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実験4号 の商品レビュー

3.5

70件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    18

  3. 3つ

    33

  4. 2つ

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2012/07/14

伊坂幸太郎の短編小説(副題は後藤を待ちながら)と山下敦弘監督の短編映画(副題はIt’s a small world)の2作が一緒になっています。読んでからDVDを観ました。詳しくは知らないのですが、Theピースというバンドの「実験4号」という曲がこの本のタイトルになっているようで...

伊坂幸太郎の短編小説(副題は後藤を待ちながら)と山下敦弘監督の短編映画(副題はIt’s a small world)の2作が一緒になっています。読んでからDVDを観ました。詳しくは知らないのですが、Theピースというバンドの「実験4号」という曲がこの本のタイトルになっているようです。小説にこの曲の歌詞が使われ、DVDでも曲が流れます。音楽のことはさておき、この小説は100年後の近未来の東京での出来事を描いています。 主人公のバンド仲間の「後藤」は3年前に「火星に行く」といって移住したきり帰ってきません。・・・彼の帰りを待つ間の仲間うちの日常がテンポの良い会話中心の文章で構成されています。温暖化の進んだその頃の新東京界隈は火星に移住する人々が多く、過疎化しているのでした。不条理の戯曲といわれるベケットの「ゴトーを待ちながら」の題名をもじっているのですから、彼らの会話は今の日常と変わりない雰囲気を保ちつつも、どこかシュールさも漂います。 DVDの映像で見るとこの小説の断面がよりはっきりしてきます。 小説では余談として語られていた、廃墟のごとき小学校が舞台。そこに住むのは、怪しい用務員それに無邪気な小学生3人と若い女の先生がひとり・・ 小説と映画のコラボと帯にありますが、確かにどちらか一方では足りません。両方味わって初めて美味しさが分かる企画でした。

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2012/03/09

小説だけ。 ロックンロールの意訳のそれぞれがよかった。 「なんで俺だけが圏外なんだよ」っていうありふれたフレーズも、意外に自分に響いたのが驚いた。

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2011/10/14

伊坂さんが描くように、未来も火星に移り住む人が増えても、日常は変わらないんだろうな。 ロックンロールを日本語にしたら…発想が面白いな。

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2011/09/15

図書館で借りたので、本だけ。 The ピーズの曲を流しながら読んだ。 引用された言葉と、物語の持つ雰囲気がマッチしていて、さすがだと思った。

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2011/06/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ロックンロールを日本語にすると何か。 火星にほとんどの人が移住し、わずかな人々だけが残った地球で、ギターのいないバンドを続ける主人公達の様子は、読んでいて息苦しくも健やかだと思った。

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2011/04/10

Theピーズの実験4号という曲をテーマに、 伊坂幸太郎の小説と山下 敦弘の映像作品がコラボレートされています。 舞台は数百年後の地球、ほとんどの地球人は火星に移住してしまった。 小説では、ロックンロールを演奏する3人の男たちの物語を、 映像では地球で暮らす3人の小学生の...

Theピーズの実験4号という曲をテーマに、 伊坂幸太郎の小説と山下 敦弘の映像作品がコラボレートされています。 舞台は数百年後の地球、ほとんどの地球人は火星に移住してしまった。 小説では、ロックンロールを演奏する3人の男たちの物語を、 映像では地球で暮らす3人の小学生の卒業式の物語を、 それぞれ表現しています。 ロックンロールって訳すとなんなのさ? 小説では伊坂節が出ていました。 小説と映像で、交差する部分もあり、新しい試みだとおもいます。

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2011/03/09

企画的な書き下ろし作品としてすごくよくまとまっていて、くだけているのに繊細で優しくて大人で、いつもの大好きな伊坂幸太郎作品でした。読みながらずっと、ああ最後はきっとこの人たち幸せだなあと思って終るんだろうなあという穏やかな気持ちでいたので、ラストの急展開も唐突!陳腐!とはならずに...

企画的な書き下ろし作品としてすごくよくまとまっていて、くだけているのに繊細で優しくて大人で、いつもの大好きな伊坂幸太郎作品でした。読みながらずっと、ああ最後はきっとこの人たち幸せだなあと思って終るんだろうなあという穏やかな気持ちでいたので、ラストの急展開も唐突!陳腐!とはならずにすんなり受け入れられて、それが却って面白いなあと思いました。 読み終わった後に「実験4号」聞くとやっぱりぶわっとこみ上げてくるものがあって、それはやっぱりもしかして「ありがとう」なのかなあと思った。ロックンロールは恥ずかしい、って言えちゃう主人公たちがすきです。

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2011/02/11

短編といっていいくらいの短さで、かつ、やや企画モノです。でもとてもよかった。僕がいいなあと思って読み始めた頃の伊坂さんそのままです。 雰囲気的には終末のフールかフィッシュストーリー、といった感じでしょうか。凝った設定も伏線の回収も何もありませんが、ほんわかと楽しめます。よかった...

