夜市 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人間が住む世界とは違う、別の「どこか」にある異界。 そこでの決して変えることのできぬルールというものの恐怖と物哀しさが淡々とした文章から、心に突き刺さるように伝わってくる。 12年ぶりに読んだが、この衝撃は相変わらず物凄い。 個人的にはとんでもないホラー。 (「どうしたらいいのか分からない。どうすることも出来ない、従うしかない。」という思いを強く感じる。) 今回は「風の古道」もじっくり読めて満足。 またいつか読もう。
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恒川さん作品の中で群を抜いて好きです。刹那的で儚い美しさが詰まっているように感じます。毎年夏になると必ず読みます。
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私達人間が生きる世界観と似てるけど全く違うパラレルワールドが存在する不思議なお話。 あやかし好きの人はこの雰囲気が大好物なはず。 夏休みに蝉の声を窓越しに聞きながら西日の差す部屋で読みたい雰囲気の本! 夜市も、風の古道も最後はひとり。 そしてそれぞれがまた違うスタートをきる。 何...
私達人間が生きる世界観と似てるけど全く違うパラレルワールドが存在する不思議なお話。 あやかし好きの人はこの雰囲気が大好物なはず。 夏休みに蝉の声を窓越しに聞きながら西日の差す部屋で読みたい雰囲気の本! 夜市も、風の古道も最後はひとり。 そしてそれぞれがまた違うスタートをきる。 何かが終わってまた始まる。 そんなおはなしです
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中学生の時、当時の司書さんにお薦めされたのがきっかけ。それから7年ほど経った今でも記憶に残っていて、また読んでみたいと再読した。当時ほどの衝撃はなかったが、独特な世界観と雰囲気は健在。「夜市」のもの悲しさがなんとも言えない良さ。
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2005年第12回日本ホラー小説大賞を受賞した表題作含む2編収録の短中編集。 2編ともホラーというよりもファンタジー的要素を強く感じる作品であり、怖さは感じなかった。むしろ幻想的な風景が浮かび、その世界観の中で生きることを考えさせてくれる作品と感じた。自分を犠牲にして他者を救...
2005年第12回日本ホラー小説大賞を受賞した表題作含む2編収録の短中編集。 2編ともホラーというよりもファンタジー的要素を強く感じる作品であり、怖さは感じなかった。むしろ幻想的な風景が浮かび、その世界観の中で生きることを考えさせてくれる作品と感じた。自分を犠牲にして他者を救う、それが求められた答えなのか、他人を犠牲にして生きていくことに罪悪感は伴い続けるのか、そうした永遠に解決することはないであろうテーマが描かれている。 個人的には表題作よりも「風の古道」という作品のほうが少しミステリ的な要素も仕掛けられてあり印象に残った。
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デビュー作にして第12回日本ホラー小説大賞受賞作で第134回直木賞候補作の「夜市」と書き下ろし「風の古道」の2篇の短編集。 「夜市」·····小学生の時に迷い込んだ不思議な市場「夜市」で弟と引き換えに野球の才能を買った裕司は贖罪に苛まれ再び「夜市」へ向かう。 「風の古道」····...
デビュー作にして第12回日本ホラー小説大賞受賞作で第134回直木賞候補作の「夜市」と書き下ろし「風の古道」の2篇の短編集。 「夜市」·····小学生の時に迷い込んだ不思議な市場「夜市」で弟と引き換えに野球の才能を買った裕司は贖罪に苛まれ再び「夜市」へ向かう。 「風の古道」·····小金井公園の花見で迷子になった5歳の少年は古道を通り自宅に辿り着く。12歳の夏休み友人と再び古道を訪れるがそこは人里と隣接するが普通の人間には見えない異界の道だった。 異界往還と現実の因果を幻想的に紡ぐ物語。 ★★★✩✩ 3.0
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普段想像しているホラーとは違った。ただ、例えば作中に登場する人攫いの一日はハチャメチャなグロホラーだろうな、とサブストーリーまで想像できるのは、描写がよいのだと思う。ところどころ読者側で補完しながら読む感じも夜市の雰囲気に合っている。 風の古道も同様で、全体的にぼんやり霞がかかっ...
普段想像しているホラーとは違った。ただ、例えば作中に登場する人攫いの一日はハチャメチャなグロホラーだろうな、とサブストーリーまで想像できるのは、描写がよいのだと思う。ところどころ読者側で補完しながら読む感じも夜市の雰囲気に合っている。 風の古道も同様で、全体的にぼんやり霞がかかったようなレンの世界を想像して、読んでいて楽しかった。
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読み終わった直後はそこまで面白いと思わなかったが、ひと月ふた月経つとなんだか懐かしくなってこの世界観に浸りたくなる。そんな本。
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ホラー小説として、読んだが、結論、怖くはない。 雰囲気はある小説だが、ホラーではなくファンタジーのカテゴリー。
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初めてのホラー小説大賞。 怖くはないが、夜市の幻想的な世界観がものすごく好み。もっともっと夜市の世界に迷い込みたかった。
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