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大穴 の商品レビュー

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2009/10/04

団 鬼六というとすぐにSMと来るが、氏の文才は素晴らしいものがあると思う。これは氏がまだ若干26歳の時に書かれた小説で、何でもいいから書いてくれと、山の上ホテルに監禁され、意識が朦朧とする状態でたった4日間で書き上げたという。昭和30年初期の大阪を舞台に、小豆相場で一儲け(大穴)...

団 鬼六というとすぐにSMと来るが、氏の文才は素晴らしいものがあると思う。これは氏がまだ若干26歳の時に書かれた小説で、何でもいいから書いてくれと、山の上ホテルに監禁され、意識が朦朧とする状態でたった4日間で書き上げたという。昭和30年初期の大阪を舞台に、小豆相場で一儲け(大穴)を当てようと奮闘する大学生の奮闘ぶりが、鬼六節とも言える文体で時にユーモラスに語られる。「この小説は私の青春そのものである。」とあとがきで氏は言っているが、後味さわやかな読後感は、その辺にあるのだろう。 (Aug 17, 2000)

Posted byブクログ