妖女サイベルの呼び声 の商品レビュー
漫画版を読んでいて難解であまりよくわからなかったのですが、原作の小説ではいろいろと想いが綴られていて謎だった部分が理解できたかもしれません。 サイベルが愛や憎しみといった感情を芽生えさせて大団円となります。名前を呼びかけて獣を縛るというファンタジー大好きですね。
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珍しく出ました星★5つでございます! 面白い。文句ないファンタジーの楽しさがあり、筋書きは通り一遍でなく、最後まで楽しめる。 本書はファンタジーの舞台において 氷の心と言われた魔術師サイベルが、 様々な出来事を通じて 人間らしい豊かな心を獲得していく冒険物語である。 岡野玲子の忠実な漫画版が素晴らしくて 原作も読んでみたのだが、 小説では、よりはっきりとサイベルが変化する様子がわかる。 孤高の誇りしか知らなかった彼女は 子供への愛を知り、 男への愛を知り、 絶望や懇願や泣くという例のない体験を次々にすることになる。無知で無垢に育った彼女はまた憎悪と復讐にとらわれ、大魔王のような権力を揮う欲望に滅ぼそうとする。 ドラマチックですね。もともとサイベルは少女らしいところが全然なく、感情の起伏に乏しいので淡々と書いてあるのだけど、なんというツンデレでしょう。 サイベルの氷の心を溶かし歓びを与えることができるのは完全無欠の王子様というべきコーレン。 本書は大人の女が読んでこそ面白いのではないかと思う。 戦いを前に起こったサイベルの変心、ブラモアとライラレンの謎ときは漫画版では良くわからなかった部分も小説ではっきりして、非常に感心した。 哲学的な含意があり、深みがある。
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1975年世界幻想文学大賞受賞作品。魔術や心を通わせるけものたち、王位継承をめぐる権力争いなど、美しい映像が浮かぶ、どファンタジー。しかしよくある群像劇ではなく、一人の女性の情念をめぐる、静謐な雰囲気の物語。心理描写に優れた語り口に引き込まれ、男女に限らず親子愛や友情のような様々...
1975年世界幻想文学大賞受賞作品。魔術や心を通わせるけものたち、王位継承をめぐる権力争いなど、美しい映像が浮かぶ、どファンタジー。しかしよくある群像劇ではなく、一人の女性の情念をめぐる、静謐な雰囲気の物語。心理描写に優れた語り口に引き込まれ、男女に限らず親子愛や友情のような様々な形の愛憎を巧みに描いていて、強く感情を揺さぶられた。女性作家ならではの魅力とともに、ファンタジーというジャンルが描ける人間の側面の、幅の広さというものを改めて実感。徐々にピースがきれいに収まって一幅の精彩な絵画が出来上がっていくような、見事な物語のたたみ方にも感動した。
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幻獣の力を借りることのできるサイベルの憎しみと愛の話。中盤、復讐に燃えるサイベルの描写から、折れた魔剣ばりに全員死亡コースを想定していたが、赦しにより大団円に。やはり女流作家ならではの展開かと思う。男性作家なら皆殺しコースだよね。
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75年に世界幻想文学大賞を受賞、今となってはマスター ピースであり、必読の書。ようやく読むことが出来た。 冒頭の歴史の記述とでも言える部分を乗り越えるのがやや 難事かもしれないが、そこを越えれば実に魅力的な幻獣達に 出会うことが出来る。やはりこの本の魅力はこの幻獣達なの だろう。...
75年に世界幻想文学大賞を受賞、今となってはマスター ピースであり、必読の書。ようやく読むことが出来た。 冒頭の歴史の記述とでも言える部分を乗り越えるのがやや 難事かもしれないが、そこを越えれば実に魅力的な幻獣達に 出会うことが出来る。やはりこの本の魅力はこの幻獣達なの だろう。ただ単にサイベルに召喚されたというだけではなく 心と心でつながっていると感じられるところがまたいい。 物語を閉めるためのオチもありがちと言えばありがちだが、 実に美しいイメージに仕上がっていると思う。読まなければ ならない本がまだまだありますな。
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ファンタジィというものが元来そうなのかもしれないが、ひとの心とその動きを描いた作品だと思う。ばらばらにして分析するのではなく、こういう「人物」がこういう「出来事」に出会って「なぜ」「どうなる」という『物語』だけが語れる構造。 でも後半の少なくとも3回くらいは、コーレンを「あなたが、あなたが、なんでそれを!! よりによってサイベルに求めるの!!!」と揺さぶりたくなった。けものたちのほうが断然好き。 ただ、サイベルに起こることは、人間がかかわりあえば必ず発生する衝突にちがいないのでは、と思う。タムとの関係や帰結もけものたちの行動も、結局は「人間世界に生まれ出てしまってどう生きていくか」のあらわれと……愛情の先にあったものなのかもしれない。
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10数年前に友人からプレゼントされたお気に入りの本。久しぶりに読んだらまたステキすぎて余韻に浸ってる。これが1970年代のファンタジー本だとは思えない。コーレンかっこよすぎ。
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怒り、憎しみからの開放と愛の物語ということで宜しいでしょうか。冒険とか魔法とかファンタジックなのを想像してましたが、結局はラブストーリー?話の筋としては結構単純な筋かと思いますが、回りくどい表現なので読むのに骨が折れました。サイベルが何も指示していないのにグッジョブな妖獣たち、最...
怒り、憎しみからの開放と愛の物語ということで宜しいでしょうか。冒険とか魔法とかファンタジックなのを想像してましたが、結局はラブストーリー?話の筋としては結構単純な筋かと思いますが、回りくどい表現なので読むのに骨が折れました。サイベルが何も指示していないのにグッジョブな妖獣たち、最高(笑)。
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久しぶりに幻想文学を読む喜びを味わった気がしました。 独特な雰囲気の世界設定、非常に魅力的な個性を持つ主人公。 そして読者を捕えて離さない巧妙なプロット。 言う事なしです。 マキリップの作品を読んだのは、これが初めてなのですが、非常に優れた感性を持つ作家であると感じました。
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