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虫眼とアニ眼 の商品レビュー

3.9

157件のお客様レビュー

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2011/05/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

養老さんも宮崎さんも個人的に好感の持てる人だと思う。養老さんは一時期ブームになった「バカの壁」で知り、宮崎さんといえば、スタジオジブリの監督であるので日本人であれば誰もが名前を聞いたことがある人なのではないかと思う。本書はそんなお二人の対談集であった。まずページを開くと、宮崎駿氏が描かれた理想の町や幼稚園の絵がある。ところどころに説明があるが、見ているだけでなるほどな、と思うような場所として描かれている。こういう世界が描かれ、それが現実になったとしたならば、大人になった私も楽しむことが出来るかもしれない。そんな町を彼は彼の頭の中で構想している。お二人の話はテンポよく、養老さんなんかはいつもの調子で好き放題言っておられる。そんな中でよく出てきたのは、最近の「子ども」に対して。「生きているという現実をつかむことの出来る場所があるのか。」これは私が日々生徒と向き合っていても思うことだ。特に生物の話をすると、まず「気持ち悪い」だとか、「そんなことどうでも良い」だとか、「知らない」なんて言葉が出てくる。それが自分の身近にあるものだという感覚が無い。私も「こんなのそこらへんにいるし、あるよ。」といってしまうのだが、よく考えたらそれは私の現実の中にあったわけであって、彼らの今の現実の中には無いのだ。田舎で育った私にとって、当たり前だった風景というのは切り離されて存在しているものとなっている。シロツメクサを見つけるためには鴨川まで行かなければならないし、セイヨウタンポポとニホンタンポポを両方見つけるために、右京区にある寺まで足を伸ばさなければたくさんを見ることが出来ない。ただ、私の幼少時代なんかは、著書の対談をしている2人から見ればフン、と鼻で笑う程度のものなのかもしれないが、それでも私でさえ都会暮らしの子どもについてはよく考えてしまう。まるで人間が頂点に君臨し、自然をも管理しているようなイメージでいるが、私たちは共存しているはずである。土の中には何がいるのだろうか。コンクリートが無ければそこには何があっただろう。大人が「危険だ」「怪我をする」などと止めてしまう前に、子どもたちの冒険を尊重した暮らしを探していくべきなのではないか、そんなことを思った。 ところで、私が「もののけ姫」を見たのは小学校6年生の時だったように思う。初めて友達同士で映画館に行ったので覚えている。あの作品を見て、私は幼いながらも色々なことを考えたものなのだが、私の生徒は一様に「もののけ姫」=「気持ち悪い」とか「グロイ」で片付けてしまう。それが悲しくてたまらない。一つの現象に囚われて全体を見通す力が無いのだ。大局観がないのだろうか。 あの時、私が覚えた感動を子どもたちはいつになったら実感するだろうか。それとも、もう実感はしないのだろうか。これは価値観だけでは埋められるものではないと思う。何が変化を生んでしまったのだろうか。

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2011/05/09

とてもまともでまともじゃない人たちが、対談している 笑 面白い。こういう言い方はあまりすきじゃないけど、考えさせられる。

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2011/05/12

まともな人たち二人が、まともな話し合いをしている。今、日本に何が必要か。この手の教育話は育児するようになると、さらにピンと来るのだろう。けど駿さんはいい意味で若い子好きだなー。

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2011/05/07

当たり前のコトを当たり前のようにやろう、というメッセージを発しているように感じた。本人たちはそんなコトこれっぽっちも意識していないだろうが(笑)

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2011/04/06

なんか変な題名だと思いましたが、解剖学者養老孟司と、アニメーション作家宮崎駿の3度にわたる対談集で、それぞれの持つ目を表現した意味になっています。 自然との共存、未来ある子どもたちについて、お互いがそれぞれの目線から必要性を解き、現在への警鐘を鳴らしています。 「トトロ」を何十...

