容疑者Xの献身 の商品レビュー
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100点。 涙が止まらなかった。こんなに大きな愛があっていいのか。あまりに大きい。純粋だった。読み終わってしんどい。これは最高傑作なんだと思う。今まで読んできた中でもトップクラスだった。トリックとして秀逸であるし、物語として完璧だった。本当につらい。真相を知って本当に泣き崩れた。本を読んでこんな感情になったのは久々だった。これだから読書は大好きなんだよね。 思わず感想も長くなってしまう。 この前2作のガリレオシリーズはオカルトvs 科学だった。不可解な超常現象が起きて草薙刑事が旧友のガリレオを頼り科学的に推理して結論を出す、一貫してそういうストーリーだった。しかし今回はこれまでと違い長編で、しかも対するのは超常現象ではない。圧倒的論理だった。この時点で様相が違っていた。今までのようにvsオカルトじゃない。これまで理論的に組み上げてきていた湯川に対する相手が、ここにきてさらなるロジックの人間であることに熱くなった。 これまでは人間に対しての推理ではなく、超常現象についての推理だったから、科学的な面白さが大きかった。こういうことなんだ、という意外性と、科学的ではあるんだけれど身近ではない神秘的なちょっとの非現実性が良かった。今回は満を辞して?論理勝負で、ガリレオでこのような筋でも一級のものであることが示されていてすごく良かった。なんとでも書くけれど、論理で戦ってきた湯川に対して、相手もまた、もしくはそれ以上の論理的な者であることが、すごく読み応え、戦い応えがあって読んでいて楽しかった。 これまでとの対比がすごくいいんだと思う。オカルトが論理になった。そしてこれまでそれなりにユーモアを交え草薙を研究室で歓迎し助言してきていた湯川が、今回は協力的ではなくずっとシリアスだった。それが今回のストーリー性を際立たせているように感じる。この作品があまりに評判だからといっていきなり読むんじゃなくて、先に前2作を読んでいて良かった。 旧友だからこそ湯川はきっかけを掴んだのであろうし、結論を苦しんでいた。日時が異なるという王道のトリックだけれど、それを見落とさせるというロジックがすごく良かった。数学者である敵になぞらえて落とし穴を立てていたり、解について語られていたり、よく作られていた。難問の答えを出すことと、その解が正しいか証明することと、どちらが難しいのかな、。 途中、石神が自首する流れで単にストーカー装いで罪を被るだけなのかと思ったら、それ以上だった。最初からそのつもりでいて、恐ろしかった。 いくら愛しているからってあそこまで出来るのか。あの、最初の段階でそこまで覚悟を決めて、後戻りができないようにもして、そんなことができるのか。自分の真意を気づかれないように、したことを相手に知られないようにしながらする善行が、一番の善であり愛だった。第2の殺人を靖子に知られないようにして、さらに工藤と結ばれて幸せになって欲しいと願うだなんて。深く深くあまりに大きい愛だった。自分もそこまでなれるだろうか。たとえ石神と違って誤りでない道だとしても進めるだろうか。愛する人のために自分を犠牲にできるだろうか。でもしたいな。自分を振り返ると今まではやっぱり自己中心的な部分があったかなって反省しちゃった。今度は真の意味で愛したい。自分がいなくとも幸せをずっと願ってる。そこは同じ感情だった。だからこそ、読んでつらかった。陳腐かもしれないけど、改めてそう思う。
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東野圭吾さんの本は今回初めて読みました。図書館でふと手に取り、どんな本かも分からず読んでみましたが、設定が凝っていて面白かった!最初は石神の執着した愛が恐ろしいと思って読み進めていましたが、最後に近づくにつれ、石神が靖子のことをどれだけ愛しているかが分かってきて結局はいい人だった...
東野圭吾さんの本は今回初めて読みました。図書館でふと手に取り、どんな本かも分からず読んでみましたが、設定が凝っていて面白かった!最初は石神の執着した愛が恐ろしいと思って読み進めていましたが、最後に近づくにつれ、石神が靖子のことをどれだけ愛しているかが分かってきて結局はいい人だったのかなと思いました。 事件も意外な展開で、最後でそういう事か!ってなりました! 石神の計画を湯川が少しずつ解明していく所が読んでいて面白かったです。 最初に犯人が分かっている小説は初めて読みましたが、面白かったです!
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一目惚れからこんなに愛する人ができるのか。 愛って色んな形があるって聞くけど、 これって愛なの? 花岡靖子がちゃんと罪を償って、出所してから 石神と幸せに暮らしてほしかったな。 そもそも、石神そんな遠くから見てないで、 アタックすべきなのよ! 根っこが陰キャだから、しょうがないの...
