1,800円以上の注文で送料無料

神の代理人 の商品レビュー

3.8

4件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

神の代理人といえば、…

神の代理人といえば、法王。15世紀から16世紀にかけての方法4人、ピオ2世、アレッサンドロ6世、ジュリオ2世、レオーネ10世がとりあげられています。アレッサンドロ6世、ジュリオ2世を比較しつつ読んで思ったのは、非現実的な理想主義者より、私利私欲があっても現実主義者を支配者に仰ぎた...

神の代理人といえば、法王。15世紀から16世紀にかけての方法4人、ピオ2世、アレッサンドロ6世、ジュリオ2世、レオーネ10世がとりあげられています。アレッサンドロ6世、ジュリオ2世を比較しつつ読んで思ったのは、非現実的な理想主義者より、私利私欲があっても現実主義者を支配者に仰ぎたい、ということ。アレッサンドロ6世が現代日本の政治家だったら、迷わず投票するでしょう。たとえボルジアの悪行で悪評高くとも、無能な人より何倍もましです。賢者は歴史に学び、愚者は己の経験に学ぶと

文庫OFF

2024/10/02

歴代の個性的なローマ法王列伝。 ローマ法王を通じてヨーロッパ史を見る特異だが、有効な視点を設定して、歴史の奥行きを十分に示す。 十字軍の再開を夢見る法王、ピオ二世(ピウス二世)。 毒殺を政治的手段としら権謀術数を宗とするボルジア家出身のアレッサンドロ六世(アレキサンデル六世)。 ...

歴代の個性的なローマ法王列伝。 ローマ法王を通じてヨーロッパ史を見る特異だが、有効な視点を設定して、歴史の奥行きを十分に示す。 十字軍の再開を夢見る法王、ピオ二世(ピウス二世)。 毒殺を政治的手段としら権謀術数を宗とするボルジア家出身のアレッサンドロ六世(アレキサンデル六世)。 法衣の下に鎧をつけた軍事法王、ジュリオ二世(ユリウス二世)。 メディチ家出身で享楽的な法王、レオーネ十世(レオ十世)。 魅力も欠点もある法王の生き様を活写して、読み出したら止まらない。 時代は15世紀から16世紀初頭。 場所はイタリア。 どの法王も、宗教的倫理性からは遠く離れた人格を持った、一癖も二癖もある、政治屋だ。 政治的な才覚がなければ、ローマ•カトリックの頂点に君臨することなどは出来ないのだ。 そして、当時、何よりも法王は国家君主でもあった。 群雄割拠するイタリア半島において、ローマ法王領を統治する君主でもあったのだ。 「戦争は政治の延長である」と喝破したのは、クラウゼヴィッツだが、ここに描かれる四人の法王の姿は、政治に翻弄される国家君主の姿でしかない。 塩野が歴史上の人物で愛してやまないのが、チェーザレ•ボルジアだ。 彼の父親は法王、アレッサンドロ六世。 このボルジア家の父子は、イタリア統一という、今まで誰も考えたことのない偉業を達成しようと企てた。 その政治屋アレッサンドロに対抗して、宗教による支配を唱えたのがフィレンツェのサヴォナローラだ。 この法王対修道士の対立に対して、塩野が肩入れするのが、チェーザレの父アレッサンドロの方だ。 ほとんどの法王が、マイナス面を強調されて描かれるのに対して、最大のマイナス面が描かれるのではないかと期待(?)したアレッサンドロが、プラスの評価をされているのに、驚かされた。 政治屋の父親まで評価してしまうほど、チェーザレ愛は深いのか。

Posted byブクログ

2024/09/10

何でこんなホーホフートの戯曲の邦題と同じ題名で本を出したのか?紛らわしい。ルネサンス期の教皇達は人間臭いというより宗教改革以降プロテスタント側から「アンチ・キリスト」と見做されるような対象なのは多少はローマのユダヤ人に尽力はしてもカトリックに帰依したユダヤ人すら見捨ててヒトラーに...

何でこんなホーホフートの戯曲の邦題と同じ題名で本を出したのか?紛らわしい。ルネサンス期の教皇達は人間臭いというより宗教改革以降プロテスタント側から「アンチ・キリスト」と見做されるような対象なのは多少はローマのユダヤ人に尽力はしてもカトリックに帰依したユダヤ人すら見捨ててヒトラーに尽くした教皇ピウス12世と似通っているとは言えるかもしれないけれど。

Posted byブクログ

2012/12/08

(1990.06.29読了)(1975.11.15購入) (「BOOK」データベースより) 枢機卿のポストでサヴォナローラを懐柔しようとしたアレッサンドロ六世、遊びと祭りが大好きで巨額の借金を残して死んだレオーネ十世ら、ルネサンスに君臨した四人の法王たちの、宗教と政治の間に展開さ...

(1990.06.29読了)(1975.11.15購入) (「BOOK」データベースより) 枢機卿のポストでサヴォナローラを懐柔しようとしたアレッサンドロ六世、遊びと祭りが大好きで巨額の借金を残して死んだレオーネ十世ら、ルネサンスに君臨した四人の法王たちの、宗教と政治の間に展開される生臭い権力葛藤のドラマ。原史料を駆使し、精巧な構成と新鮮な語り口で史伝の面白さを伝える。 ☆塩野七生さんの本(既読) 「ルネサンスの女たち」塩野七生著、中公文庫、1973.11.10

Posted byブクログ