インカの反乱 の商品レビュー
1570年にスペイン国王に提出された文書。スペイン人のペルー征服が始まって50年ほどのち、インカ帝国の継承者としての正統性と権利を、臣従を誓いつつスペイン国王に訴える。征服するのも、それに反抗するのも正当と思われる理由が必要というのか、理由さえあれば良いというのか、正当さを担保す...
1570年にスペイン国王に提出された文書。スペイン人のペルー征服が始まって50年ほどのち、インカ帝国の継承者としての正統性と権利を、臣従を誓いつつスペイン国王に訴える。征服するのも、それに反抗するのも正当と思われる理由が必要というのか、理由さえあれば良いというのか、正当さを担保するために物語が作り上げられるというのか。一行の事実の正当さのために100ページの物語を必要とするような、小説みたいな事態に歴史というのは陥りがちなのだなと。太宰治のような苦しみを歴史を紡ぐ人らはしてきたのかなと思いが逸れてしまった。
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スペイン人がペルーにやってきて、インカ帝国を滅ぼすまでの過程を、インカ帝国国王側からの証言録といった形で書いてある。 インカ帝国の、マンゴ・インガがええ人なんはわかるけど、あまりにも危機感なさすぎて読みながらイライラ。組織の長としての資質がないんやろね。 ただ、このような貴重な記...
スペイン人がペルーにやってきて、インカ帝国を滅ぼすまでの過程を、インカ帝国国王側からの証言録といった形で書いてある。 インカ帝国の、マンゴ・インガがええ人なんはわかるけど、あまりにも危機感なさすぎて読みながらイライラ。組織の長としての資質がないんやろね。 ただ、このような貴重な記録が日本語で読めることには意義があると感じる。岩波文庫さすがやね。次はラス・カサス読むことに決めた。
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インカ帝国がスペイン人達に征服された16世期のインディアン側からの独白。 ラスカサスによる著書の、 征服者側によるものであったのとはその意味で対をなす貴重な書。 人間というものがもつ残酷性を知るのに適した書。
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大きな価値のある本である。 本書は、スペイン人フランシスコ・ピサロのインカ侵攻からその後のスペイン人の振る舞いについて、当時インカの王であったマンゴ・インガを父に持つ著者(実際は口述筆記だという)ティトゥ・クシ・ユパンギが、伝聞と自らの体験から知っている事実を、スペイン国王に向...
大きな価値のある本である。 本書は、スペイン人フランシスコ・ピサロのインカ侵攻からその後のスペイン人の振る舞いについて、当時インカの王であったマンゴ・インガを父に持つ著者(実際は口述筆記だという)ティトゥ・クシ・ユパンギが、伝聞と自らの体験から知っている事実を、スペイン国王に向けてまとめた報告書である。 インカの民がスペイン人にどのような対応をとったか、スペイン人はどう振る舞い、どう変化していったかが、さまざまな事件を時間軸にそって追っていく形で述べられているのだが、この文章がきわめて洗練されており、引き込まれる。地の文もさることながら、本書独特の小見出しの付け方が、文章にテンポを与え、読者に次の文への期待を持たせる。もともとが口述されたものを文書にしたものであるということもあるだろうが、恐らく訳者の筆力によるものであろう。 本書は主に、著者の父であるマンゴ・インガの話で成っている。インガはスペイン人に対し懐柔策をとったが、最終的には戦いを挑み、多いにスペイン人を苦しめ王として自分自身と国の誇りを守った。どうも跡を継いだ著者は、スペイン国王をはっきりと「主人」と呼んでいるあたり、インガの想いを受け継いだように思えない。結局征服されました、という報告書というわけではなさそうなのだが・・・やや本書の持つ意味についてよくわからなくなってしまうところである。 ただ、このような失われた文化に残された記録を、今の世に生きる者が読むことができることは、本当にすばらしい。貴重な文献を読みやすい日本語に訳し、紹介した訳者には心から感謝したい。
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自分たちの主張を通すために都合がよいことを書いていると言うのは否めない。 それもとてもスペイン人ぽくて、やはり幼少の頃から接していたからなのだろう。 私の場合どうしても「はるかなる黄金帝国」「まぼろしの都のインカたち」のイメージが強くて、また読みたくなった。持っているはずなんだけ...
自分たちの主張を通すために都合がよいことを書いていると言うのは否めない。 それもとてもスペイン人ぽくて、やはり幼少の頃から接していたからなのだろう。 私の場合どうしても「はるかなる黄金帝国」「まぼろしの都のインカたち」のイメージが強くて、また読みたくなった。持っているはずなんだけど行方不明。図書館も除籍なんだろう、もう無くて残念。
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