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すばらしい新世界 の商品レビュー

3.9

62件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

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2013/07/15
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安定とはなんなのか。 徹底した反復教育で、無感情ということではなく、ある程度決められた反応をするように仕向けられた社会。 率直に、ある意味では幸せなんだろうなと思った。

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2013/07/09

2ヶ月くらいかかってしまった。伊藤計劃の"ハーモニー"と似たような題材のディストピア小説。初めの方は読みにくかったけどクライマックスは非常に素晴らしい。

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2013/05/09
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一見すると平等で幸福な社会ができているが、実際は身分による分業が行われている。むやみに平等にすれば、誰もしたがらない仕事に誰も就きたがらない。そうであれば、国家が予めそれにふさわしい人間を生み出してしまえばよい、という発想だ。 身分は、上からα、β、γという具合に生まれながら身分が固定されている。そしてそれぞれ分業する。γは単純作業で働くことに喜びを感じるよう幼児のうちから教育され、考えることがないように胎児の段階で知能を退化させる工作が行われている。逆に休暇や普通に考えれば幸福とされることを施すと、泣き喚く。そのように教育されているから。 この世界では出産を機械が行い、一極させ、ランダムに選別が行われている。だからγ階級以下は休暇もない。休暇を与えると不安と麻薬依存が増えるだけだから。もうそうなってる。男女の区別はあるが、大半の女性は不妊治療が施されている。なぜなら母性本能自体が邪魔だから。家庭があると、愛情が芽生え、邪魔なのだ。 昨今は自由に倦み極端な意見が散見されがちだが、このような社会にすれば解決はするかもしれない、が、重要な何かを失っているような気がするのは当たり前だ。

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2013/04/24

ジャンルとしてはディストピアやアンチ・ユートピアなどと呼ばれるタイプのSFですが、徹底的に管理された社会ではなく、安定のために合理化が推し進められた世界というのは私には新鮮であり、おぞましくもありました。生まれる(この世界では「生産」といった方がふさわしい表現です)前から階級が決...

ジャンルとしてはディストピアやアンチ・ユートピアなどと呼ばれるタイプのSFですが、徹底的に管理された社会ではなく、安定のために合理化が推し進められた世界というのは私には新鮮であり、おぞましくもありました。生まれる(この世界では「生産」といった方がふさわしい表現です)前から階級が決められ「条件反射教育で奴隷化」されている人々に気味の悪さを感じるのですが、よくよく考えてみれば私たちが暮らす現実の社会も近い面を持っているような気もしたりで少し複雑な気分です。娯楽性は低いですが、パンチの効いた作品だと思います。

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2013/03/27

末端をとったら確かにディストピアなん だろうけど、ディストピアになった理由 として総統が語っているのが「幸福を無 視する科学(真実)の否定」である。行き 過ぎさえしなければこの考え自体は至極 真っ当なものだし、みんな幸せならすば らしい新世界もそんなに悪くないんじゃ ないだろうか...

末端をとったら確かにディストピアなん だろうけど、ディストピアになった理由 として総統が語っているのが「幸福を無 視する科学(真実)の否定」である。行き 過ぎさえしなければこの考え自体は至極 真っ当なものだし、みんな幸せならすば らしい新世界もそんなに悪くないんじゃ ないだろうか?

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2013/03/25

(間借りです) 「すばらしい新世界」ハックスレー著・高畠丈夫訳、角川文庫、1971.06.30 p393 ¥260 (1973.01.28読了)(1972.12.24購入) 内容紹介 人工授精やフリーセックスによる家庭の否定、条件反射的教育で管理される階級社会――かくてバラ色の陶...

(間借りです) 「すばらしい新世界」ハックスレー著・高畠丈夫訳、角川文庫、1971.06.30 p393 ¥260 (1973.01.28読了)(1972.12.24購入) 内容紹介 人工授精やフリーセックスによる家庭の否定、条件反射的教育で管理される階級社会――かくてバラ色の陶酔に包まれ、とどまるところを知らぬ機械文明の発達が行きついた“すばらしい世界”!人間が自らの尊厳を見失うその恐るべき逆ユートピアの姿を、諧謔と皮肉の文体でリアルに描いた文明論的SF小説。

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2018/05/03

最終戦争後、不安や混乱や暴力を排除するシステムが構築されたが、 それは本当に人間を幸福にしたのか?――というディストピア小説の古典。 原題"Brave New World"はシェイクスピアの引用で、 本文中、文明人を両親に持ちながら荒野で育ったジョン・サヴェジ...

最終戦争後、不安や混乱や暴力を排除するシステムが構築されたが、 それは本当に人間を幸福にしたのか?――というディストピア小説の古典。 原題"Brave New World"はシェイクスピアの引用で、 本文中、文明人を両親に持ちながら荒野で育ったジョン・サヴェジも 座右の銘として、まるで自分の身を守る呪文のように様々な詩句を口にする。 全体主義の恐ろしさは胸糞が悪くなるばかりで、なるほど名著なのだが、 たまたま一つ前に読んだ小説があまりに面白過ぎたため、 ややインパクトに欠けてしまったのだった、残念(笑)

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2012/11/21

「すばらしい新世界」オルダス・ハックスリー/松村達雄 訳 ディストピア小説。ビリジアン。 人々は試験管ベビーとして人工的に出生し、生まれつきの階級管理がなされ、クローン生育による一律の産業従事者となり、徹底的に能率化・安定化した社会が描かれる。1932年の本です。 神様(ジーザ...

