この世の全部を敵に回して の商品レビュー
ものすごく挑発的な本である。これでもかこれでもか と言葉でもって攻め寄せてくる。「生まれる意味、生きる意味とはなんだろう」それを50代で亡くなった友人の手記(独白)と言う形でつづる。生きていることを楽しんだり、誰かを愛したり愛されたり。そういう普通の幸せをただ享受することに対して...
ものすごく挑発的な本である。これでもかこれでもか と言葉でもって攻め寄せてくる。「生まれる意味、生きる意味とはなんだろう」それを50代で亡くなった友人の手記(独白)と言う形でつづる。生きていることを楽しんだり、誰かを愛したり愛されたり。そういう普通の幸せをただ享受することに対して後ろめたさを感じさせる。もしもここまで「生きること」を考え続けれいる人がいるとしたら、あまりにも辛いのではないか、生きることそのものが。もしも「生きることの意味」を見つけられずに途方にくれている人がいたら読んでみるといい。ひとつの可能性は見えるかもしれない。
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まあ・・そうでしょうが・・・このタイトルの付け方は信じられない〜妻も子もいるが別に愛してはいない。人の一生は衣とのようなもので生と死が結ばれ,振動しているだけだ。「私」という存在は仮のもので,魂は流転しているが,5千年も経ったら,「私」の記憶は薄れるだろう。真実の哀れみを蘇らせら...
まあ・・そうでしょうが・・・このタイトルの付け方は信じられない〜妻も子もいるが別に愛してはいない。人の一生は衣とのようなもので生と死が結ばれ,振動しているだけだ。「私」という存在は仮のもので,魂は流転しているが,5千年も経ったら,「私」の記憶は薄れるだろう。真実の哀れみを蘇らせられたら,貧困や暴力・戦争・迫害・狂信などの仕込まれた憎むべきプログラムを無力化できる〜新幹線の中で知り合いになった商社に勤めていたK***氏が遺した手記を基にって本当かい?
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どのように捉えていいのかわかりませんでした。私のように電車で読む人間には、向いていないのかもしれません。
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「死」への思想が鬱々と書かれている手記。 *** 死ぬことを恐れる私にとっての希望とは何か?それは簡単である。「不死」だ。 ひとたび不死となった私たちににとっての希望とは何か?それも簡単である。「死」だ。 *** という自己矛盾を抱えているというのは納得した。 ...
「死」への思想が鬱々と書かれている手記。 *** 死ぬことを恐れる私にとっての希望とは何か?それは簡単である。「不死」だ。 ひとたび不死となった私たちににとっての希望とは何か?それも簡単である。「死」だ。 *** という自己矛盾を抱えているというのは納得した。 前半の方は鬱々としていて読んでてきつい。 最後の15ページくらいの内容をもう少し膨らませた方がいい。
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借本。 著者の本はこれが初めて。 小説かと思ったら、かなり哲学。 どんどん落として、最後にすくい上げるのが好きです。
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既成の価値観をひっくり返すような問題提起作。共感する部分と受けつけない部分があったが、わたしには世の中に対する希望を逆説的に書いたものと思えた。 友人の遺した書き物という形を取っている。タイトルは「この世の全部を敵に回す」覚悟ではいるという作者の意思表示なのだろう。 薄い...
既成の価値観をひっくり返すような問題提起作。共感する部分と受けつけない部分があったが、わたしには世の中に対する希望を逆説的に書いたものと思えた。 友人の遺した書き物という形を取っている。タイトルは「この世の全部を敵に回す」覚悟ではいるという作者の意思表示なのだろう。 薄い本だが読みにくかった。
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「現代の『人間失格』」だったかな、そんな新聞の広告をみて早速予約。思ったより早く借りられた。 新書的な薄さに意外さを、太宰似の表紙の人物画に期待を抱いてページをめくる。 著者がたまたま知り合いになったとある男性の手記という形で死生観が語られる。 あれ、物語じゃないのかという肩透...
「現代の『人間失格』」だったかな、そんな新聞の広告をみて早速予約。思ったより早く借りられた。 新書的な薄さに意外さを、太宰似の表紙の人物画に期待を抱いてページをめくる。 著者がたまたま知り合いになったとある男性の手記という形で死生観が語られる。 あれ、物語じゃないのかという肩透かしもあり、 頁数は多くないのだけれど一気読みとはいかなかった。
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読んでる途中に、生きることに対してやる気をなくしてしまった。人間は、生の虚しさを埋めるために恋をしたり夢を見たり、生きた証を残したりするんだろう。多分。でも、心が同調したからといって、この小説が優れているとは思えない。帯にある「現代版人間失格」これはさすがに言いすぎだ。ドストエフ...
読んでる途中に、生きることに対してやる気をなくしてしまった。人間は、生の虚しさを埋めるために恋をしたり夢を見たり、生きた証を残したりするんだろう。多分。でも、心が同調したからといって、この小説が優れているとは思えない。帯にある「現代版人間失格」これはさすがに言いすぎだ。ドストエフスキー「地下室の手記」と並べるのも無理がある。上の二つのどちらも、自己と他者とのズレという要素が入っているからこそ、名作とされているように思う。この本は「他者性」が全く無い、より純粋な「独白」なのだ。でも同時にそれは、他の小説と同じように、小説として読まれ、小説としての価値を求められる事を拒否している姿のように思う。 価値や意味を求めて小説を読むこと、それだって立派な虚しい行為なのだ。著者が敵に回したのは、小説を求める僕たち全部なのかもしれない。著者に、意味が無いと名指しにされた僕たちが気づかずに意味を求めている。そして、全てが無意味なんだと熱弁する小説に意味を感じ続ける。なんとも愉快なパロディじゃないか。
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これはすごい!生きる意味やすべての愛をいったん否定したうえで、なおも希望をみつけようとする真摯な試みである。文学は薬にはならず、せいぜい病人のためのおもちゃにすぎない、と坂口安吾はいったが、これは、絶望に効く薬を本気をめざしている毒薬である(もちろん、ほめ言葉)
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同じようなことを、ただ延々と、表現を変えて、理屈っぽく。 最後にとってつけたみたいにすくい上げて去ってゆく。説教じみてすらいる。 内容にかかわらず、この本にエネルギーと執着を感じられたので、大変興味深く最後まで読んだけど、結局、私はただ字面を読んだだけだった。 言いたいことはぎ...
同じようなことを、ただ延々と、表現を変えて、理屈っぽく。 最後にとってつけたみたいにすくい上げて去ってゆく。説教じみてすらいる。 内容にかかわらず、この本にエネルギーと執着を感じられたので、大変興味深く最後まで読んだけど、結局、私はただ字面を読んだだけだった。 言いたいことはぎりぎり理解できる。共感できない。 寄り添って横たわってみたかった。そうやって見える景色はどんなのかな? この世の全部が敵になるのかな?
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