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シシリエンヌ の商品レビュー

3.9

15件のお客様レビュー

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2024/03/10

コップ一杯の水に垂らした一滴の毒が広がっていく とてつもなく強く美しく「僕」に演出していた孤高の薔薇の「貴方」は着る人に強さを求めるギャルソンではなく、弱さを受け入れてくれるヨウジをずっと好んでいたように実際はとても臆病で弱さを見せられない弱さがある等身大の女の子だったのだと思う...

コップ一杯の水に垂らした一滴の毒が広がっていく とてつもなく強く美しく「僕」に演出していた孤高の薔薇の「貴方」は着る人に強さを求めるギャルソンではなく、弱さを受け入れてくれるヨウジをずっと好んでいたように実際はとても臆病で弱さを見せられない弱さがある等身大の女の子だったのだと思う。 「僕」が「貴方」といたあの時間は「貴方」に捧げた春だったんだね 最後まで「僕」を共犯者にしてくれなかったのは彼女が未熟だったから、でもだからこそ彼女の思惑通りになった 作戦は成功、痛いほど気持ちがわかってしまう そういえばつい昨日セックスをしたなとふと感じたのだけどそれはこの本のことだった、すごいな

Posted byブクログ

2023/08/30
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中学生の時、女友達からお薦めされて読んだ。 語り口からエッセイだと、最後の方まで勘違いしてた。 昔読んだ時は、「貴方」が確固たる自己を持った完璧な女性に感じられたけど、歳をとった今読み返すと、生きるのが不器用で繊細な普通の女性に感じられた。 二十代後半は女性にとって転換期だと思う。 ハンディキャップだけじゃなくて、自身の女として価値が揺らぐ不安とか、色々が入り混じって最後の選択に繋がったように思う。 不細工男を選んだことも、今なら理解できる。 昔はその選択がすごく悲しかったけど、今はそこにある幸せも悪くないんじゃないかと思える。 誰かのファムファタルとして、心に美しい姿で記憶され続けるのは羨ましいなと思った。

Posted byブクログ

2021/09/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 ここまで物語の前半と後半で印象の違う小説はそうないと思う。  今まで自分が読んできた嶽本野ばら作品の中でも、秀でて告白ぐあいがすごい。どうしてこんなに倒錯した美しい世界を書くことが出来るのだろう。自分にはどう足掻いたって届きそうもない恋物語が、この小説にはある。それに恍惚として、ちょっと哀しくなる。この感覚は一生忘れない。自分は嶽本野ばらさんの作品の他に、醜いとみなされているものに具備する美しさを赤裸々に語れる作品を知らない。  印象に残ったのは「僕」と「館主」のマリアについての会話と、「貴方」がyohji yamamotoを着る理由、そして、「貴方」の「僕」に対する思いだ。  ブルーフィルムに生きるアングラ世界の住人、「館主」に「僕」は「最低ですね」と言うが、読んでいて自分もそう思った。しかし、「館主」が話を進めていくにつれ、彼の「美学のあるエロス」を聞いていくにつれ、印象がガラリと変わっていく。醜いと思っていたものが、突如、眩しいまでの美しさをまとい始める。  「貴方」は「僕」を閉じ込める監獄であり続けた。「僕」は「貴方」を憎み、愛し、求めた。が、それゆえに「貴方」はまた、不安になっていったと語る。永遠の幸せを信じることが出来なかった、と。やはり「貴方」に対する自分の印象も、ここでガラリと変わる。そして「貴方」――「永久に枯れない薔薇」は、気高くyohji yamamotoをまとった女性であり続ける。このような嶽本野ばら独特の、「貴女」=yohji yamamoto といったファッションの役割が、ものすごく好きだ。  今、この本にはたくさんの付箋が貼られている。すべて自分が興味を持った、或いは心を動かされた会話や表現だ。これ以上語ることも難しい。今はとにかく余韻に浸りたいような気がする。そこで、この小説で心に残った文章を引用して、強引であるけれども感想としたい。・・・・・・本当に大好きになった本でした! ありがとうございました! 『背が高い、顔がいい、手先が器用だ。――そのようなことと同一に、ハンディキャップを飽くまでポジティブに捉えようとする者達がいる。館の女優達は皆、そうなのだ。彼女たちは女優として生きることに己の誇りを持っている。彼女達は強い。しかしそれは最初からあったものではないでしょう。誇りと強さを内に秘めるまで、どれだけの煩悶と挫折、葛藤と自己嫌悪を乗り越えてきたことか。彼女達は美しい。何よりも美しい。』(本文より)

Posted byブクログ

2016/07/28

服のブランドとそれを着るための心持ちがしっかりしているところが好き。今回出てきた女の子はロリータではなかった分お話の内容もセクシーだったし身につけているもの含めのエロスだった。 ブルーフィルムの女の子たちもみんな愛おしい。私もみんなにドレスをプレゼントしたいなと思った。男優だけが...

