鬱の力 の商品レビュー
対談本なので軽く読めた。でも重要なキーワードはかなりちりばめられていたと感じる。 病気としての「鬱」と人間として当然の、むしろ必要不可欠な「鬱」についてどう捉え、認めていくか、が大筋の流れだった。 そして現代社会に多くあるジレンマも指摘しており、読後に唸ってしまった。 どちらも博...
対談本なので軽く読めた。でも重要なキーワードはかなりちりばめられていたと感じる。 病気としての「鬱」と人間として当然の、むしろ必要不可欠な「鬱」についてどう捉え、認めていくか、が大筋の流れだった。 そして現代社会に多くあるジレンマも指摘しており、読後に唸ってしまった。 どちらも博識で特に五木氏は仏教も詳しいので新たな知己を得られて満足感は高い。
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数多くの作品を世に送り出し、現代日本を代表する作家とメディアで活躍する女性精神科医という異色の対談。 テーマも「鬱の力」ということで、なかなか興味をそそられます。 対談の主題は、バブルの「躁」時代を過ごした後、現代はその反動で「鬱の時代」というべき時代になっている。 しかし...
数多くの作品を世に送り出し、現代日本を代表する作家とメディアで活躍する女性精神科医という異色の対談。 テーマも「鬱の力」ということで、なかなか興味をそそられます。 対談の主題は、バブルの「躁」時代を過ごした後、現代はその反動で「鬱の時代」というべき時代になっている。 しかし、それは、決してすべてを病気として扱うべきものなわけではなく、その背景や要因を理解して、分類し、良性のものならば、「鬱」のそもそも秘めたるパワーを引き出すような生き方を、世の中全体としてしていくべきだという論旨が展開されます。 なるほど、「鬱蒼(うっそう)とした」というコトバがあるように、そもそもエネルギーを秘めたものなんですよね。 だから「鬱」を一概に悪と決めつけてはいけないというのは、一理あるような気がします。 「鬱」の見極めとは、心因性のものと、脳に起因するものがあり、脳に起因するものはうつ病として治療すべきものだが、心因性のものは、病ではなく、「気遣い」とか「心配り」とか、むしろ良質の心理作用の結果としてのストレスが発現したものであるという定義を披露します。 これもかなり納得感があります。 たぶんこの定義によって、現代に治療を受けている、多くの自称「うつ病患者」は、治療対象ではなくなるはず。 ワタシの精神不安定も、仮に鬱だてしでも、明らかにうつ病ではなく、この心因性鬱。健康的な鬱だと認識できます。それだけでも私のストレスがかなり軽減され、新しいエネルギーにつながる気がします。 右上がりの成長を当たり前にしてきた私たち。 経済成長が踊り場を迎え、イケイケな将来をイメージしにくいいま、大きくパラダイムシフトを果たして、こうした内的なエネルギーの活かし方をみんなが理解して、実行していければ、いままでとは全く違う新しい時代が開けるかも、です。 そんな気付きをもらった一冊でした。
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時代は鬱へ。これからの下り坂の日本を、鬱の力でしっかりと下を向いて歩こうと。で、成熟した国を形成しようという2人の主張は前向きであるとさえ感じる。登山は上りより下りが難しい。国民の意識も、国の政策も躁のままでは、もう時代に合わず継続不可能な事に気がつくべきなんだが、物心ついた時か...
時代は鬱へ。これからの下り坂の日本を、鬱の力でしっかりと下を向いて歩こうと。で、成熟した国を形成しようという2人の主張は前向きであるとさえ感じる。登山は上りより下りが難しい。国民の意識も、国の政策も躁のままでは、もう時代に合わず継続不可能な事に気がつくべきなんだが、物心ついた時から鬱の時代の20代以下は問題ないと思う。問題になりそうなのは、躁の時代に生きた中年以上のマインドチェンジか?
