夜市 の商品レビュー
表題作と『風の古道』という中篇が二編収められた本。デビュー作なんだそうな。 ホラー小説大賞受賞なんて帯にあるけど、この賞について俺に特別な思い入れはない。ただ本屋で見て、表紙やタイトルに強くひかれたものだった。「これ、絶対面白いよなぁ……」って。 そういうことは、俺にはけ...
表題作と『風の古道』という中篇が二編収められた本。デビュー作なんだそうな。 ホラー小説大賞受賞なんて帯にあるけど、この賞について俺に特別な思い入れはない。ただ本屋で見て、表紙やタイトルに強くひかれたものだった。「これ、絶対面白いよなぁ……」って。 そういうことは、俺にはけっこうあることだし、読んだ結果としてはずれることも(はずれのことの方が)多いかもしんないけどさ(苦笑)。 これはあたりだった。 表題作も良かったんだけど、俺としては『風の古道』の印象が強かった。 普通の人には見えない不思議な道を行く、旅の物語とでもいうんだろうか。文章も雰囲気も良いのだけど、これはある少年の成長の物語だと思って読んだんだ。 成長というと、大きくなるというか、前向きに捉えられがちだと思うけどさ。ここでいう成長はちょっと違う。 少年とその道連れは、ある目的を持って旅をする。結末で少年はある選択をしなくてはいけないんだけどさ。もう読んでいて、その選択は「ない」と思えたんだよ。大人に向かうってのは、大きくなるだけではなく、それまで持っていた何かを捨てなくてはいけないこともあるんだな。ってことが書いてあるわけじゃないんだけど、感じることができたような気がするんだな。 印象に残る本だった。なんの予備知識もなく、なにげなく手に取った本で、ここまで楽しませてもらえたというのは、本を読むなかでの至福だと思う。
Posted by
恒川さんの書く文章はやっぱり凄い。 特に「風の古道」 どこか懐かしいそれでいて、美しい世界。 いつまでもこの世界にいさせて、まだ終わらないでと思いながら読んでいました。
Posted by
ちょっとホラーちっくなファンタジーという感じ。 世界観がすごく好きで、引き込まれて、読了後も浸ってしまった。 私たちが暮らしてるこの世界のすぐそばに、こういう世界もあるのかもしれないと思うと、ドキドキする。
Posted by
ホラーなので怖いのを想像したから、そういう意味では期待外れ。どちらかと言うとファンタジーっぽいかな。綺麗な景色が目に浮かんでくるようで、、、映像化といえば、まるで「世にも奇妙な物語」の世界観。でも短編集かつ、そう長くないページ数なのですぐ読み終えちゃう。だからホラー苦手な方でも大...
ホラーなので怖いのを想像したから、そういう意味では期待外れ。どちらかと言うとファンタジーっぽいかな。綺麗な景色が目に浮かんでくるようで、、、映像化といえば、まるで「世にも奇妙な物語」の世界観。でも短編集かつ、そう長くないページ数なのですぐ読み終えちゃう。だからホラー苦手な方でも大丈夫だと。
Posted by
【2022年68冊目】 全体的に物凄く静かな文体で、技巧が派手に使われているわけでもないのに、じわじわと忍び寄るような独特の雰囲気があって、気づけば物語の中に惹き込まれておりました。特に風の古道は、どうなるのだろうというハラハラ感と、落ちている伏線をぽつりぽつりと拾いながらゆっく...
【2022年68冊目】 全体的に物凄く静かな文体で、技巧が派手に使われているわけでもないのに、じわじわと忍び寄るような独特の雰囲気があって、気づけば物語の中に惹き込まれておりました。特に風の古道は、どうなるのだろうというハラハラ感と、落ちている伏線をぽつりぽつりと拾いながらゆっくりと終焉に向かっていく空気感が秀逸でした。 ホラー苦手な方でも読んでほしい一作です。
Posted by
なんだかジブリ映画になりそうな作品。夜の奥にある特別な入り口から、入るとそこには、なんでも売っている夜市が開かれている。そこにいるこの世ならぬ者も、売られている物も鮮やかに目の前に浮かぶ。夜市ワールドのルールも妙に説得力がある。 もうひとつの短編にも古道ワールドのルールが解き...
なんだかジブリ映画になりそうな作品。夜の奥にある特別な入り口から、入るとそこには、なんでも売っている夜市が開かれている。そこにいるこの世ならぬ者も、売られている物も鮮やかに目の前に浮かぶ。夜市ワールドのルールも妙に説得力がある。 もうひとつの短編にも古道ワールドのルールが解き明かされる面白みがある。 読み終えた時に、目の前に広がる景色が本当に現実世界なのか、ちょっと迷う感覚に戸惑う。
Posted by
以前、あるTV番組で紹介された作品で、著者も出演されていて気になっていました。 ホラーのジャンルは初めてなので、何やら戸惑いつつ読んでいきました。 標題の「夜市」と「風の古道」の二篇で、個人的には「風の古道」がよかったかな。 カバーに最も切ないノスタルジック・ホラーと記され...
以前、あるTV番組で紹介された作品で、著者も出演されていて気になっていました。 ホラーのジャンルは初めてなので、何やら戸惑いつつ読んでいきました。 標題の「夜市」と「風の古道」の二篇で、個人的には「風の古道」がよかったかな。 カバーに最も切ないノスタルジック・ホラーと記されていて、上手い表現だなと思いました。
Posted by
小学生の時に不思議な市場「夜市」に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに野球の才能を買った。それに罪悪感を抱き続けた主人公は、再び夜市を訪れる……。 ホラー小説大賞を受賞した作品ですが、どちらかと言えば幻想怪奇やファンタジーといった雰囲気です。生と死、人とあやかしといった狭間の...
小学生の時に不思議な市場「夜市」に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに野球の才能を買った。それに罪悪感を抱き続けた主人公は、再び夜市を訪れる……。 ホラー小説大賞を受賞した作品ですが、どちらかと言えば幻想怪奇やファンタジーといった雰囲気です。生と死、人とあやかしといった狭間の世界と、そこに迷い込んでしまった人間を幻想的で美しい文章で描いています。 怖いといえば怖いんですが、ホラー的ではないというか。怖いけど迷い込みたいような気分になるように、何だか惹かれてしまいます。 「夜市」も良いですが、もう一編の「風の古道」も好きでした。
Posted by
決してみんなが幸せになることはなく、切なくて、寂しくて、それでも時間は淀みなく淡々と過ぎていく、そういう感覚の物語。
Posted by
たまたま観たテレビで作者本人が著作について語られており、面白そうだったので早速読んでみました。 不思議な2編のホラーでした。 『夜市』 人間の嫌~な部分。あなたならどーする? 『風の古道』 小金井公園が、違う世界への入り口とは。 フッとしたきっかけで違う世界に迷い込んじゃう...
たまたま観たテレビで作者本人が著作について語られており、面白そうだったので早速読んでみました。 不思議な2編のホラーでした。 『夜市』 人間の嫌~な部分。あなたならどーする? 『風の古道』 小金井公園が、違う世界への入り口とは。 フッとしたきっかけで違う世界に迷い込んじゃうことって、、、、、無いとは言い切れないなぁ。
Posted by