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牛肉と馬鈴薯・酒中日記 の商品レビュー

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15件のお客様レビュー

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2009/10/04

社交倶楽部に集まった人々が人生観を語り合う。現実主義的な社会人に対して、独歩の分身・岡本が自己の不思議な願望を語りだし、独歩の哲学・思考を語る。そして、それを聞く人の反応とが雄弁に組み合わされて、実利主義的生活の中における独歩自身の突き詰めた悩みが見事に表現されている。

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2009/10/04

自然なるもの、この世において唯一無二のもの、 ごく当たり前で童の思考のようだが、 「習慣(カストム)」によって意識することさえなくなる、 非常に重要なことに気づかされた。 どことなく、運命論や西洋的な思考が漂っている。

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2009/11/12

 「牛肉と馬鈴薯」、素人が勢いで書いたような文章で、最後に「喫驚したい」でしょ。私なんかは置いてけぼりでした。 しかし、漱石も誉めたという「巡査」はとってもうまい。軽い文章を書く方がうまいような気がする。他、岩波のと重複ありますが「富岡先生」「少年の悲哀」「運命論者」「春の鳥」「...

 「牛肉と馬鈴薯」、素人が勢いで書いたような文章で、最後に「喫驚したい」でしょ。私なんかは置いてけぼりでした。 しかし、漱石も誉めたという「巡査」はとってもうまい。軽い文章を書く方がうまいような気がする。他、岩波のと重複ありますが「富岡先生」「少年の悲哀」「運命論者」「春の鳥」「窮死」「竹の木戸」が好き。

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2010/05/27

長州ファンなので『富岡先生』を読むために買った。(富岡先生=松下村塾の富永有憐がモデル) 『牛肉と馬鈴薯』の観念的な会話がユニーク。牛肉=理想、馬鈴薯=現実!人間、きれいごとだけでは生きていけないということですね。 それにしても、前編通して死にまつわる話が多いのが気になった。独歩...

長州ファンなので『富岡先生』を読むために買った。(富岡先生=松下村塾の富永有憐がモデル) 『牛肉と馬鈴薯』の観念的な会話がユニーク。牛肉=理想、馬鈴薯=現実!人間、きれいごとだけでは生きていけないということですね。 それにしても、前編通して死にまつわる話が多いのが気になった。独歩は死を実感できないのが厭だんだって。だから「宇宙の不思議を知りたいという願ではない、不思議なる宇宙を驚きたいという願です!」とか言っちゃうんだね。小説家というよりは哲学者の書いた小説といった風。 (実際、ワーズワース信者だしね。)

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2009/10/04

国木田独歩は決して上手い作家ではない。 息の詰まるような結末が待っているわけでもなく、目の覚めるような名文に出くわすこともない。「えっ、これで終わり?」なんて中途半端な終わり方をする短編だって結構ある。繰り返しになるが、構造的にも装飾的にも、国木田独歩は決して文章の上手い作家で...

国木田独歩は決して上手い作家ではない。 息の詰まるような結末が待っているわけでもなく、目の覚めるような名文に出くわすこともない。「えっ、これで終わり?」なんて中途半端な終わり方をする短編だって結構ある。繰り返しになるが、構造的にも装飾的にも、国木田独歩は決して文章の上手い作家ではない。 それでもひとつひとつの短編を読み終えたあとのよく分からないうら寂しさは、ちょっと他の作家にはないものだと思う。なんだか不思議な感覚。 こういうのって狙って出来るものではなくて、天然とでも言えばいいのか、作家自身の人間性が反映されたものなんだろうなあ。文章の巧拙を超えた部分で。

Posted byブクログ