弔鐘はるかなり の商品レビュー

北方謙三(著者)

1981年北方謙三の…

[文庫ＯＦＦ]

1981年北方謙三のデビュー作。巻末の作家・勝目梓氏の解説にもあるように『日本におけるハードボイルド小説は、北方謙三の出現によって、強い刺激を受けた。例えば、北方以前と以後というふうに区分できるほどの、それは刺激である』と、最高の評価をもらっている。横浜。こころに傷を負った元刑事・梶礼二郎。4年前の横須賀、麻薬の絡んだ殺人事件で、刑事が一人死に梶は事件に関わる2人を射殺した。殺意を持って、2人の眉間を一発で撃ちぬいた。その事件に深い関わりを持っていた男・高崎隆之介が戻ってきた。獣になって獲物を追う元刑事。

ハードボイルド作家北…

[文庫ＯＦＦ]

ハードボイルド作家北方謙三のデビュー作。罠に嵌められた刑事の孤独な戦いを描いている。

2024/05/07

なかなか血生臭く迫力のある作品でした。

デビュー作品だけあって、繊細な鋭さではなく、とても力強い荒々しさを感じました。

しかし、この北方謙三の作品にしかない世界観は流石で、一度読み出すとページをずっとめくってしまいます。テンポもかなり良く読みやすく
特に拷問のシーンはかなり生々しくそれがまた作品に迫力を生む大きな要因だったと思います。

ハードボイルドミステリーという感じで、謎もありつつ、男の流儀もあり、アクションもド派手。密林でライフルぶっ放しはもはやベトナム戦争顔負けです。

北方謙三のファンとして、長編デビュー作を読めたことはとても嬉しいです。色々な意味で熱い作品でした。

2021/04/12

北方謙三デビュー作。元刑事が因縁のある事件をおう。横浜、港、安いホテルの一室、キャバレー。
両切りのポールモール。、ヤクザ、覚醒剤。
文字が映像のように鮮烈な印象を持って浮かび上がる。引き込まれる展開。
素晴らしい

2019/11/05

内容紹介
俺をハメたのは誰だ?横浜の夜、容疑者を射殺し、刑事の職を追われた梶。あれから4年、事件の謎に迫って凄絶な戦いが始まった…。復讐に命を賭けた男の挽歌

2018/10/10

2018.10.10 49
男だった。かっこよかった。こだわり。股の間にキンタマをぶら下げる。御託が嫌いだ。

2012/04/27

幅広い作品を残している北方謙三のハードボイルド小説第一作にして、ハードボイルドの新たなスタイルを確立した作品。主人公の徹底した男の生き様が描かれている。プロットが込み入っておりややわかりづらい気がしますが、何者からも縛られず、自分のこだわりを貫き通すタフガイはシブすぎ、いい味を出しています。

2011/05/15

デビュー作のせいか、独自の世界までには至らず、ありふれた暴力団ものの域を出ない。主人公の動く動機の説得性が弱。

2009/10/04

男臭い一室から始まる第一章半頁。比較的短い文節と無駄のない精緻な描写。続く二頁足らずで一気に読者を因縁含みの物語に深く引き込んでしまう本作がデビュー作だというのには、余りにも完成度が高く驚かされます。円熟の北方作品「楊家将」「水滸伝」も是非！