すばらしい新世界 の商品レビュー
古典的アンチ・ユート…
古典的アンチ・ユートピア小説として有名な作品です。発想などには見るべきものがあります。しかし、全体的に古臭い感があり、技法が空回りしている場面も散見されます。今となっては時代遅れの小説かもしれません。
文庫OFF
全く関係のない形容をするならば、 ビニールハウスや水耕栽培された 化学肥料たっぷりの野菜を食べるのが清潔なのか、 土まみれの野菜の方が栄養があるのか。 どちらが野菜でどちらが野菜じゃないのか? そもそも、それを食べる人間にその栄養素を吸収する力があるのか。 そういった感じの...
全く関係のない形容をするならば、 ビニールハウスや水耕栽培された 化学肥料たっぷりの野菜を食べるのが清潔なのか、 土まみれの野菜の方が栄養があるのか。 どちらが野菜でどちらが野菜じゃないのか? そもそも、それを食べる人間にその栄養素を吸収する力があるのか。 そういった感じの内容。 すごい。 これはすごかった。 構造を理解したり名前を覚えるのが面倒だが、なんともぞくっとするパーツが増えて行き どんどん巻き込まれて読み進めていってしまう。 おもしろいセレクトの本屋さんで平置きしてあったので購入。 何度も読み返している。 こういう本に出会えるお店がとても貴重な時代になりました。
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以前読んだのだが売ってしまい、また読みたくなって購入。 改めて読んでみると、現実がだいぶ近づいている。3Sで何も考えずハッピーに。ハッピーになれないことがあれば薬で対処。階級をしっかり分け、仕事も生活もそれぞれそれなりに。出生のコントロールはまだだが、親から子を引き離すのは徐々に...
以前読んだのだが売ってしまい、また読みたくなって購入。 改めて読んでみると、現実がだいぶ近づいている。3Sで何も考えずハッピーに。ハッピーになれないことがあれば薬で対処。階級をしっかり分け、仕事も生活もそれぞれそれなりに。出生のコントロールはまだだが、親から子を引き離すのは徐々に進んでいるかと思う。自然からも離れて都市化した生活を。繰り返し同じ事を聞かせ続けて洗脳…。 すばらしい新世界では、社会機構の一部である事が個人の自由より重要である。利他主義はいいことだと思っていたが、コロナで他の人の健康のために、マスクして、人と触れ合わず、あちこち消毒して、好きなことやりたい事も我慢することを推奨されるなんて、ああ、なんてすばらしい新世界!仕事が無くなって死にそうになっても、他の人の為には仕方ない!ああ、なんてすばらしい新世界!
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幸せってなんだろね。 私は何を求めているんだろうと考えてしまったよ。 そして答えの出ない迷宮に入り込んでしまったら感じ。 イギリス舞台で、みんなクリスチャン設定だから、 神のくだりとかはちょっと理解が難しかった。
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チャンミンさん愛読インスタで紹介! 機械文明の発達による「すばらしい世界」。 逆ユートピアをリアルに描いた文明論的SF小説。
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『愛するということ』や『ハーモニー』でも言及されていたので、ぜひ読みたいと思っていた一冊。 この本が書かれた時代背景にナチスによる全体主義的な活動が活発に行われていたというのがあるが、実際に物語の中にもそのようなことが、暗に表現されている箇所が散見された。 読み応えがあったの...
『愛するということ』や『ハーモニー』でも言及されていたので、ぜひ読みたいと思っていた一冊。 この本が書かれた時代背景にナチスによる全体主義的な活動が活発に行われていたというのがあるが、実際に物語の中にもそのようなことが、暗に表現されている箇所が散見された。 読み応えがあったのは、やはり後半の総統とジョンとのやりとりで、幸福を実現するためには、芸術、科学、宗教を抑制し、本来の人間的なあり方を追究させないようにする必要があるというところに、大いなる矛盾があって考えさせるところがあった。 安直に「全員幸せな世界にしたい」というと、衣食住は保障され、嫌なことがあるとソーマを飲んで忘れることができ、好きな時にフリーセックスができるような世界になってしまうことを考えると、幸せや幸福という言葉は軽々しくは使えないと思った。 『ハーモニー』で出てくる「リソース意識」は、本書の「万人は万人のためのもの」と合致するしこの手のユートピア系の小説は、ある種全体主義的な側面が必須なのかもしれない。 J.S.ミルの「満足した豚よりも不満足なソクラテスの方が良い」という言葉が思い出される。
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人に薦められて読みました。文体がまどろっこしく(良くいえばリアルで丁寧な描写)、場面がぽんぽん変わる部分もあって、最初はとても読みづらくわかりづらい。けれど、よく練られた世界観と、そうあらねばならない理由(賛同するかは別として)に一貫性があって、だんだん話に引き込まれます。今読ん...
人に薦められて読みました。文体がまどろっこしく(良くいえばリアルで丁寧な描写)、場面がぽんぽん変わる部分もあって、最初はとても読みづらくわかりづらい。けれど、よく練られた世界観と、そうあらねばならない理由(賛同するかは別として)に一貫性があって、だんだん話に引き込まれます。今読んでも面白い内容ですが、娯楽的ではないです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本や芸術に興味を持たないようにプログラムされて生まれてくる人々。 人々の幸福と引き換えに、科学と芸術、宗教を犠牲にすることに決めた総統とそれに反発する野蛮人の後半の対話は、もはや物語の全て!! その中でも、 人々は今や孤独を感じない、孤独に強く反発するように訓練されている、 という総統の言葉にゾッとした。 SNSで常に友達と繋がっている、今日の世界かなぁ。
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【ノート】 ・完全な管理体制が出来上がった未来の世界。人間は受胎によらず、遺伝子操作で生まれてくる。最初から社会的ヒエラルキーのどこに属するかも決定される完全な階級社会。しかも生まれた後の睡眠学習によって、自分が属する階級を素晴らしいと信じこむようにインプリンティングされるため、...
【ノート】 ・完全な管理体制が出来上がった未来の世界。人間は受胎によらず、遺伝子操作で生まれてくる。最初から社会的ヒエラルキーのどこに属するかも決定される完全な階級社会。しかも生まれた後の睡眠学習によって、自分が属する階級を素晴らしいと信じこむようにインプリンティングされるため、社会的な不満は皆無。私的所有は争いの火種となり、忌避されるためフリーセックスの世界。嫌なことやネガティブな感情が出てきたらソーマ錠という薬で多幸感を得る。 ・ディストピアSF小説の古典だけど、実は初めて読んだ。1932年発表だけど古臭さは皆無。体制側の理屈にはかなりの説得力がある。しかも、その管轄者が、ちゃんと文化だとか選択のある自由の代償として、この文明形態を採った根拠や思想を自覚した上できちんと選択しているというのも盤石感、ハンパねっす。でも、そんな世界は、やっぱりイヤだよねえと感じている自分の心情(信条?)ってのは、じゃあどの程度のものなのかという不安感を呼び覚まされた。 ・ハックスリーは「知覚の扉(未読)」なんて本も書いてるから、ディックみたいにラリった内容かとおもったけど、そういうことは全然なかった。
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近未来を描く小説。人工受精、肉体の人工的な物理的差異且つ条件反射教育による階級社会、フリーセックス、死、老いへの恐怖の克服…。これが1932(昭和7)年に書かれたとは。80年代に手にしたはずが読んでなかったのでこの歳になって初めて読了。
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