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堕天使拷問刑 の商品レビュー

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32件のお客様レビュー

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2023/07/14
  • ネタバレ

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本格ミステリなのか?それとも特殊設定ミステリなのか?と考えながら読んでいるとそのどちらでもない。「巨大な蛇が殺したんじゃない?」と言われると「そう言うならそうなのかもしれないけど……」みたいな感じで、はや特殊設定か!?と前傾姿勢になっているところをスっと退かれてしまう感じ。 悪魔はいたのか、天使はいたのか、みたいなのも結果としてはまあいなかったのかな?くらいでなんだかふんわりしている。 田舎の村の因習の恐怖、は確かにあったと思うが、そのクライマックスとしては姥捨山で、それは物語の中盤くらいで結構分かりやすく示唆されている。 そんなこんなでミステリとしても、伝奇ものとしてもふわふわしていて、じゃあこの小説はなんなんだろう?と思いながら読んでいたところで、小説のラストで「ラブレターでした!」と言われ「なるほど〜」となる。基本的な小説の構成は作中作や雑多な設定の詰め込みなどドグラ・マグラ的な感じではあるのだが、ラブレターでしたということなので読後はなぞの爽やかさがある。しかし読み終わってしばらくして改めて考えるとラブレターとして長すぎんだろ。

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2021/04/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館利用。 ミステリーと思って読んだが、それ以外の要素が盛りだくさん。読み応えはあったが、もっと削ぎ落とせたのではという気も。 排他的な田舎が舞台である点、洞窟が舞台装置になっている点等に「八つ墓村」を想起した。作中で一番美人な感じに描写されてる人が犯人なのも同じか。 トリック?(大蛇が犯人だった、子供が雪の中をガラスを滑らせた、屍姦のせいでの犯行時間誤認等)はなかなか。。

Posted byブクログ

2020/09/22

両親を事故で失った如月タクマ。母方の祖父の家に引き取られることになったが、閉鎖的な町に今だ残る不可解かつ理不尽な風習に身も心も翻弄されていく。その地に今だ残る宗教のようなものと言うのは何作か読んだが、これはまた毛色が違って新鮮だった。いつも読むのは心霊の類いを取り扱ったオカルト的...

両親を事故で失った如月タクマ。母方の祖父の家に引き取られることになったが、閉鎖的な町に今だ残る不可解かつ理不尽な風習に身も心も翻弄されていく。その地に今だ残る宗教のようなものと言うのは何作か読んだが、これはまた毛色が違って新鮮だった。いつも読むのは心霊の類いを取り扱ったオカルト的なもので、訳のわからないものが主人公ないし、そのまわりの人間に危害を加えるという感じたが、この作品は少し違う。昔からある凝り固まった伝統、そこに昔からすむ人間はすでにそれが普通だと誰も疑問に思わない理不尽な風習がとにかく怖い。 事件が起こっても警察にまず知らせるという形を取らない時点でもうかなり異様だが、暴力的な儀式も最高に気持ちが悪いし、それを見世物みたいに町人がみているのもかなりどうかしている。作中に出てくる不良中学生も(出会ったことがないだけかもしれないが)ぶっとびすぎている。どうにかしている、胸くそ悪いという展開が多く、フラストレーションがたまる。理不尽に責め立てられる主人公にとにかく不憫で感情移入してしまった。主人公がたまりかねて「ぶっ殺してやりたい」と心のなかで言い出したときは、そうだ!その通り!となってしまった。

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2019/06/14

密室で不可解な死に方をした祖父、一瞬のうちに起きた三人の首切りによる死。村の秘密は比較的早めに想像がつきますがホラーを読んでいるようなおどろおどろしさは常につきまといます。中学生とは思えないほど大人びた子供たちの恋愛要素も絡む青春小説であり、殺人事件の解はめちゃくちゃなものではな...

密室で不可解な死に方をした祖父、一瞬のうちに起きた三人の首切りによる死。村の秘密は比較的早めに想像がつきますがホラーを読んでいるようなおどろおどろしさは常につきまといます。中学生とは思えないほど大人びた子供たちの恋愛要素も絡む青春小説であり、殺人事件の解はめちゃくちゃなものではなくちゃんと説明がつくミステリ。さらにラストに仕掛けられたもう一枚は想像していたもののひとつ上を行き、最早楽しむのを超えてその作りに感心しました。好き嫌いのふり幅がとても大きい本だと思いますが、読むことができて本当に良かったです。

