向日葵の咲かない夏 の商品レビュー

道尾秀介【著】

2024/08/08

これは読む人を選ぶ本だ。気持ちが悪かった。自分の嫌なところを覆い隠したいけど衝動が抑えられない。寂しさ、哀しさ、からくるもの、でもきっと誰もが持っているものなんだろう。その癖や衝動を今抑えられているのは私が周りに恵まれていると実感できて読んでよかった。こういう非リアルなホラーとリアルな日常が絡んだミステリーは初めてで、どこまでを"有り得る"こととして読むか迷子になりそうだが、そこの線引きはしっかりできていて良かった。そしてそれを上手い具合に使って回収される伏線、ラストのテンポ良さ好きだったな〜

2024/08/07

初読から15年の再読。こんなホラー感強めだったか⁈ と驚いたが、私はやはり秀逸な作品だと称賛。

夏休み前の終業式に欠席したクラスメイトのS君。配布プリント類を届けにS君の家に向かったミチオは、縁側でS君が首を吊っているのを発見する。
大慌てで学校へ戻り先生に報告するも、警察と先生が駆けつけるとS君は消えていた。

不可解な出来事と現象…でも、本当に「生まれ変わり」は不可解⁈
誰しも心のどこかでチラッと信じてない？　

そして誰でも良い思い出は美しく、不都合なことは忘却し、自分の物語りにすがって生きている。

2024/08/07

気持ち悪い感じもあったが、怖いもの見たさのように読む手が止まらなかった。
何度も自分の思考が裏切られる。面白かった。

2024/08/04

なんでSくんはSくんって呼ばれてるのかがずっと気になってしまいました。
Sくんを妹が食べるところは衝撃的でなかなか面白かったです笑
叙述トリックとしては楽しめましたが、トリックに寄せてしまっている話はどうしても感動は薄れてしまう気がします。

2024/08/04

昔、実家に同じ本があったような気がしたので読んでみた。

小学四年生のミチオが、自殺した同級生のS君の消えた遺体を、ミチオの3歳の妹（ミカ）と蜘蛛に転生したS君と協力して探す話。

足を折られ口に石鹸を詰められた猫や犬は、S君が殺していた。そしてS君がおじさんに提供して、おじさんが足を折っていた。

S君は学校で馴染めず、ミチオから「死んでくれない？」と言われて自宅で首吊り自殺。おじさんに遺体の場所の地図を渡して自分を発見させる。おじさんは遺体を持ち帰り部屋の証拠を隠滅しようとした。

そのことに気付いたミチオがおじさんを殺すのはよく分からない。転生させてあげるため？そこまでするの？おじさんが虫に転生してミチオの元に現れて「このままでいいのか？」と唆しミチオが家に火をつけたのも疑問。その放火事件の後、ミチオの嘘によってまだ1ヶ月半だったお腹の子（妹？）を死なせてしまった母親がミチオを受け入れ家族の絆を取り戻したのも納得いかなかった。

3歳の妹という設定にしては話し方が大人びすぎているので、絶対何かあると思っていたが、トカゲに転生していたとは。母親がミカとして見ていたのは人形。ミチオの苗字が麻耶（釈迦の母の名前）→釈迦と繋がっている→転生したものの声が聞こえる設定なのはまあそうですか、ということにしておく。でも初めに猫の変死体やS君の遺体を見つけて慌てふためくミチオと最後におじさんを追い詰めて殺して自宅に火をつけるミチオを同一人物として結びつけるのにはさすがに無理があるのでは…。S君だけ名前が出てこないのも何か意味があるのかな？夏目漱石の『こころ』のKみたいだと思った。

2024/08/04

残酷で悲しい話と、私は捉えました。

単純に考えれば、
ただただえぐいし、怖いっていう印象なんですが、
私はどうしてもミチオたちの境遇が
悲しさで溢れてて、
どうして誰も救えなかったんだろうという気持ちです。

最後にお母さんとお父さんがミチオに両手を出してきたところで涙腺崩壊。
なぜ誰も救えなかったの…

その点において、登場人物ただ1人残して
残酷で悲しかったです。

ただ、岩村、貴様だけは許さん。
彼だけはそうなった経緯が知らされてないし、(私の見落としでなければ)
同情の余地なし！！
よって貴様は許さん！

ミチオ、誕生日おめでとう。

2024/08/03

せっかく夏なので読んでみました。
うーん表現よくわからん！私の頭が理解できないだけなの？と思いきや…そういうことね！狂ってます。
個人的にすっきりしないのは、変態教師が捕まってないからだと思います。

2024/08/03

ただただ不気味な話でした。
正直夜中に読んでたら少し怖くなった。
でも続きが気になって読む手が止まらず、3日で読み終えました。
最初からえ？なんなの？と違和感をずーっと感じながら読み続けた結果、まさかそういうこととは。。
主人公含め登場人物全員やばいやつでした笑
実写化不可能と言われてる理由がよく分かった！

2024/08/03

やっと読めた！！！

ほんタメたくみさんが1番好きな本ということで購入したもののずっと積読。

少しだけ分厚いので読み始めまでに気合いがいる。
でも最初から気になる事が多すぎてどんどん気になってくから没頭しました。

とりあえず最初からの違和感、やたらと成熟した兄妹だなぁ(兄9歳、妹3歳)、著者は3歳と9歳がどんなもんか知らないなきっと。
って感じでモヤモヤしてましたがこれもしっかり解決しました。

なかなか恐いと言うか、人を選ぶ本というのはその通りかなと思いました。

個人的には面白かった！

2024/08/01

主人公が1番怖い…。狂気の世界だった。
全て主人公の妄想の世界…。
割と単純な事件かと思いきや読み進めていくと、登場人物の狂気が暴かれていき、不穏な影が顔を覗かせていった。