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芋虫 の商品レビュー

4.1

75件のお客様レビュー

  1. 5つ

    23

  2. 4つ

    32

  3. 3つ

    14

  4. 2つ

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2012/01/02

「指」で完全にやられました。あっ、と声を出してしまいました。 全体的に、「心の奥深くにあるであろう、赤黒い感じのする異常な心理」(形容しがたい、、、)が満載で、満足です。

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2011/12/02

巻末、三津田信三氏の解説が実に的を射ていると思うのだが、乱歩の志向した理知性と、素養として備えていたであろう怪奇性および幻想性がバランスよく配合された短編集。 まず表題作でズドンと奈落の底まで突き落とされ、続く3作ほどは余韻を引きずりながら一気に。 「踊る一寸法師」で再び感情を強...

巻末、三津田信三氏の解説が実に的を射ていると思うのだが、乱歩の志向した理知性と、素養として備えていたであろう怪奇性および幻想性がバランスよく配合された短編集。 まず表題作でズドンと奈落の底まで突き落とされ、続く3作ほどは余韻を引きずりながら一気に。 「踊る一寸法師」で再び感情を強く揺さぶられた後に、「夢遊病者の死」、「双生児」で左脳を刺激される。 そして「赤い部屋」で何とも名状し難い感銘を得ているうちに、「人でなしの恋」へとなだれ込む…。 シリーズ1巻と同様に、作品パワーもさることながら、編纂の上手さも感じられる。

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2011/09/28

小学生の頃に図書室で見つけたのがこの本でした。 当時推理(探偵?)小説にハマっていた私は「あっ!江戸川乱歩だ!やったぁ!」と喜び手にとったのにその中身は怪奇モノ・・・。驚きましたが江戸川乱歩の心理描写に魅かれている自分に気がつき今ではお気に入りの一冊です。

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2011/08/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「芋虫」「赤い部屋」「人でなしの恋」がお気に入り。 友人に借りて読んだ傑作集の方にも入ってた気がするので、やっぱり人気のある話なんでしょうか。 個人的には「踊る一寸法師」がポーの「飛び蛙」に似てるな……と思ったり。 ただし終わり方がサロメっぽくなっているのはさすが乱歩先生といったところでしょうか。 ただでは終わりません。

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2011/06/19

「夢遊病者の死」を薦めてもらったので、それを読むために購入。 「夢遊病者の死」も面白かったし、収録されている他の作品も、いかにも乱歩っていう感じのものでとても楽しめた。 角川ホラー文庫で乱歩の作品が何冊か文庫化されていることが今回でわかったので、これから暇な時にちょくちょく読んで...

「夢遊病者の死」を薦めてもらったので、それを読むために購入。 「夢遊病者の死」も面白かったし、収録されている他の作品も、いかにも乱歩っていう感じのものでとても楽しめた。 角川ホラー文庫で乱歩の作品が何冊か文庫化されていることが今回でわかったので、これから暇な時にちょくちょく読んでいこうと思う。

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2011/03/16

せつないと思ったのは表題作。 えぐいと迷ったけどなんとなくこちらで。 四肢をなくした夫を「芋虫」と形容する、 その言葉のセンスに脱帽です。胸の奥がじわりとやられる不快感。 でもこの2人の間にあった愛情は本物だったのだと思います。 「ユルス」 この一言に尽きるかと! 「踊る一寸法...

せつないと思ったのは表題作。 えぐいと迷ったけどなんとなくこちらで。 四肢をなくした夫を「芋虫」と形容する、 その言葉のセンスに脱帽です。胸の奥がじわりとやられる不快感。 でもこの2人の間にあった愛情は本物だったのだと思います。 「ユルス」 この一言に尽きるかと! 「踊る一寸法師」「人でなしの恋」など、 他の収録作品もじくりと気持ち悪いいいおはなしでした。 本編には関係ないけれどこの角川版、 表紙が田嶋昭宇できれいだから気に入って集めているのですが 伏字の部分がそのままで刊行されているらしく、 本編が完璧な状態で読めなかったのが残念です。 そのため汲み取れない部分がいくつかあったので、 角川の落ち度を含めて★4つで。

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2011/02/28

赤い部屋が好きでした。 あと、人でなしの恋のじわじわ感がたまらない。 喋る人形というわけではなく、あくまで夫が声音を変えて話していた、というところが凄い。だからこそ怖い。

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2010/11/20

読み終わって三日目の晩、夢に出ました。   「芋虫」の発想は恐ろしいものでありながら、けして物珍しくないものと思います。小説や絵などでもそのモチーフには何度か触れてきました。しかし、今回この小説を読んで、「芋虫」が初めて夢に出てきました。   それは「芋虫」が読者には恐怖の対象で...

読み終わって三日目の晩、夢に出ました。   「芋虫」の発想は恐ろしいものでありながら、けして物珍しくないものと思います。小説や絵などでもそのモチーフには何度か触れてきました。しかし、今回この小説を読んで、「芋虫」が初めて夢に出てきました。   それは「芋虫」が読者には恐怖の対象でありながら、時子にとっては情欲の対象であったことが原因に他なりません。そして時子が彼にひかれる理由が、切々と描写されているのです。恋しい人を占有したい想いがある方であれば、少なくとも一瞬はその想いに納得してしまうでしょう。それくらい、妙に説得力があるのです。   本書には、奇異なものとして片付けるには惜しい、醜くも甘美な世界が描かれています。小説でなければ、恐ろしくてその世界の入口に立つことも叶わなかったかもしれません。今後もシリーズを読み進めていくつもりです。

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2010/09/03

江戸川乱歩は、小学生のころによく読みました。 今話題の映画「キャタピラー」の原作だとのことで、本当に久しぶりに読んでみましたが・・・・・・・、気持ち悪い。 子どもの頃は、よく平気で読めたもんだ・・・。

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2010/09/01

標題作の「芋虫」が、映画「キャタピラー」のヒントになったという作品で、映画を観た後に読んでみた。 戦争で四肢とコミュニケーション手段をほとんど失った帰還兵と、その妻の話。 小説では、戦争の愚かしさではなく、人間のこわさがテーマの中心になっている。 終盤の場面、文字では読めたけど、...

標題作の「芋虫」が、映画「キャタピラー」のヒントになったという作品で、映画を観た後に読んでみた。 戦争で四肢とコミュニケーション手段をほとんど失った帰還兵と、その妻の話。 小説では、戦争の愚かしさではなく、人間のこわさがテーマの中心になっている。 終盤の場面、文字では読めたけど、映画には反映されなくてよかった。実写ではエグくてみれないよ。。 「芋虫」以外の短編も面白く、特に「踊る一寸法師」、「赤い部屋」、「人でなしの恋」が気に入った。 いわゆる『ホラー小説』は読み切れたことがなく、現代小説でもないので、苦手意識があったけど、読みやすかった。 江戸川乱歩すごい。

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