舞い降りた天皇(下) の商品レビュー
日本史においての天皇制の意義は、 神道の概念に天皇を頂くことにより、地方豪族達のモノであった民衆を自立させ、なおかつ民衆を分離させず一つの国へとまとめ上げたことだと思います。 それにより中国の華夷思想の中からの独立も出来ました。 もしこの措置をとっていなければ、日本はどっか...
日本史においての天皇制の意義は、 神道の概念に天皇を頂くことにより、地方豪族達のモノであった民衆を自立させ、なおかつ民衆を分離させず一つの国へとまとめ上げたことだと思います。 それにより中国の華夷思想の中からの独立も出来ました。 もしこの措置をとっていなければ、日本はどっかに吸収されるかバラバラになっていたかもしれません。 ヨーロッパや中国・朝鮮は 支配者(支配民族)が変わる度に それまで培われた文化や価値観は蹂躙され 歴史が断続してしまっております。 それに比べ日本は少なく見積もっても1700年以上にもわたり、幕府や支配者が変わりながらも文化や伝統などが断続することなく継承出来ました。 すべてが天皇制のおかげだとは言いませんが日本の根幹を担ってたことは間違いありません。 天皇の歴史は日本の歴史が連続している証拠だとも言えます。 そして、未だにこの装置は機能し続けております。 この本を読み日本の歴史は様々の文化を吸収し、元の文化と和合することにより育まれていったことを再認識いたしました。
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歴史小説家・望月真司シリーズ。 今作では天皇のルーツを探る。説としてはやはり面白い。「対馬」と「壱岐」及び古代史との関係は、他の本でも読んだことがあったからかそれなりにしっくりときた。魏志倭人伝の解釈もなかなか説得力があり、邪馬台国の位置や、卑弥呼の特定に至る解釈もうんうんと頷...
歴史小説家・望月真司シリーズ。 今作では天皇のルーツを探る。説としてはやはり面白い。「対馬」と「壱岐」及び古代史との関係は、他の本でも読んだことがあったからかそれなりにしっくりときた。魏志倭人伝の解釈もなかなか説得力があり、邪馬台国の位置や、卑弥呼の特定に至る解釈もうんうんと頷きたくなる。 ただ、前作でもそうだが、とりあえず小説ストーリー部分を何とかしてほしい。無駄にサンカが出てきたり、オカルトっぽくなったり。その上、主人公のキャラにさほど魅力が感じられず、読むのが辛い。
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上巻同様、無駄にミステリー仕立ての古代史案内。 しかしただのオカルト話だったのがだんだんと資料に基づいた分析に変わってくるので、下巻は比較的読みやすい。魏志倭人伝の読み解きが非常に面白い。卑弥呼も壱与も実在したと仮定するも、男王に利用されたシャーマンであると規定する点など、大胆...
上巻同様、無駄にミステリー仕立ての古代史案内。 しかしただのオカルト話だったのがだんだんと資料に基づいた分析に変わってくるので、下巻は比較的読みやすい。魏志倭人伝の読み解きが非常に面白い。卑弥呼も壱与も実在したと仮定するも、男王に利用されたシャーマンであると規定する点など、大胆ではあるが興味深い洞察である。 本書が拠って立つ議論は以下の点であり、網羅するように話がまとめられている。 ・「記紀」編纂は時の朝廷の権威付け ・邪馬台国九州説 ・神武東征 ・ヤマトの戦略は中国から色濃く影響を受けている(特に孫子の兵法) 残念なのは、終盤結論を急ぎすぎて、それまではくどいほど思考過程が示されていたのに突然議論が飛躍する場面が多かったことである(壱与は女性器を破壊された、など)。 また、登場人物が殺されたり主人公の家が放火されたりと、本筋に関係ない無駄な演出が多すぎる。結局そちらの話は最後までなんだかわからないうちに終わってしまったし・・・。普通に書けば面白いのに、、、
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
上下巻あわせて700ページ弱の歴史ミステリーの幕が降りる。 「天皇X」の正体を巡る探索は、邪馬臺国の場所探しから、朝鮮半島と九州をつなぐ壱岐・対馬をめぐり、三種の神器が眠る「神宮」へ。 主人公望月のゴールを影で支えるハチとよばれるまつろわぬものの集団とそれをじゃまするものの暗闘がエンターテインメント性を上げるはずなのだが、この小説らしい部分が非常に浅い。あっさり関係者は死んでいき、両者の解明はほとんど話の流れからおいて行かれている。 まぁ、歴史モノの本ということが主題なんでしょうがないかとも思いきや、それならそれで小説風ではなくノンフィクション風の立て付けでもいいのではないか? とはいえ、最終的には邪馬臺国の場所から卑弥呼の墓、そして天皇Xの正体と、なにより文明的な大陸(シナ、朝鮮)と遅れている縄文的倭国という従来の立ち位置も解釈をかえるとこうもすっきりとするものか!と最後の章は心踊らされる怒涛の謎解きの展開です。
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この著者の本は刊行順に読んだほうがよい。 一見、真実味のある異説が展開され、フィクションとはいえ著者にとっては真実なのではと思っていたが、サンカが出てきたところで怪しくなってきた。
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