この人この世界 8・9月 神になった日本人 の商品レビュー
小松和彦著『神になった日本人』。はじめ、「なんのこと?」とおもいつつ、本誌を手に。 読み進むうち、「確かに」そういう人、「いるわ」の感。 藤原鎌足の談山神社に、崇徳上皇。こちらは、キーワードが「怨念」と「たたり」。 死後、「悪さ」「凶事」の鎮圧、鎮魂のための祭祀。...
小松和彦著『神になった日本人』。はじめ、「なんのこと?」とおもいつつ、本誌を手に。 読み進むうち、「確かに」そういう人、「いるわ」の感。 藤原鎌足の談山神社に、崇徳上皇。こちらは、キーワードが「怨念」と「たたり」。 死後、「悪さ」「凶事」の鎮圧、鎮魂のための祭祀。談山神社が今日の位置を占めるのは、実に「明治期」の所産とは。 佐倉惣五郎は義民で知られるが、豊臣秀吉、徳川家康は自分で神様になることを後事に託した。 秀吉も家康も、一向一揆=仏教を睨みつけ続けるために、大明神・大権現になったのでは、とする。 西郷隆盛も登場する。 維新前には江戸城の「無血開城」で確固たる位置を確保しつつも、維新政府ではズレていく。そこのところを庶民は「思慕と敬愛の『記憶装置』」と、する。 もちろん庶民でも神になっている存在もある。靖国神社のご祭神は、紹介だけあって取り上げられていないが。 日曜日に読了。このページを書いている段階で、後醍醐天皇のことを失念。 怨念、仏教への睨み、庶民の思慕。時代とともに、神々昇格の念も位置も、見事に変化という話。(日本放送出版協会 2008年)。
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NHK教育テレビのテキスト。日文研の小松先生による。最後の方で名もない庶民が神になる過程が紹介されていたけれど、もう少しマニアックな話を期待してただけに、少し残念。一般の読者/番組視聴者は、有名な寺社の裏面史を見るようで、面白く感じたと思うのだが、この手の世界に少し足を踏み入れた...
NHK教育テレビのテキスト。日文研の小松先生による。最後の方で名もない庶民が神になる過程が紹介されていたけれど、もう少しマニアックな話を期待してただけに、少し残念。一般の読者/番組視聴者は、有名な寺社の裏面史を見るようで、面白く感じたと思うのだが、この手の世界に少し足を踏み入れたことがある者にとってはネ・・
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