白光 の商品レビュー
独白。。。 語る本人だけが信じる事実。 騙る本人だけが知る真実。 ある家族を襲う一つの事件と独白の果てに見える真実。 まばゆい白光の向こうにあるものの正体とは? 連城三紀彦が魅せる幻惑の超大作、お楽しみください。
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次々に明かされる真実!! で、なにが本当かわからなくなります。 最後までわかりません。 とても面白かったので、みんなにおすすめしたいです。
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事件に絡む人物たちの壊述によって二転三転する真実。 壊述ゆえに、思考の軌跡が細かに綴られる。それにしても、救いがない…。読んでて、苦しい。
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時計の針がちょうど一時を告げた。 最後にもう一度やはり直子も連れていこうかと迷ったものの,結局は時計の針に押されるように佳代の腕だけをとり,直子を老人のそばに残して家を出たのだった。 数時間後,夜が始まるころには『事件の現場』と呼ばれるようになるその家をーーー。 (本文p....
時計の針がちょうど一時を告げた。 最後にもう一度やはり直子も連れていこうかと迷ったものの,結局は時計の針に押されるように佳代の腕だけをとり,直子を老人のそばに残して家を出たのだった。 数時間後,夜が始まるころには『事件の現場』と呼ばれるようになるその家をーーー。 (本文p.33-34)
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登場人物それぞれの真相が違っていて、まさに「藪の中」状態で話が進むが、読者にはじわじわ事実が見えてくるという変わった構成。ただ人間のいやらしさに少し辟易する。
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連城三紀彦の名前と、表紙の写真の美しさに惹かれて買った小説。 聡子が歯科に娘を連れていくため、家を空けたその一時間半のあいだにそれは起こった。 留守番として義父と共に家に置いていった姪が、何者かによって殺され、庭に埋められていたのだ。 警察は痴呆も激しく攻撃的な義父に疑いの目を...
連城三紀彦の名前と、表紙の写真の美しさに惹かれて買った小説。 聡子が歯科に娘を連れていくため、家を空けたその一時間半のあいだにそれは起こった。 留守番として義父と共に家に置いていった姪が、何者かによって殺され、庭に埋められていたのだ。 警察は痴呆も激しく攻撃的な義父に疑いの目を向けるが、一方で若い男を見たという証言も出てくる。 さらにこの殺された姪は聡子の妹・幸子と聡子の夫との不義の子であることがわかり、家族の誰にも動機があることが明らかになってくる。 犯人は義父か、若い男か、幸子か、その夫か、それとも聡子か、聡子の夫なのか、はたまた他の誰なのか。 くるくると新しい像を結んでいくストーリー展開は見事。 かなり早い段階でひとり目が自首してきたので、これは何かあるだろうなあと勘繰っていたら案の定、真犯人はこの人、いや違うこいつだと、疑いがたらいまわしに。 幸子や聡子が言った「いいのよ」は、プロバビリティの犯罪だなあ、しかし何かもやっとして終わるな・・・、と思っていたらその先にもう一段階あって、最後はものすごく綺麗にオチがつけられていました。 さらに同時に、この物語の人々はそれぞれ矛盾した発言をしているけど、彼ら自身の中ではそれが疑いようのない事実であって、どれも間違いなどではないんだな、ということを痛感し、改めて「客観的な事実」などという言葉の空々しさを感じました。
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