ボシイの時代 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1957年に書かれた物語だが、2045年シンギュラリティ後の世界を予見するような作品。ボシイと呼ばれるコンピュータはすべての問題の回答を与えてくれる。さらに人間に不老不死と超能力を与えることさえできる。人間の知能を超えるAIの誕生の場面のようだ。 主人公のジョウ・カーターは他人の考えを読み、感情を操作する。現在の眼から見るとこの設定は余計なものでAIの話に絞ったほうが良かったのではないかという気がする。そのAIにしても不老不死の側面だけに焦点が当てられているというところがある。それでも、人間にはもはや理解できないところまで進化したAIの存在と、そこから現れる夢の様な結果に対する人類の反応はおもしろい。宇宙人と初めて出会うファーストコンタクトものに似た雰囲気がある。 AIにより人間が若返り、不老不死をもたらすというのは無理があるが、VR、臓器移植、ナノテクノロジー、脳とコンピュータの融合などを考えれば、違う方法で実現される可能性もあると感じさせる。
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