なんか変な題名だと思いましたが、解剖学者養老孟司と、アニメーション作家宮崎駿の3度にわたる対談集で、それぞれの持つ目を表現した意味になっています。 自然との共存、未来ある子どもたちについて、お互いがそれぞれの目線から必要性を解き、現在への警鐘を鳴らしています。 「トトロ」を何十回も観るのは危険だという宮崎氏。 外で遊んでいないで、TVを観ているだけなのは、実際の経験値が上がらないからだとのこと。 ビデオの箱に「見るのは年1回にして」と書きたいとまで言っていました。 ハッとしました。確かに、アニメで夢を膨らませるのは必要ですが、やはり実際に外に飛び出していかないと、豊かな感性の子供には育たないのでしょうね。 養老氏の話では、蝶は好きな場所を飛んでいるわけではなくて「蝶道」と呼ばれるルートにそってひらひら飛んでいる、という話が印象的でした。 以前、家を増築したら、それだけで蝶の飛ぶ場所が変わったそうです。 つまり、蝶は周囲の環境を把握しているとのこと。すごい能力ですね。 ほかに、筑波の学園都市に、19cのイギリスの田園風景を再現していこうという計画が持ち上がったそうですが、そもそも19cのイギリスの田園風景は、山形県の農村を手本にしたものなんだそうです。 つまり100年たって、ぐるっと回ったとのこと。おもしろいですね。 薄い本ですが、学ぶところの多い、いろいろと考えさせられる一冊です。

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2011/04/05

養老先生の本の中で多々出てくる「手入れ」「子供」「自然」。 私もまだ26だが,若い世代,特に親も若く親子の関係が「友達」って考えている人には養老先生の考え方は到底理解出来ないと思う。 それが良いのか悪いのかは判断しづらいが,現代社会の幼児虐待などは一種の弊害だと思う。 子供は...

養老先生の本の中で多々出てくる「手入れ」「子供」「自然」。 私もまだ26だが,若い世代,特に親も若く親子の関係が「友達」って考えている人には養老先生の考え方は到底理解出来ないと思う。 それが良いのか悪いのかは判断しづらいが,現代社会の幼児虐待などは一種の弊害だと思う。 子供は自然。手をかけずに気をかける。 養老先生も母親から教わったことらしいが,すばらしい教えに思う。

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2011/03/15

荒川さんに興味を持った。 この二人で本当に街を作ってみてくれないかな。 冒頭がとても楽しかった。

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2011/03/05

将来じぶんのコドモは、宮崎さんの保育園に通わせたい。 そこはでこぼこで、家に帰りたくなくなる場所。 火をもやせて消せる。 はさみや針と糸を使える。 包丁やナイフを使える。 勉強したい奴は勝手にするから、まず大人たちは、当たり前のことを当たり前にできるようにコドモを育...

将来じぶんのコドモは、宮崎さんの保育園に通わせたい。 そこはでこぼこで、家に帰りたくなくなる場所。 火をもやせて消せる。 はさみや針と糸を使える。 包丁やナイフを使える。 勉強したい奴は勝手にするから、まず大人たちは、当たり前のことを当たり前にできるようにコドモを育てなくてはならない。 宮崎さんと養老さんは 人、自然、社会を語っても最終的にコドモについて語っていた。 宮崎さんが、映画を作ったときインタビュアに 『この作品の意図は?』と聞かれたら 『あの子を楽しませるため』 『ちなみに、その子の名前は秘密です』 と答えられたらカッコイイよねと言っていた。 まるで目の前で話してるかのよに、ありありとその姿が浮かんできて嬉しくなった。 やさしい毒をもった二人の対談は愛情にあふれている。若者は尻が痛いです。

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2011/01/10

宮さんの印象が変わりました。トトロを子供に何回も見せる親に宮さんは少し困ってる様子でした。 私はジブリさえ見れば良いが宮さんだと思っていました。失礼しました、宮さんの考える保育園は少しでも増えるといいのですが。

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2010/10/23

二人の会話が面白かった。宮崎駿の考える町の構図などもカラーで描いてあって、こんな町に住みたいなーって心が温かくなる本!

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