向日葵の咲かない夏 の商品レビュー

道尾秀介【著】

2024/08/29

ミチオ〜〜〜〜〜〜！！！！
全部お前の妄想かよ〜〜〜！！！！
と山に向かって叫びたい気分です。

主人公が子どもで季節が夏なので、青春物語かな〜なんて思っていたら割とハードな内容でホラー展開が多めでした。特に岩村先生に出会うシーンでは心臓がキュッと縮こまりました。ミチオの名前を呼んで家に戻ってきたのに何でビデオに夢中になった？ミチオの幻聴？？と疑問でしたが、とにかくあの変態は早く捕まえてほしい。スミダさんのひき逃げ犯も岩村先生なのでしょうか。古瀬お爺さんのように重要なことを黙っている傍観者も罪深いと感じました。

終盤はミチオが明らかにおかしくなっていて、特に女郎蜘蛛にS君を襲わせたシーンがあまりにも急で「ミチオ！正気に戻れ！」と思いましたが、とっくに正気ではなかったんですね....。叫び声を上げるミクも逃げるS君もミチオの脳内再生だと思うとかなりシュールに思えました。とはいえ、1人遊びをしている子どもの脳内ってこれくらい現実的なのかもしれない。

読みやすいな〜と思った点としては、名前の表記が工夫されていて登場人物の名前がスッと入ってきました。子どもは「ミク」「スミダさん」「ハチオカ」などカタカナ、大人は「岩村」「古瀬」「竹梨」など漢字。その中で謎めいた存在である「S君」というイニシャル表記。最後に古瀬視点でミチオくんの本名が「摩耶道夫」と明かされたとき、ミチオが仏様のように手でOKマークを作る形(来迎印というらしい)で蜘蛛になったS君をプチッと潰すイメージが脳裏に自然と浮かびました。

逆に読みにくいと思った点は、ミスリードが多くて思考が振り回されてしまったことです。ミチオが誰かに罪を着せるシナリオをあれこれ考えて混乱していたんだと思いますが、読み物として面白くするなら、もっと洗練させて300ページ程度でまとめたらグッと濃い作品になる気がしました。特にミチオが古瀬お爺さんを殺しに行ったところが無理やりな感じがしたので、他の手段はなかったのかな〜と悔やまれます。ミチオ君が「こんがらがってきたから物語を終わらせたい」と言い出した時、直球のメタ発言かと思いました。

2024/08/27

うわー！鬱すぎる！異常性癖の担任、異常な欲望を持った老人、片親＋虐められて残虐になってしまったエス君 ショックを受け入れられない母親
妹を流産させる要因になってしまった主人公。
母親はそんな主人公を恨み冷たく接し、父親は亀のような無気力な目で黙認する。
精神的ストレスから統合失調症になってしまい、死人を虫に生まれ変わったとして会話するようになる。

最後だけは切迫感により父親と母親と本心から話せてまたやり直せる！と思いきやそうなる訳にも行かず、父親は主人公を窓の外に投げ母親と死ぬ！
悲しい！虚しい！暗い気持ちになったけど、場面場面の風景描写がリアルかつ幻想的でよかった！
花火で家事とか、エスくんが最後に見たのが向日葵だとか！

2024/08/27

向日葵、ってすべての伏線だったか…と気付いたらサメ肌が。。
自分の都合で、自分のことも他人のことも”物語”を変えられる…そこはきっと人間ゆえの弱いところなのかもしれない。
彼はこの先どうなっていくのか……

2024/08/30

最後らへんでびっくり。全体の雰囲気としては暗い。賛否両論あるらしいが、自分は面白いと思った。嫌いな展開ではない。(むしろ好き)

2024/08/25

図書館で借りた本。
終業式の日、学校を休んだ友達のs君の家に届け物に行ったミチオは、s君が首を吊って亡くなっているのを発見する。
どうして良いか分からず、学校に戻り先生にその事を伝えて、最担任と警察でs君の家に行ったが、s君の体は無かった。
それから、s君はミチオの前に蜘蛛という姿で現れた。僕は殺された。体を探して欲しいと。
妹のミカと、雲のs君とs君の体探しが始まった。

2024/08/25

ゾクゾクさせられました…
違和感感じて読んでましたが、
最後の最後でその違和感が解けて、
なるほどなぁと思いました。

2024/08/24

想像もつかない展開でした！
あらゆる出来事が起こって行きますが、それは自ら誘導し起こし、新しく自分の物語として作り変えていくのが怖くとてもおもしろかったです。

2024/08/22

S君の、すぐ信じ込んじゃいけないとか、お爺さんの、1度自分の中でそう思ってしまったら考えを変えるのは難しいとか、全部読者に呼びかけてたのかなあ、、と思う展開でした。S君以外にも、ミカやトコお婆さんまでも人間じゃないなんて考え回らなかった、でも、ミカが岩村先生に「

2024/08/21

最後の最後まで不思議なミステリー。
読み始めたときは、夏休み前に起こってしまった悲しき事件という感じで進んでいくが、読み進めていくごとに思ってもいない方向に話が進んでいく。
途中、もしかしてこうなるかもしれない、と道筋が見える瞬間もあるんだけど、最後はそれを超える展開になっていって、最後まで一気に読み切りました。

2024/08/18

このタイトルなら夏の間に読むのがいいだろう、と思って盆休みラストに一気読み。
…動物虐待モノって知ってたら読まなかったしそれ抜きでも結構エグいな…
先が気になって読了したけど再読はないかな、もう記憶から消したい(；ω；)