われらの時代 の商品レビュー
戦後すぐの若者の「割り食った」感を、象徴性の強いエピソードで綴った長編。 割り食ったっていうのは「命をかける機会」を失ったことについてで、その点は今と違うけど、割り食ったって思っちゃう時代に対する怒りは共感できた。今は何が原因かはっきりしないあたりもっと悪くなってるかもしれない...
戦後すぐの若者の「割り食った」感を、象徴性の強いエピソードで綴った長編。 割り食ったっていうのは「命をかける機会」を失ったことについてで、その点は今と違うけど、割り食ったって思っちゃう時代に対する怒りは共感できた。今は何が原因かはっきりしないあたりもっと悪くなってるかもしれない。 エピソードも展開もかなり派手で、物語としても面白かった。
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初期の長編。このころから虚飾や装飾を抑えた直接的なことばを使ってイメージを排除した性を描いている。遍在する自殺の機会につねに監視されながら生きるしかない現代の若者のすがたは読んでいてとても共感できた。
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戦後の若者の閉塞感を描いた作品。 共通の価値、命をなげうってでも賭けるべきもの、そのようなものが与えられない現在の閉塞感。それを何とか打開しようともがき、危険な行動に走ろうとする若者。しかし、その危険が己の身にリアリティをもって差し迫ってくると恐れおののき何もできなくなってしまう...
戦後の若者の閉塞感を描いた作品。 共通の価値、命をなげうってでも賭けるべきもの、そのようなものが与えられない現在の閉塞感。それを何とか打開しようともがき、危険な行動に走ろうとする若者。しかし、その危険が己の身にリアリティをもって差し迫ってくると恐れおののき何もできなくなってしまう。そしてそのような自分自身に対してへの自己嫌悪。 直接的な性的な表現がいたるところで見られる(あとがきで著者も意識して制的な表現を行ったと述べている)。 著者はこの小説についてあとがきで以下のように述べている。 ”ぼくは読者を荒々しく刺激し、憤らせ、眼ざめさせ、揺さぶりたてたいのである。そしてこの平穏な日常生活のなかで生きる人間の奥底の異常へのみちびきたいと思う。” 異常な世界へみちびかれたい好奇心旺盛な人は読んでみたらどうだろうか。
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大江氏の初期の作品はなんて面白いんだろう。われらの時代、万延元年のフットボール、セブンティーン・・・・・。特にこの作品で、天皇を暗殺しに行き、未遂に終わる場面の官能性はとても印象的です。しかし、初期以降の作品はとても(私としては)つまらない。
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言葉もうまくつかえないなんてなんと無力なことか 言葉しか持ってないって思ってたのに、ただの思い上がり。 瓦礫になにが残るのか。崩れたあとになにかうまれるのか。
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切実な本だ。切実な若者が切実な汗をかきながら切実なるものを探し求めつつも現実的な希望がなく部屋に引きこもって自慰に耽るような、そういう切実さだ。
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虚栄と汚辱の話。 気に入ったページの端を折ってたらえらいことになりました。折り過ぎ。特に妊娠したのパリに行くだのの言い争いのところ。 最低なわれらに似合うのは、最低な時代なのでしょう。 09.06.09
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戦後、戦争以外に生きる目的を見いだせない主人公の男性が描かれている。戦後の男性の価値観の理解に役立つ一冊。
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戦争のない時代に栄光はなくて、 自殺できるという希望にすがりながら僕達は生きていく。 そんなメッセージが場末のバーのJazzや民族紛争、手榴弾の音によって明るみにされていく。 共感は出来ずとも同調は出来る、不思議なパラノイア。
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これは約45年前に書かれた本だが、現在の若者の生き方、そして彼らがどのように人生を捉えているか、ということを端的に言いあててる!僕たちは死なない程度に生きていて、その惰性につきまとう倦怠感にイライラして、でもなにも自分のしたいことが出来なくて、でも死ぬのは怖いから、生きている。こ...
これは約45年前に書かれた本だが、現在の若者の生き方、そして彼らがどのように人生を捉えているか、ということを端的に言いあててる!僕たちは死なない程度に生きていて、その惰性につきまとう倦怠感にイライラして、でもなにも自分のしたいことが出来なくて、でも死ぬのは怖いから、生きている。この小説に出てくる三人の若者も、今の若者も一緒だ。それでも世界は進行していく。
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