じたが、確かに最後まで臓器提供のために生まれてきた自分を否定することなく生きているのはヘールシャムでの教育があってのことだろうとも感じた。クローン技術と倫理的問題を掲げる長編大作を通してカズオ・イシグロの魅力に触れた。

Posted byブクログ

2024/08/21

みんなわたしたちと同じように、人と関わり合って楽しい思いも辛い思いもして生きていて、人生であるのに、と思いました。登場人物たちが置かれている立場はもちろん倫理的な正しさに欠けるけれど、それ自体に対する怒りや恐怖よりも、そうである人とそうでない人の違いのなさへの恐怖が勝りました。同...

みんなわたしたちと同じように、人と関わり合って楽しい思いも辛い思いもして生きていて、人生であるのに、と思いました。登場人物たちが置かれている立場はもちろん倫理的な正しさに欠けるけれど、それ自体に対する怒りや恐怖よりも、そうである人とそうでない人の違いのなさへの恐怖が勝りました。同じように泣いたり笑ったり生きる人間に対して、自分のためならばわたしたちは作中にあるような扱いをできてしまうのでしょうか、あるいは目を背けたまま受けとるのでしょうか。人間の歴史のなかにはそういう出来事がたくさんあります。すべての同じものが潤沢にあるわけではない以上「仕方がない」ことだって世の中にはあるけれど、けれど、のその先の言葉が出てこない。せめて考えることに価値があると思いたいです。

Posted byブクログ

2024/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

キャシーの語る思い出のあれこれが、すっと心に入ってくるから、最後の方のマダムとエミリ先生とのやりとりがきつかった。 人間なのに、そう扱ってもらえない違和を感じたマダムとヘールシャム時代の思い出の描写がすごく印象に残ってる。

Posted byブクログ

2024/08/13

『日の名残り』の次に読んだ作品。 運命を受け入れることや耐えることが、苦しくて苦しくてただただ辛い。 登場人物の生活が肌触りとして感じられるくらいリアルで、人と人との複雑でも温かい関係があって、その眼差しの柔らかさが心に染みて悲しさを感じてしまう。

Posted byブクログ

2024/08/12

文章が端正だからか、より残酷さや、ディストピアな感じが伝わるような小説だった。最初は何のことやらさっぱりだったが、徐々に秘密が明かされてくると、何とも言えない気分になる。 ヘールシャムという特別さは、人の偽善からきているものだろうかと考えてしまった。小説の描写の殆どが、なんてこと...

文章が端正だからか、より残酷さや、ディストピアな感じが伝わるような小説だった。最初は何のことやらさっぱりだったが、徐々に秘密が明かされてくると、何とも言えない気分になる。 ヘールシャムという特別さは、人の偽善からきているものだろうかと考えてしまった。小説の描写の殆どが、なんてことない人間関係のいざこざだったが、読み終わってみると、主人公はそれを大事にすることができたという事でもある。 何というか、うまく言えない。ただ、読み終わった後、すごい話だったなと思った。

Posted byブクログ