服のブランドとそれを着るための心持ちがしっかりしているところが好き。今回出てきた女の子はロリータではなかった分お話の内容もセクシーだったし身につけているもの含めのエロスだった。 ブルーフィルムの女の子たちもみんな愛おしい。私もみんなにドレスをプレゼントしたいなと思った。男優だけが浮いて見えるくらい馬鹿馬鹿しいのもらしくなくて良い。最初からわかってたけどハッピーエンディングにはしてくれない、非現実的ではあるけど、どこかでこういうことが起きていたらそれはとても悲しくて美しいことだなと思う。

Posted byブクログ

2013/11/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

だいぶ前に図書館から借りて読んだ本を再読。いつもの野ばら作品とは雰囲気が違い、淫靡。キャラクターの名前は僕や君やニックネームのみ。主人公の僕は大が開く受験を控えた高校生。恋人もいる。だが散髪に行った叔母の家で従姉と出会ってしまう。彼女はノーマルだった僕の嗜好を変えてしまう。彼女なしではいられなくなるのもすぐだった。英語の勉強を教えてもらうという口実で叔母の家に行っていたのだが、彼女の目が見えなくなってしまう。しかし彼女はめげることなく、館へ行く事を決める。そこでは様々な障害を抱えた女性のブルーフィルムが撮影されていた。それから起こる様々な出来事の後、彼女は壊滅的に会わないと思う男と結婚を決めてしまう。

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2013/08/13

性描写がものすごく多いので、電車で読み始めて後悔。別に嫌いではないのでちゃんと読みますが。 僕と貴方の行為に関する描写と、ブルーフィルムを撮る時の男優が使う単語が違う(具体例を出したいような気がするけどいいのか、やめよう)のが、たぶん、野ばらストライクゾーンにより受け入れられるよ...

性描写がものすごく多いので、電車で読み始めて後悔。別に嫌いではないのでちゃんと読みますが。 僕と貴方の行為に関する描写と、ブルーフィルムを撮る時の男優が使う単語が違う(具体例を出したいような気がするけどいいのか、やめよう)のが、たぶん、野ばらストライクゾーンにより受け入れられるようになんだろうなって、邪推。 「下品な男優の言葉ではエロスは刺激されないけれど、僕と貴方の行為は本当に官能的で甘美な興奮を覚えましたわ。」 みたいな感想になっていくのではないでしょうか。狙いとしては。 最後の主人公の生きていく方向にはすごく共感した。

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2012/11/27

悪く言っちゃうと裏エロの世界を描いた話。 善く言うと、究極のエロスと官能的な愛を描いた作品です。 まぁ、すごいです。表現がすごい。ここまで書かれると圧倒されるわねぇ。 読みたくたくなるような猥褻用語も出てくれば、医学的用語も出てきたり、そしてちょっとおフランス的な知的な表現もあ...

悪く言っちゃうと裏エロの世界を描いた話。 善く言うと、究極のエロスと官能的な愛を描いた作品です。 まぁ、すごいです。表現がすごい。ここまで書かれると圧倒されるわねぇ。 読みたくたくなるような猥褻用語も出てくれば、医学的用語も出てきたり、そしてちょっとおフランス的な知的な表現もあったりで、なーんか圧倒されます。 この本では、それぞれの登場人物の本当の名前は出てこないんだよね~。 『貴方』『君』『母』『伯母』『館主』『マダム』など。。。 名前で人物のキャラを制限したくない作者の意図的なものなのか、主人公『僕』の詩的な表現からなのか、そこがまたミステリアスでいいです。 ここまで官能的に厭らしく書かれてるのに、文章自体がとてもきれいな文体で成り立っているので、そんなに嫌らしく聞こえないの。 反対にここまで書かれると、読んでても冷静に読めちゃうとこがミステリアス。 そして日本でいながら背景はフランス的。絵になるような描写になってます。 最後、『僕』が『貴方』から送られたテープを聴いたあとの『僕』の気持ち。とっても痛いほど分かる気がしました~。とっても切ないね~。泣きそうになっちゃったよ。 それに、この小説はいわゆる「官能シーン」が多いのに、実はそれぞれの登場人物には背負ってるものがあって、それを乗り越えていってる力強さを感じました。 読んでるうちは、そんなに良い本だ。とは感じなかったのに、読み終わって、ジワジワとこの本の良さを感じ、なんか感想を書いてて泣きたくなってきてます。 読んでるうち、最後読み終わってすぐ、とかに泣いたことはあるけど、こういうことは初めて。 読み終わって、頭を整理してみて、この本の本当の良さが分かった気がします。 私は、この本は好きだったけど、こういう官能すぎる本が根っからダメな人は受け付けないだろうな~。 それと、性欲の強い人も官能シーンに浸りすぎちゃって、この本の良さがわからないだろうな~。 って思う。 とっても重みのある小説でした。。。

Posted byブクログ

2012/07/22

まず初めから性描写がでてくる。しかし官能、耽美的な表現がただの官能小説とは違い、若さ故の真っ直ぐ感情や現実ではありえない設定だけどまったくグロいシーンは無かったし、良かった。

Posted byブクログ

2010/09/09

ただのエログロにしか受け取れないとしたら、それはあわれだ。 最も、まともに読めたことがないのだけど。

Posted byブクログ

2010/02/27

ファッションに関する描写が多すぎて、 ちょっとうっとおしくなってくる。 ここまであれこれブランド名まで出す必要が、 果たしてあるのか? 作者の自己満足に過ぎないのでは。 あまりファッションに興味がない人、 詳しくない人には苦痛かも。 登場人物も内容もかなり強烈なので、 好き嫌...

ファッションに関する描写が多すぎて、 ちょっとうっとおしくなってくる。 ここまであれこれブランド名まで出す必要が、 果たしてあるのか? 作者の自己満足に過ぎないのでは。 あまりファッションに興味がない人、 詳しくない人には苦痛かも。 登場人物も内容もかなり強烈なので、 好き嫌いがはっきり分かれそう。 でも、 エログロだし相当歪んでるけど、 純愛小説、かも。 ☆☆☆ ホシ3つ

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