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2023/09/12
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飛鳥部勝則『堕天使拷問刑』読了。 密室で全身の骨を砕かれた死体、親子三人が誰もいない場所で一瞬のうちに斬首された怪事件、そして新たに起こる連続殺人。舞台は排他的な僻村、ツキモノツキやツキモノハギ、ヒトマアマと呼ばれる因習、アンチバベルの美術館、そして強く根付く「悪魔」の概念。 怪奇ミステリの王道を行く展開の中、まれびと・異端としてやってきた主人公タクマは奇妙な友人や美しい先輩、凶悪な不良、警察よりも先んじられるやくざもの、そして異端の美少女と出逢う。 奇書並みに詰め込まれた悪魔についての衒学趣味や横断するジャンルは読み応えがあり、途中で挿入される本筋と関係のない20頁強のモダンホラー紹介も実に作者らしい。バカミスという観点でも面白く、度肝を抜かれる奇想には脱帽。とりわけ犯人の行動や、とある人物の行為には衝撃を受けるだろう。 冒頭から提示される謎は魅力的で、作中で悪魔の仕業であると示唆されるが、確かに人間業とは思えない。飛鳥部勝則の作風からしても最終的に超自然的な展開になるのか現実的な落としどころがあるのか判然とせずスリリングにストーリーは展開していく。 ヤハウェの軍勢とルシファーの軍勢が戦ったとされる創世記戦争が俄かに現実に溢れ出し、怒涛の伏線回収と“解決”が始まる第三部「天使が現れなければならない」は息を呑む読み応えのある内容で、この章だけでも一読の価値はある。 荒唐無稽とも言える展開の暴走と、急速な収束と叙情的な幕引きは、徐々に怪奇ミステリの苦い後味から青春の切ない後味へと読者を導き、不思議と美しく物語が着地してしまう。 最後の「ひと押し」には崩れ落ちる想いがした。忘れ得ない傑作。

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2016/07/15

閉鎖的な村で転校生の男の子が殺人事件に巻き込まれるホラーミステリー。 ライトノベル風味のマンク。 悪魔の設定やいろいろ盛り込みまくりなとこも似てる。 ただし最後の一行で泣く。

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2016/07/11
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大人になって回想を小説にしたという設定でも、この中学生達は考え方も知識も言葉遣いも中学生レベルではない。不二男のモダンホラー小説に関するエッセー、伏線かと思ったが、そうでもなかった。

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2016/04/05
  • ネタバレ

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両親を事故で亡くした中学1年生の如月タクマは、母方の実家に引き取られるが、そこでは魔術崇拝者の祖父が密室の蔵で怪死していた。 さらに数年前、祖父と町長の座をめぐり争っていた一族の女三人を襲った斬首事件。 二つの異常な死は、祖父が召喚した悪魔の仕業だと囁かれていた。 そんな呪われた町で、タクマは「月へ行きたい」と呟く少女、江留美麗に惹かれた。 残虐な斬首事件が再び起こるとも知らず…。 (アマゾンより引用) 面白かった~(゜Д゜;) この作者さんの本はまだ2冊目だけど、最後のオチっていうか『やられた!!』っていうのがくるとこがたまらん((>д<)) 今回も裏切られることなく、満足の1冊

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2016/03/05

ホラー/オカルト/スリラー/ミステリ/学園/青春/恋愛 多様なジャンルを詰め込んだ大作。 個人的にはホラーの印象が強い。 ホラー小説としては、怖い、グロイ、エグイ、気持ち悪い、恐ろしい感じ。村も、人間も、いじめも、悪魔も、事件も、何もかもが怖かった。 オススメモダンホラーという...

ホラー/オカルト/スリラー/ミステリ/学園/青春/恋愛 多様なジャンルを詰め込んだ大作。 個人的にはホラーの印象が強い。 ホラー小説としては、怖い、グロイ、エグイ、気持ち悪い、恐ろしい感じ。村も、人間も、いじめも、悪魔も、事件も、何もかもが怖かった。 オススメモダンホラーという章は、読書ガイドとして充実の内容。スティーヴン・キングくらいしか分からないが… ミステリ作品としても、不可能犯罪と思われる謎、突飛な仮説、アリバイ、驚愕のトリック、異様な動機と、読み応え十分。 終始ホラーな雰囲気ですが、それでいて爽やかなラストになるのはスゴイ。 自分にとっては傑作!2016年ベスト候補!

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2016/01/17

おお(*´▽`*)♪ホラーとミステリと青春と、詰め込まれていますが洗練された印象。両親を亡くし引っ越し。が、亡き祖父の悪魔崇拝と全身の骨を砕かれるという異様な死に様のためか、転校早々ツキモノイリと言われてしまいます。祖母の失踪、起き始める殺人事件。村では数年前に三人の女性が首を切...

おお(*´▽`*)♪ホラーとミステリと青春と、詰め込まれていますが洗練された印象。両親を亡くし引っ越し。が、亡き祖父の悪魔崇拝と全身の骨を砕かれるという異様な死に様のためか、転校早々ツキモノイリと言われてしまいます。祖母の失踪、起き始める殺人事件。村では数年前に三人の女性が首を切られるという事件が。際立つのは集団心理の恐ろしさ。それにより陰鬱な雰囲気が感じられるのですが、最後の文で吹き飛ばされ読後感は良。文の中毒性、面白さ、終わってしまうのが何だかもったいなく、ずっと浸っていたい世界(笑)良い本読んだ^^

Posted byブクログ