一目惚れからこんなに愛する人ができるのか。 愛って色んな形があるって聞くけど、 これって愛なの? 花岡靖子がちゃんと罪を償って、出所してから 石神と幸せに暮らしてほしかったな。 そもそも、石神そんな遠くから見てないで、 アタックすべきなのよ! 根っこが陰キャだから、しょうがないのか、 何なのか。。。
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ー 人は時に、健気に生きているだけで、誰かを救っていることがある。ー とても悲しい愛の話。真相を知った時の脱力感、読後の余韻が残る作品。タイトルが秀逸。推理系は苦手だけれど理解が置いていかれずに読むことができて良かった。一気読みするほどの作品に出会えて幸せ。
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東野さんの文章には何というか、小説的面白みが無いと長年思っていましたけれども、これは面白かったですねぇ…さすが直木賞受賞作なだけのことはある! ヽ(・ω・)/ズコー というわけで、一ヶ月くらいかけて(!)読み終えたのでした…最近、小説に対する集中力が無い… 若い頃はあんま...
東野さんの文章には何というか、小説的面白みが無いと長年思っていましたけれども、これは面白かったですねぇ…さすが直木賞受賞作なだけのことはある! ヽ(・ω・)/ズコー というわけで、一ヶ月くらいかけて(!)読み終えたのでした…最近、小説に対する集中力が無い… 若い頃はあんましミステリとか好きくなくて、どちらかと言うと文学作品のが好みでしたけれども…年を取った今はもうアレですね、文学作品とか読んでられなくて…こういった片手間でも楽しめる(!)小説のが好きになりつつありますねぇ… というわけで、オチのある小説のが好きですね、最近は…社畜死ね!! ヽ(・ω・)/ズコー これもまあ、事件自体は地味?ですけれども見せ方がうまいのか、最後まで飽きずに読めましたねぇ…よかったよかった… 東野さんの古い作品もネットショッピングにてポチりました! 遡るようにして読み進めていきたいですねぇ… さようなら…。 ヽ(・ω・)/ズコー
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読めば読むほど石神の感情がヒリヒリ伝わってきた。それがどのようなものであれ、1人の人間が自分を犠牲にするまでに至ったということ、全てを想像しきるということは不可能だと思った。それは作者の東野圭吾さんもそうではないだろうか?石神の背負っていたものを本当に理解できるのは石神だけだということであり、湯川の言っていた歯車の話にも関するのだろうか。私は想像するばっかりだ。 ガリレオシリーズの短編を読んでいて、是非映像で見たいものだと思っていた。この作品は、福山雅治主演で映画化されており、その願望が叶えられそうだった。すでに草薙という男に深い興味を持っている分、彼が登場しない映画を見るのは少し憚られる。重い腰を上げて、原作との相違を感じるためにもこれから見る予定だ。
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東野圭吾の最高傑作。 白鳥とコウモリとか、聖女の救済とか読んでも、これ以上の東野圭吾はない。 シンプルな設定の上に、予想外の展開、登場人物の人間性がとても深く、共感を抱きながら読める。原作を読んだ後に、邦画を見るとまた面白い。モテない朴訥な堤真一や美人なんだけど嘘を突き通せない人...
東野圭吾の最高傑作。 白鳥とコウモリとか、聖女の救済とか読んでも、これ以上の東野圭吾はない。 シンプルな設定の上に、予想外の展開、登場人物の人間性がとても深く、共感を抱きながら読める。原作を読んだ後に、邦画を見るとまた面白い。モテない朴訥な堤真一や美人なんだけど嘘を突き通せない人柄の松雪泰子の演技など、こういう人たちの群像劇なんだと、また原作を読みたくなる。
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映画を観ていたので、内容は知っていたけど 数学教師石上の愛の深さ 本人は恩返しで助けるのは当然だと。 それから、湯川教授との友情 母親はあんな男と結婚さえしていなければ、、 加害者だけど、被害者でもある こんな時他に解決方法なんてあるんだろうか、 ラストのシーン もし、母親が出頭せず、工藤と結婚して 表面上何の問題もなく暮らせて居たら 石上は本当に満足だったのかな? 石上が報われてほしかった。
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ガリレオシリーズ3作目。 この作品を読みたかったからガリレオシリーズ読み進めてた。 とても素晴らしい作品…!! 事件の真相は驚きだったけど、日付がずっと気になってたから、そこはやっぱりかって思った。 こんなに人に献身的になれるのかと、石神の愛の深さが印象的だった。 結末が悲しすぎ...
ガリレオシリーズ3作目。 この作品を読みたかったからガリレオシリーズ読み進めてた。 とても素晴らしい作品…!! 事件の真相は驚きだったけど、日付がずっと気になってたから、そこはやっぱりかって思った。 こんなに人に献身的になれるのかと、石神の愛の深さが印象的だった。 結末が悲しすぎて、どうにか二人には幸せな人生を歩んでほしいと願わずにはいられない。 この勢いで映画も…。
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映画は見たことあったけど、原作は未読でした。 映画は傑作やったけど原作も傑作でした。 犯人の天才ぶりがより際立っています。 トリックもストーリーも最高に面白い。
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