ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを の商品レビュー
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現代版の異邦人。 新自由主義社会において、人類愛を語ることは異端なのか。 カートボネガットのシニカルな問いかけがそこにはある。 異常という日常。 ボネガットの皮肉に満ちた文章の中で、 彼の純粋で無垢な人間愛が浮かび上がってくる作品。 「あんたがローズウォーター群でやったことは、断じて狂気ではない。あれはおそらく現代の最も重要な社会的実験であったかも知れんのです。なぜかというと、規模は小さいものだけれども、それが扱った問題の不気味な恐怖というものは、いまに機械の進歩によって全世界に広がってゆくだろうからです。その問題とは、つまりこういうことですよーいかにして役立たずの人間を愛するか?」
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生きることを全肯定する素晴らしい物語だった。 最後の2,3行を読むまでまさか感動するなんて思わなかったんだけどね。
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愛とはシェアするものではないだろうか。恋人と部屋や食べ物を分ける。兄弟で同じ親を分ける。さあ、あなたは愛する人と何を分け与えることができるのか。お金?そう、お金はもっともであろう。お金で人生つまづく人もいることだが、愛が芽生える人ともいるだろう。そもそも愛は金より抽象的だ。空漠的...
愛とはシェアするものではないだろうか。恋人と部屋や食べ物を分ける。兄弟で同じ親を分ける。さあ、あなたは愛する人と何を分け与えることができるのか。お金?そう、お金はもっともであろう。お金で人生つまづく人もいることだが、愛が芽生える人ともいるだろう。そもそも愛は金より抽象的だ。空漠的だ。存在しないと思う人だっているに違いない。もちろん。そう。ありうる。しかし、僕は愛は実在するものだと思っています。愛は分けるものという定義ならば、歌や小説は愛でしかない。愛と同等な価値になろう。愛を感じる小説である。金なんてみなさん!他人にあげることができますか?できなければ・・・・・・。
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無償の愛をもつ人間の説明書。 誰しもがなりたいと願う、良い人(愛に生きる人間)を目の前にすると人はどう行動してしまうのか。 受け入れる側の破綻した状況が否が応にも理解できるように書いてある。 私にはとても耳がイタく、苦しく、悲しい本。 この本を悲しむことなく喜びの中で読む人間に...
無償の愛をもつ人間の説明書。 誰しもがなりたいと願う、良い人(愛に生きる人間)を目の前にすると人はどう行動してしまうのか。 受け入れる側の破綻した状況が否が応にも理解できるように書いてある。 私にはとても耳がイタく、苦しく、悲しい本。 この本を悲しむことなく喜びの中で読む人間になりたい。
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お金持ちは富を分配しろ!って庶民は思うけど、 本当に人のために尽くしたらどんなことになっちゃうのか・・・ 中流階級以上にはキチガイと思われ、 貧しい人々には神と崇められ、 それでも本人は首尾一貫しているのが滑稽であり、切なくもある。 しかし最後の妻に会いに行くところからの超展...
お金持ちは富を分配しろ!って庶民は思うけど、 本当に人のために尽くしたらどんなことになっちゃうのか・・・ 中流階級以上にはキチガイと思われ、 貧しい人々には神と崇められ、 それでも本人は首尾一貫しているのが滑稽であり、切なくもある。 しかし最後の妻に会いに行くところからの超展開はすごかった。 え、火事?え、テレポート?記憶喪失?え、ケンカ?いつの間に??? ぜんぜんついていけなかった(笑) 主人公もなかなかついて行けてませんでしたが。 ・・・ということは、狙い通りの効果だったのかもしれません。 彼のやったことは最後に他者の言葉によって説明され、そうしてようやく周りが理解できる意味を持つ。 だけどそれって本当の意味なんだろうか。 結局、芯の部分は誰にも理解されないまま、主人公は自分を貫き通したのだと思う。 他人なんて気にせずに自分の道を歩めという意味ではなくて、 他人を気にせず自分の道を歩めばどう見られるのか、どう見えるのか、 という皮肉なのかなあ。 全体的にシニカルな印象でしたー。 いちおSFになるのかな? 文章はフィリップ・K・ディックより素朴で読みやすいようだけど、 実は結構深くてイジワルでした。 いやーSFって本当にいいものですね!
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初めてカートヴォネガットの作品を読んだ。がこれはSFではなかった。次は「猫のゆりかご」読んでみるか。
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ものすごく皮肉な物語で、くすくす笑ってしまう。最後は傑作。読み終わってすぐの感情はどこか「アルジャーノンに花束を」と似ている。歪んだ社会と、一人の男の「愛」の形とが似るのかな?よく分からない。これ、日本よりももっと雇用や保険などがシビアなアメリカではもっと辛らつに、その分面白く受...
ものすごく皮肉な物語で、くすくす笑ってしまう。最後は傑作。読み終わってすぐの感情はどこか「アルジャーノンに花束を」と似ている。歪んだ社会と、一人の男の「愛」の形とが似るのかな?よく分からない。これ、日本よりももっと雇用や保険などがシビアなアメリカではもっと辛らつに、その分面白く受け止められるのではないか。
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声を出して笑った。 隣人愛については、正直、アイロニーしか感じなかった。 本心なのかな?というかクレイジーだから、隣人愛って言わない。 いろんな話の紙芝居がシャッフルされて目の前でめくられるような。
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おもしろかった。今の世界、アメリカ、日本の暗部を深くえぐりだしてる気がする。 ヴォネガットはすごいと思う。
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ヴォネガット後期で繰り出される「乾いた笑い」と、 前期で用いられる、ラストにオチを持ってきて問題の昇華を図る手法が交差した秀作だと思った。 ヴォネガットは「スローターハウス5」と「チャンピオンたちの朝食」で 転換期を迎えたんだなぁと改めて思う。 エリオットの狂気はなかなかすごい...
ヴォネガット後期で繰り出される「乾いた笑い」と、 前期で用いられる、ラストにオチを持ってきて問題の昇華を図る手法が交差した秀作だと思った。 ヴォネガットは「スローターハウス5」と「チャンピオンたちの朝食」で 転換期を迎えたんだなぁと改めて思う。 エリオットの狂気はなかなかすごいものがある。 こんな夫に振り回されたら、そりゃ嫁はうつ病が発症するわ、と思った。 が、やはり特筆すべきは、父親との対決シーンだろう。 このくだりは、ものすごい迫力がある。オチについては、ニヤリと笑う感じ。 ヴォネガットらしいといえばらしいけど、らしくないといえばらしくないかな。 思想としてはヴォネガットらしいのだけど、手法がらしくない、という感じ。 キレイすぎるかな。ヴォネガットの短編っぽいオチ。 クレイジーなヴォネガットに慣れるにはもってこいの入門書だとおもった。
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