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賢者の石 の商品レビュー

3.7

22件のお客様レビュー

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2014/04/15

 場所や物に残っている記憶を「念視」する事によってあたかも時間旅行をしているように感じるという設定が秀逸。 過去に行ったように感じても当人は「見ているだけ」なので歴史に干渉しようがないしタイムパラドックスも起こらない。 これで人類起源の謎に迫れる…と思いきや、何だかよくわからない...

 場所や物に残っている記憶を「念視」する事によってあたかも時間旅行をしているように感じるという設定が秀逸。 過去に行ったように感じても当人は「見ているだけ」なので歴史に干渉しようがないしタイムパラドックスも起こらない。 これで人類起源の謎に迫れる…と思いきや、何だかよくわからない妨害勢力が前に立ちはだかることとなる。 普通だったらここで出てくるのはタイムパトロールのような歴史修正機関なのだがこの本では違う。  なお「クトゥルー神話」がベースにあることを知っているのと知っていないのとでは作品に対する理解度が違ってくる。 知らなければ知らないで特に困るわけでもないが。

Posted byブクログ

2016/08/22

ラヴクラフト批判に対するオーガスト・ダーレスの言 ――「だったら自分で書いてみたら」を受けてコリン・ウィルソンが執筆した、 クトゥルー神話に則った空想科学怪奇小説。 原題は The Philosopher's Stone で、 敢えて直訳風な邦題にしたが、正確には化金石...

ラヴクラフト批判に対するオーガスト・ダーレスの言 ――「だったら自分で書いてみたら」を受けてコリン・ウィルソンが執筆した、 クトゥルー神話に則った空想科学怪奇小説。 原題は The Philosopher's Stone で、 敢えて直訳風な邦題にしたが、正確には化金石を指す――と、 訳者あとがきにあり。 化金石とは、 錬金術に用いられる、卑金属を金に変ずると信じられた想像上の物質。 Ⅰ.絶対の探求  学究の徒ハワード・レスターと地元の名士アラステア・ライエル卿の交遊。  ライエル卿の死後、ハワードは時の流れと長命の関係について思索。  心理学者ヘンリー・リトルウェイの屋敷へ招かれたハワードは、  生理学者が発見した合金を脳に埋め込む手術を受ける。 Ⅱ.夜の涯への旅  ハワードは合金が前頭葉にもたらす刺激をコントロールし、  「時間透視」の術を体得。  リトルウェイ邸に保管されていた玄武岩の小立像から  邪悪な気配を読み取ったハワードは、  背後に横たわる「大いなる秘密」の存在を察知し、超古代史の解読に挑む……。 縄張りに引き籠もって、 ただひたすら自分にとってオモロイことだけを追究しようとするオタク青年の話。 外科手術と精神の鍛錬によって、時空間を超越した「透視」能力を獲得し、 見てはいけないものを見てしまうわけだが、 上手い具合にラヴクラフトのパスティーシュとして成立している、と言えるかも。 読んでいて一番驚いたのは、 そんな朴念仁な主人公が意外にちゃっかり恋愛まで成就させてしまうことだったが、 個人的に最も強烈な笑いのツボとなったのは、序盤、 ツングースカ大爆発の現場を訪れ、  どこか別の銀河系から飛来した宇宙船が爆発したのであろう〔p.26〕 などと考えるくだり。 vivaコズミックホラー(笑)!

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2013/04/09

(1981.12.06読了)(1973.07.07購入) 内容紹介 死の問題にとりつかれた一人の青年が永生を夢みて不老長寿の研究を始める。研究は前頭前部葉の秘密に逢着し、彼は意識をほとんど無限に拡大し、過去を透視できるようになる。パラドックスを伴わない真の時間旅行がここに初めて実...

(1981.12.06読了)(1973.07.07購入) 内容紹介 死の問題にとりつかれた一人の青年が永生を夢みて不老長寿の研究を始める。研究は前頭前部葉の秘密に逢着し、彼は意識をほとんど無限に拡大し、過去を透視できるようになる。パラドックスを伴わない真の時間旅行がここに初めて実現する。だが意外な妨害が……。『アウトサイダー』の著者が描く、壮大な人間進化のヴィジョン。

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2013/04/02

不老不死の研究を始めた青年が人間の脳に隠された能力を目覚めさせる手術に到達。パラドックスのない時間旅行が実現するが、その先に見えたのは地球の地下に眠る巨大な存在だった! 科学、文学、芸術をベースにリアルな理論を構築する前半がとても面白かった。後半ではマヤ文明、ムー大陸の滅亡、さら...

不老不死の研究を始めた青年が人間の脳に隠された能力を目覚めさせる手術に到達。パラドックスのない時間旅行が実現するが、その先に見えたのは地球の地下に眠る巨大な存在だった! 科学、文学、芸術をベースにリアルな理論を構築する前半がとても面白かった。後半ではマヤ文明、ムー大陸の滅亡、さらにはラヴクラフトの「ネクロノミコン」まで持ち出してオカルト色が強くなり、物語としてはかなり面白かった。 人類の目指すべき未来を伝える思想的なSF小説でした。

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2012/06/14

とても面白かった!前半はちょっとダラダラしたかな、と思ったけれど、後半からの加速感がすごい。コリン・ウィルソンの小説ははじめてだったけれど、さすがの内容。

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2012/05/27

死の問題にとりつかれた一人の青年が永生を夢みて不老長寿の研究を始める。研究は前頭前部葉の秘密に逢着し、彼は意識をほとんど無限に拡大し、過去を透視できるようになる。パラドックスを伴わない真の時間旅行がここに初めて実現する。 古い作品だけれどもその古さを感じさせない内容だった。読ん...

