箱根湖畔欲望殺人 の商品レビュー
『箱根峠欲望殺人』(角川ノベルス)の改題版です。 29歳で銀行員の金沢郁恵は、ふとした出来心で客の銀行口座の金を着服した結果、そのことが42歳の錦織克明という男に知られてしまい、彼に脅迫されたうえ、数回に渡ってレイプされます。するとそのことを知った郁恵の愛人で音響機器メーカーの...
『箱根峠欲望殺人』(角川ノベルス)の改題版です。 29歳で銀行員の金沢郁恵は、ふとした出来心で客の銀行口座の金を着服した結果、そのことが42歳の錦織克明という男に知られてしまい、彼に脅迫されたうえ、数回に渡ってレイプされます。するとそのことを知った郁恵の愛人で音響機器メーカーの社長をしている朝宮謙次郎は、交換殺人の話をもちかけます。もし郁恵が謙次郎の妻を殺害することに協力してくれたら、彼が錦織を殺すというのです。 ところが、錦織の殺害は首尾よく果たしますが、朝宮の那美子は箱根のホテルで殺害される直前、危険が迫っていることを察知して、友人の飛鳥翔子に相談していました。そこで翔子から話を聞いた保健調査マンの鷲尾剛が、那美子を殺害した犯人の調査を開始します。 やがて鷲尾と翔子は、朝宮と郁恵が愛人関係にあるらしいことに気づきます。さらに鷲尾は、新宿の「サムシング」というクラブの牧瀬幸子という女性と関係をもちます。すると彼女の口から、朝宮がやはり「サムシング」に務める内田まゆみと関係を持っていたことが明かされます。さらにその後、二人が錦織殺害時に軽井沢の別荘にいたというアリバイがあったことがわかります。そこで鷲尾は、朝宮の軽井沢の別荘の鍵をまゆみから入手し、翔子とともに忍び込んで事件の真相を探ろうとします。ところがそこへ、朝宮から依頼された男たちが襲撃し、鷲尾たちの身に危険が迫りますが、間一髪のところで沼津という人物にたすけられます。 東京に戻った鷲尾のもとに、深夜に郁恵から電話がかかってきます。朝宮が、事件の真相を知る彼女をも殺害しようとしているというのです。鷲尾は怯える彼女と一夜をともに過ごしますが、それもまた朝宮の仕組んだ罠で、彼は囚われの身となってしまいます。しかしここでも、沼津が登場して彼を救出します。この男の正体は、朝宮の前の妻でやはり彼に殺害された沼津多喜子の兄の沼津武文だったことが明かされ、彼らは朝宮との最後の決戦へと赴きます。 官能シーンはほんのオマケ程度で、やや本格的なサスペンス小説です。
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