短編といっていいくらいの短さで、かつ、やや企画モノです。でもとてもよかった。僕がいいなあと思って読み始めた頃の伊坂さんそのままです。 雰囲気的には終末のフールかフィッシュストーリー、といった感じでしょうか。凝った設定も伏線の回収も何もありませんが、ほんわかと楽しめます。よかったです。

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2010/10/12

わたしも伊坂さんと同じく、高校の頃はTheピーズのファンで、ライブにいってサインもらったりしてました。 でも、その頃の、いろんな意味で若すぎた温さんより、あびさんを失って、5年もぼろぼろになって、復活してからの温さんのほうが、わたしは好きです。 大好きなバンドを題材に大好きな...

わたしも伊坂さんと同じく、高校の頃はTheピーズのファンで、ライブにいってサインもらったりしてました。 でも、その頃の、いろんな意味で若すぎた温さんより、あびさんを失って、5年もぼろぼろになって、復活してからの温さんのほうが、わたしは好きです。 大好きなバンドを題材に大好きな作家が小説をかくなんて・・すごい奇跡。

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2010/08/22

前からちょっと気になってたんだけど、 DVD付きで高いから(って言ってもアルバム1枚分だけど) わざわざ読まないかなーと思ってた。 なんだけど、買ってしまった。 Theピーズの名曲「実験4号」に捧げる 青春と友情と感動の物語!(と帯に書いてある) 伊坂幸太郎(小説)と山下敦...

前からちょっと気になってたんだけど、 DVD付きで高いから(って言ってもアルバム1枚分だけど) わざわざ読まないかなーと思ってた。 なんだけど、買ってしまった。 Theピーズの名曲「実験4号」に捧げる 青春と友情と感動の物語!(と帯に書いてある) 伊坂幸太郎(小説)と山下敦弘(映画)のコラボ作品。 登場人物と場所がリンクした二つのお話。 まず小説を読んで、すぐDVDも観たくなって 明日のこと考えずにとりあえず観た。 舞台は100年後の地球。 温暖化が進み、人間が火星に移り住む時代。 地球では誰にもうけない古い音楽。ロック。 ロックバンドのメンバー、ベースの柴田とドラムの角倉さん。 その二人を地球に残して火星に行ってしまった ギターの後藤。 柴田と角倉さんは自分たちが通っていた小学校の 脇のスペースを借りて、バンド練習をしてて。 後藤がいたときからずっと。 その小学校には今はもう3人の生徒しかいなくて、 あと女の先生が一人と、用務員の男が一人。 この5人が学校で生活してる。 ある日、校舎の裏で柴田が100年以上前の 雑誌の切り抜き、あるバンドのインタビュー記事を見つけて。 その大量のインタビュー記事を読んでいくと、 名前も知らない大昔のバンドと自分たちの境遇がよく似てることに気づくの。 後藤っていうギタリストがいなくなった自分のバンドと アビさんっていうギタリストが脱退した大昔の知らないバンド。 この大昔のバンドの歴史と柴田たちの生活が重なりながら 話が進んでいく。 後藤がいた頃の回想シーン、バンド内の会話とか 自分たちのことを考えながら読んだ。 妙にリアルだなーとか思ったりして。 あと柴田と角倉さんだけで練習しているときに 気持ちが高ぶっていくところとか、 スッと自分に馴染むような表現で。 リアルだなと。 柴田が見つけた記事の内容は全て本物で、 雑誌のインタビュー記事から引用しているみたい。 その中に出てくる「末期的な夕やけ空」っていう表現が、 なんか好き。 はるくんの言葉遣いだな~と思った。 なんだろう。きっと曲はまずメロディーありきで 詩は後から付けるものだけど、 詩がある以上、聴いてる方はあれこれ想像したくなるもので。 作曲者もきっといろんな想いがあって詩を書くんだろうけど、 曲とか詩のほんとのトコロ、ほんとの意味は 誰にも分からないんだろうな。 その曲を聴いた人が勝手に想像して、 作曲者の意図とは違う世界を新しく作るんだろうな。 意外と短い話だからすぐに読めちゃう。 先が気になるから目はどんどん進もうとするんだけど、 あっという間に読み終わるのはもったいなくて。 もう一回読もうかな。 順番は小説→映画の順がいいね。

Posted byブクログ