死の問題にとりつかれた一人の青年が永生を夢みて不老長寿の研究を始める。研究は前頭前部葉の秘密に逢着し、彼は意識をほとんど無限に拡大し、過去を透視できるようになる。パラドックスを伴わない真の時間旅行がここに初めて実現する。 古い作品だけれどもその古さを感じさせない内容だった。読んでいて楽しかったがちょっと内容を詰め込みすぎた感がある。所々に教養を必要とする内容があって、理解が出来なかった。。

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2012/04/23

前半は引き込まれたけれど、後半はこんがらがって退屈。 ブルックナーの交響曲を聴いて至福を味わっているくだりは 興味深かったし、意識が拡大して子持ちの女性と精神交流するところも 面白かったけれど、全体としてはグッチャグチャの読後感。

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2012/02/05

コリン・ウィルソンの代表作だが、はずかしながら初読。SF小説というよりは、人類の起源からマヤ文明とムー大陸、巨人伝説、時間旅行、ポルターガイストや念写、シェークスピア=ベーコン説まで詰め込んだ、やりたい放題の伝奇小説といった趣きだ。 登場する文献はすべて実在するというのだから、...

コリン・ウィルソンの代表作だが、はずかしながら初読。SF小説というよりは、人類の起源からマヤ文明とムー大陸、巨人伝説、時間旅行、ポルターガイストや念写、シェークスピア=ベーコン説まで詰め込んだ、やりたい放題の伝奇小説といった趣きだ。 登場する文献はすべて実在するというのだから、作者の博覧強記ぶりに恐れいる。またその一方で、これだけ多岐に渡るモチーフを綺麗に一編の小説にまとめ上げる剛腕も素晴らしい。

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2017/08/16

 人間の能力の拡大。人類の起源とこの先の進化。パラドックスのない時間旅行。  SFとしてのテーマをふんだんに盛り込んだ作品でもあり、「至高体験」の学術的テーマも含んでいる。  学生時代に何度も読んだことを思い出す。ことに能力を伸ばして行く前半は、「体験」についての素晴らしい考え...

 人間の能力の拡大。人類の起源とこの先の進化。パラドックスのない時間旅行。  SFとしてのテーマをふんだんに盛り込んだ作品でもあり、「至高体験」の学術的テーマも含んでいる。  学生時代に何度も読んだことを思い出す。ことに能力を伸ばして行く前半は、「体験」についての素晴らしい考えに満ちている。思考すること、美と善を受け入れること。「ヴァンパイア・クロニクル」の描写に惹かれたことに通じる根っ子を思い出した。

Posted byブクログ

2012/09/05

実在の人物が、たとえばジュリアン・ハクスリーとしゃべったとか、そんな風に出てくるから、どこから実在の人で、どこからフィクションなのか不安になる。小説なんだから、すべてフィクションと考えておけば安全なんだけど。 (2010.02.28) 2年以上前に50ページくらいまで読んでいた...

実在の人物が、たとえばジュリアン・ハクスリーとしゃべったとか、そんな風に出てくるから、どこから実在の人で、どこからフィクションなのか不安になる。小説なんだから、すべてフィクションと考えておけば安全なんだけど。 (2010.02.28) 2年以上前に50ページくらいまで読んでいたのだけど、最初から読み直し中。冒頭の死の恐怖の描写について、これ以上に共感できたものはない。 http://booklog.jp/quote/245338 このせいで僕もまた同じく、ふつうに働いて生きていける自信がない。 http://booklog.jp/quote/245340 ところで、すごくどうでもいいことなんだけど、中世には次が今より遠くにあったので重力が今より強く、そのために人間の身長は低かったというトンデモ理論が出てきて、それは実験しようがないと書いてあるのだけど(p.64)、実験できると思う。微小重力下でのマウスの実験はよく聞くし、大腸菌は短い期間で人間の歴史に匹敵する世代数を観察することができるので、ちょっと重力を強くしてみて、大腸菌がどのように進化するか見ていけばいいと思う。もちろん、たった数百年前の月の軌道が今と違ってるわけはないので(それをどう実証していいかのちゃんとした案はわからないけど、例えば金環日食の記録を見るとか?)、ゆえにナンセンスだと言うのならいいんだけど。 (2012.06.16) 訳は海外文学によくある感じだったと思うけど、たまに気になるところが。p.192 雑誌のNatureやScientific Americanが「自然」、「科学アメリカ」と訳されている(NatureとScientific Americanを同列に並べるのもよく分からないけど)。ルビがなかったら何のことかさっぱりだ。 p.226 の「行動」(アクションとルビが振ってある)は場面のことでは? 中盤で、急にシェイクスピア=フランシス・ベーコン説の謎解きみたいなところが出てきて、ダ・ヴィンチ・コードみたいだと思った。かなり唐突な脱線でなんでこの話題が入ってきたのかよく分からなかった。そのくせ、主人公のシェイクスピアへの評価は低いのでますますよくわからない。 総じての感想は、面白くなかった。訳者の解説読むと「これはめっちゃすごいし面白いよ」と書いてあるんだけど、「このオカルト小説のどこが?」と共感出来なかった。なんかもっと書こうと思ってたけど読み終えて一ヶ月以上経過して本がいま手元にないのでこのくらいしか書けない。そもそもこの本を読んだのは大学以降僕の読書のひとつの指針となっている予備校教師がおすすめリストに入っていたからなのだが、その中ではじめてのはずれかも知れぬ。もう予備校を出て4年以上経つし、このリストから卒業してもいいかもなあ。 (2012.09.05)

Posted byブクログ