ゴルの暗殺者 の商品レビュー
邦訳された6巻のうち、本巻は前の『ゴルの遊牧民』と並ぶ、全シリーズ冒頭のクライマックスにあたるのではないか、と思われる巻だ。 ここまでの物語で何度も言及されたゴル一番の都市「栄光のアル」が舞台となること、主人公の対立存在のひとつである奴隷女が、どのように訓練されるのかが、克明に描...
邦訳された6巻のうち、本巻は前の『ゴルの遊牧民』と並ぶ、全シリーズ冒頭のクライマックスにあたるのではないか、と思われる巻だ。 ここまでの物語で何度も言及されたゴル一番の都市「栄光のアル」が舞台となること、主人公の対立存在のひとつである奴隷女が、どのように訓練されるのかが、克明に描かれるという事で、注目に値する。 アルそのものは、おそらく古代のローマがモデルとされるのだろうと考えられるのだが、ローマにコロッセオがあったように、アルにも闘技場、そしてより重要なタルン競技場があるという事になっている。 この競技場で行われるタルン競争が、あたかも映画『ベン・ハー』における戦車競走のように、終盤のクライマックスとなっている点も見逃せない。 バロウズが自分の作品をエンタテイメントとして徹底的に娯楽作品にしたてあげたように、バロウズタイプから出発した本シリーズも、隅から隅まで読者を楽しませるように書かれているのが面白い。 本シリーズにそれほど思い入れがないけど、楽しく読んだという方は、本巻をもって終了とする事をお勧めしたい。 次の巻は、予告するが、ちょっと痛いです。 しかし、なかなか面白いな、と思った場合はぜひぜひ次も手に取っていただきたい。 非常に興味深いイベントが発生するからだ。
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この作品は長い、のめりこめない人にはつらいでしょう。 恐らくこれが原因で原書ほぼリアルタイムでは 紹介されなかったのだと思います。 (翻訳は6巻のみですが、原書は30冊以上あります) ちょっと特殊な形をとった 使命を帯びた「ゴル」の物語です。 タール・キャボットの存在そのものが...
この作品は長い、のめりこめない人にはつらいでしょう。 恐らくこれが原因で原書ほぼリアルタイムでは 紹介されなかったのだと思います。 (翻訳は6巻のみですが、原書は30冊以上あります) ちょっと特殊な形をとった 使命を帯びた「ゴル」の物語です。 タール・キャボットの存在そのものが 本当に特殊なものとなる巻。 最初の方は平坦に進みますが 思わぬ方向から闇の手が伸び 彼に死の危険が迫ることになります。 その場面まで行き着くのが ちょっとつらいのです。 ですがそこからは文句なしで面白いです。 思惑ありな出来試合に 果敢に立ち向かっていきますし。 最後は怨恨ゆえに あの結末になります。 さあ、タール、どこへ行く?
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