アドルフに告ぐ(文春C)(5) の商品レビュー
個々の価値観は、戦争という大きな流れにあっという間に呑み込まれて、予想だにしないほど変容していく。二人のアドルフの運命はあまりにも切ない。 反して何があっても一向に揺らがない信念をもつトーゲは希望の象徴で、彼を狂言回しの役割にすることが、ストーリーに大きな意味を持たせている。 ...
個々の価値観は、戦争という大きな流れにあっという間に呑み込まれて、予想だにしないほど変容していく。二人のアドルフの運命はあまりにも切ない。 反して何があっても一向に揺らがない信念をもつトーゲは希望の象徴で、彼を狂言回しの役割にすることが、ストーリーに大きな意味を持たせている。 歴史の波に、キャラがうまく乗っかったり巻き込まれたり弾き飛ばされたりしてるのが、精巧に描写される。なおかつキャラを通して歴史の知られざる側面というか、新たな視座を気付かせてくれるような驚きがある。 それが、史実の中で人々の半生を追う長編ストーリーの肝だと思うのです。 要するに何が言いたいのかというと、やっぱり大河ドラマは「平清盛」がサイコーだったということ。
Posted by
ドイツ人と日本人のハーフとして生まれたアドルフが、子どもの頃は軽々と越えていた国や人種、民族の問題に縛られていく様がなんとも皮肉だった。戦争は酷い。
Posted by
第二次世界大戦前後、ナチスの台頭から終焉までを背景として、日本とドイツで繰り広げられる人生劇場。アドルフ・カウフマン、アドルフ・カミル、アドルフ・ヒットラーの3人を主軸に添えた、ドイツ人、ユダヤ人、そして日本人の悲しい物語。手塚治虫作品の中でも最も頻繁に読み返す作品のひとつです。...
第二次世界大戦前後、ナチスの台頭から終焉までを背景として、日本とドイツで繰り広げられる人生劇場。アドルフ・カウフマン、アドルフ・カミル、アドルフ・ヒットラーの3人を主軸に添えた、ドイツ人、ユダヤ人、そして日本人の悲しい物語。手塚治虫作品の中でも最も頻繁に読み返す作品のひとつです。文庫本に収録されている、関川夏央による解説が秀逸。 今年2008年は手塚治虫生誕70周年。『アドルフに告ぐ』に限らず、改めて各作品が再評価されることでしょう。
Posted by
- 1