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これが書かれたのは2008年。かれこれ、三年がたっている。色々な問題に観点を起きながら鬱を語るこの本は、突き詰めていったら、今読むべき本だったのだという気がしてくる。将来、日本の展開期と位置づけられるであろうこの時期に読むべき本だと思う。
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豊かな視点からの「鬱」「統合失調症」などについての考察を、対談という形で示した本。斬新で画期的な、読んで力が湧いてくる本でした。
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“流行りの鬱”とは違う、心のどこかで知っていることについて、極端でも婉曲でもない言葉で語られている。
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うつ病と感情の鬱は違い、感情の鬱は悪いものではない。また、日本は躁から鬱の時代になっていく。というものだった。 感想 対話形式なので、話題がいろんな所にとんでいた気がする。メンタルヘルスケアの講演の成果があがらなくて、著者の五木さんに講演を頼む業界が、1銀行、金融関係 2IT情...
うつ病と感情の鬱は違い、感情の鬱は悪いものではない。また、日本は躁から鬱の時代になっていく。というものだった。 感想 対話形式なので、話題がいろんな所にとんでいた気がする。メンタルヘルスケアの講演の成果があがらなくて、著者の五木さんに講演を頼む業界が、1銀行、金融関係 2IT情報関係 3病院、医師関係らしい。これは、市場原理のかなかにあるもの、情報の先端にあるところ、あと医療というのが、今の時代をわかりやすく反映してるものなのかなぁと思った。 しかし教員など教育関係は入らないんだなぁと疑問におもった。業界がお金ないからだろうか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今の時代は、昔は、躁か鬱か、とかいう話をつらつらと話してる、だけ!?っと言ったら失礼かなぁ。 誠に恐縮ですが、何か薄っぺらい内容、、と思ったわけで。 新書本、特有の、か。 ただ、心療内科っていうのが身近なものになってきた、という話については、心療内科という存在を、昨年に初めて知った俺にとっては、まったくその通りだと思った。 実体験だが、、心療内科も、良し悪しが特にあるので、病院選定にはご注意されたし! ということで、話は逸れたが、 信仰について、死について、鬱について、躁について、医療について、とか脱線脱線しつつ、総じて、鬱の話に戻る、的な本です。 これからは「どうなる、こうなる」という話を、お二人でつらつら語っています。
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躁状態の国民が軍を支持した、期待した。 今は鬱の時代。 鬱的な気分とうつ病は違う。 山を下る、ブレーキを掛ける時の心地よさ、文明の成熟。 親鸞とか道元、読んでみよう。
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確かに、昨今は「鬱(病)」の認定ハードルが低くなったように感じる。 色々なひとのブログ等を読んでも、この言葉が当たり前に使われる。 なるほど納得、国民総鬱病時代といわれることはある。 ※ ヒーリングCDの裏面に書かれていた衝撃のお言葉。ヒーリングなのに。 鬱は、元々外向的に発散...
確かに、昨今は「鬱(病)」の認定ハードルが低くなったように感じる。 色々なひとのブログ等を読んでも、この言葉が当たり前に使われる。 なるほど納得、国民総鬱病時代といわれることはある。 ※ ヒーリングCDの裏面に書かれていた衝撃のお言葉。ヒーリングなのに。 鬱は、元々外向的に発散されるエネルギーが内向的に吹き溜まっている状態のことも指すらしい。高校の保健授業で習った「軽度の鬱もしくはフラストレーションだったら、運動することで発散させられる」こととつながる気がする。どうしても「鬱」と聞くと、意欲低下厭世感自滅願望で、エネルギー枯渇のイメージが浮かんでしまうけれど、エネルギーのベクトルの向きによる「鬱」もあると思うと、鬱も捨てたものじゃないと思えるから不思議。 ただ、私論なのだけど、 「鬱」ということばには、ひとを迷わせたり惑わせたりする力があるから、 無闇に口外したり使用するのは避けたい。
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