1,800円以上の注文で送料無料

巡察師ヴァリニャーノと日本 の商品レビュー

4

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2017/10/29

オンライン講座でヴァリニャーノの業績を聞きかじったので。 日本への伝道師といえば、フランシスコ・ザビエルしかしらない私でも、 イタリア人向けに書かれたこの本はちょっと読みにくい。 日本の時代背景や社会の説明が丁寧過ぎるからだ。 もし、我慢できないようであれば、第1章は飛ばしても...

オンライン講座でヴァリニャーノの業績を聞きかじったので。 日本への伝道師といえば、フランシスコ・ザビエルしかしらない私でも、 イタリア人向けに書かれたこの本はちょっと読みにくい。 日本の時代背景や社会の説明が丁寧過ぎるからだ。 もし、我慢できないようであれば、第1章は飛ばしても良いと思う。 内容は、日本研究家とはいえビジネスマンが書いたとは思えぬぐらい、 良く調べて書かれているが、 後半の構成が時代と行ったり来たりしているのも、 ちょっとわかりにくい。 とはいえ、日本・中国といったキリスト教のないところにも高度な文化があることを理解し、 それを受容しながら布教を行い「適応主義」を切り開き、 天正遣欧使節の派遣や当時の日本人口1800万人うち30~40万人が信者となる成功をおさめたヴァリニャーノに先見の明と企画力と忍耐強さがあることは、とてもよくわかった。 また、学生時代に口論の末、女性を刺すと言った過去が本当に意外だった。 面白かったのは、 日本人評で、 上の者が入信すると下の者は右に倣うという指摘と、 見た目を整えもの珍しくしないと清貧な姿では誰も信じないという指摘。 現代の日本人も変わっていない。 それにしても、なぜ日本でのキリスト教布教に終わったのか。 いろいろな要因があるのはわかるが、 もう一つぴたっとくる自分なりの正解がまだみつからない。

Posted byブクログ