「すばらしい新世界」オルダス・ハックスリー/松村達雄 訳 ディストピア小説。ビリジアン。 人々は試験管ベビーとして人工的に出生し、生まれつきの階級管理がなされ、クローン生育による一律の産業従事者となり、徹底的に能率化・安定化した社会が描かれる。1932年の本です。 神様(ジーザス)の代わりに、"フォード様"が信奉されている。また、結婚や宗教という、旧世界的なものも駆逐。自由恋愛、享楽的世界。 僻地の〈旧世界〉から迷い込んだジョンは、新世界の人々の、精神世界を棄てた快楽追求の生き様に嫌悪を抱き、『わたしは不幸になる権利を求めているんです』(p278)と断言します。 しかし、それぞれが決定的に異なる価値観をもった、旧/新世界の人々は、お互いに相容れません。 科学技術が自然と人間社会にもたらすものは、自由と安定であると、ハックスリーは作中で言わせています。そして、安定の均衡に達した以上、更なる進歩は却って人間社会を阻害するため、実は科学技術ですら抑圧された、「すばらしい新世界」。この物理世界は大局的に、平衡状態を指向するということのひとつのビジョンなのかと。 全体的にイマイチ好きくない訳文なんですが、第十六章の対話から良書と言っていいと思います。それ以前の章は、このハックスリーの科学技術批判を書くためのお膳立てです。(4) ***** 私達の現実でも、結局、クローン技術や遺伝子工学などの自然に手を入れる行為の是非を、判断するのもまた手を入れる側、一方的な視点でしかなされていません。本作品ではα-β-γ-δ-εという階級層が描かれていますが、α階級の"総統"をして「(δ,εという水面下の連中は)水面上の連中より幸福だよ」「彼らはあの仕事が好きなんだ」(p260)と帰結しています。 人類の過去には人種交配実験や為政的な出産統制などの、「作られた人間」を生み出した結果もあると思います。しかしその是非も、もっぱら非・作られた人間によって議論される。 生命に手を入れることが傲慢であるならば、生命の自然について評価を下すこともまた傲慢。なのではないか、と。 ナウシカを描いているのもまた、ただの宮崎駿氏なんですよ。 ----- 以下メモ 叙事詩的。 「おう、すばらしい新世界」(「あらし」五幕一場) p81.ヘルムホルツは有能すぎて孤独→ 人間の偏差 → 多様性 → 評価はスカラーではなくベクトル → 寺田寅彦の芸術評論 p107.「ぼくは静かに海を見ていたいのだ。」「これをみているとぼくはまるで…」「まるでぼくはいっそうぼく自身になったような気持がする。」 p156.幸福とはけっして壮麗なものではない…。それは否定し得ない…。「でも、あの双生児たちのようにならねばならぬのでしょうか。」 枠組の外から考えているうちはやはり原理的に判断できないのだと思う。懐疑を持つ者がその枠組の外に在るとき、その懐疑は自分自身にも枠組のなかにも適用できない。自分の置かれた公理体系を見定めなくてはいけない。 p256. 安定の均衡と不安定の均衡。

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2012/11/21

人口授精、ヤク漬けやパブロフの犬の如く条件反射による洗脳、生まれながらに決められた身分、フリーセックス。 世の中が便利になり、皆幸せで自由でありたいと願う理想郷は、徹底された管理社会だった。 人工孵化、条件反射育成のくだりは気分が悪くなったが、それが『当たり前』になると誰も疑問に...

人口授精、ヤク漬けやパブロフの犬の如く条件反射による洗脳、生まれながらに決められた身分、フリーセックス。 世の中が便利になり、皆幸せで自由でありたいと願う理想郷は、徹底された管理社会だった。 人工孵化、条件反射育成のくだりは気分が悪くなったが、それが『当たり前』になると誰も疑問に思わなくなるんでしょうね。 訳がちょっとくどくて読むのがつかれてしまったのが勿体ないけど、そこは古い本なので仕方ないと割り切りましょう。

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2012/10/30

ジョージ・オーウェルの「1984」と同じく、NWO支配エリートらの行動アジェンダの開示であるらしいので読んだ。この本も同じく読むのが困難な小説だった(1984はまだ読み終わっていない^^;)。 ほとんどサウナの中で高速リーディングで読んだ。 解説によると、1984は理想社会につい...

ジョージ・オーウェルの「1984」と同じく、NWO支配エリートらの行動アジェンダの開示であるらしいので読んだ。この本も同じく読むのが困難な小説だった(1984はまだ読み終わっていない^^;)。 ほとんどサウナの中で高速リーディングで読んだ。 解説によると、1984は理想社会についてで、こちらはあってはならない社会について。確かに人工授精による遺伝子操作の階級社会から洗脳教育、フリーセックスなどは異常社会の様相を描き出していた。

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