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ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを の商品レビュー

4.1

35件のお客様レビュー

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    13

  2. 4つ

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2013/07/02

お金が支配する近代アメリカにおいて、ユートピアを作ろうとした男の物語。 人生で最高の一冊のひとつとなった。

Posted byブクログ

2013/06/16

周りからキ○ガイ扱いされている,富豪のエリオット・ローズウォーターさんがとある街で貧民相手にお金を上げたり相談に乗ったりするお話。 とにかくエリオットさんの人情熱い描写がお見事。海外文学で人情ものってあまり翻訳されてない気がしますね。 周囲からの評判を絶大なものとしていくエリオッ...

周りからキ○ガイ扱いされている,富豪のエリオット・ローズウォーターさんがとある街で貧民相手にお金を上げたり相談に乗ったりするお話。 とにかくエリオットさんの人情熱い描写がお見事。海外文学で人情ものってあまり翻訳されてない気がしますね。 周囲からの評判を絶大なものとしていくエリオットさんを見ることは自己啓発本さながらな感じがします。 なかなかの長編ですが,ラストは小気味よく終わります。ライトな作品ではないですが,途中で積むのはもったいない。

Posted byブクログ

2013/06/07

もしも完全に利他的な人間が、働かなくてもお金の手にはいるような大金持ちだったら? これはヴォネガットのいつものユーモアと皮肉と笑いをまじえて大金持ち、エリオット・ローズウォーターの生き方を描いた小説。 エリオットの周囲にいる人間たちを同じ人間とも思わないような俗物らしいエリオッ...

もしも完全に利他的な人間が、働かなくてもお金の手にはいるような大金持ちだったら? これはヴォネガットのいつものユーモアと皮肉と笑いをまじえて大金持ち、エリオット・ローズウォーターの生き方を描いた小説。 エリオットの周囲にいる人間たちを同じ人間とも思わないような俗物らしいエリオットの父親は、誰をもを愛していると言っているエリオットに対し、特定の人間を特定の理由で愛する自分たちのような人間は、新しい言葉を見つけなければいけないと嘆く。 エリオットが「役立たずの人間」に奉仕するときの「愛」とはどんなものなのか? 住民たちのもとを離れ、もう戻りたくないと思いながらも、まだ見もしらぬ子どもたちのためにお金を与えるのはどうしてか? 助けてきた住民の名前も忘れてしまうエリオット。彼が愛するというとき、それは目の前の個人ではなく、人間という存在そのもの。特別な存在として自分を見てくれないエリオットを、他の人間は愛せないように思う。愛するにしてもそれは神への愛みたいなものか。 二つの愛という概念は、宗教をもっている人間ならわかるのかな?

Posted byブクログ

2012/11/25

この手の小説ってあまり読む機会がなくて、ということはあまり好きではなくて、まあ正直言って本書もそんなに面白いとは思わなかった。 でも中盤の電話での会話の描写とか、終盤に群像が一つになっていく過程とか、小説としては実によくできているとは思う。 最後の方にあったトラウトの言葉 「い...

この手の小説ってあまり読む機会がなくて、ということはあまり好きではなくて、まあ正直言って本書もそんなに面白いとは思わなかった。 でも中盤の電話での会話の描写とか、終盤に群像が一つになっていく過程とか、小説としては実によくできているとは思う。 最後の方にあったトラウトの言葉 「いかにして役立たずの人間を愛するか?」 これはたぶんこの小説のテーマだろうし、実は僕の人生のテーマでもある。読後感は爽やかで良し。

Posted byブクログ

2012/10/14

平安時代の美人は今ならちっとも美人じゃないだろう。 人間は実は努力なんかじゃどうにもならないくらい、ちょっとした現実のランダム関数で恵まれて生まれたり、恵まれなかったりする。 これは金持ちに生まれてしまったばかりに世の不条理に気づいてしまい思い悩む男の物語。 誰かを愛することは同...

平安時代の美人は今ならちっとも美人じゃないだろう。 人間は実は努力なんかじゃどうにもならないくらい、ちょっとした現実のランダム関数で恵まれて生まれたり、恵まれなかったりする。 これは金持ちに生まれてしまったばかりに世の不条理に気づいてしまい思い悩む男の物語。 誰かを愛することは同時にその人以外を視界から外すことでもある。 自分たちだけ幸せになるのはおかしいと主人公は考える。 万人の幸せを望む。 じゃあ、万人を愛すればいいのか。 そうかもしれない、でもそれは彼を幸せに導いてくれたのだろうか。

Posted byブクログ

2012/09/17

大富豪でありながら慈善事業に大金を注ぎ込み財産をすり減らす男の物語。ヴォガネットらしい愛と皮肉とユーモアに満ちた独特の語り口が、読後に小さな引っ掛かりを残す これなんか、すごいいろいろ考えさせられた気がするんだけど… 詳細に思い出せない(‐‐; もう一度読みたいと思います!

Posted byブクログ

2012/07/14

たとえヴォネガットの作品が砂糖の錠剤ににがいコーティングを施しているだけのようなものだとしても、私は彼の作品が大好きだ。読み始めると どんなに抑えても感傷的なきもちになってしまう。ギャグっぽくコミカルに書かれているところもあるが私は全然笑えなくてむしろ悲しい気持ちになってしまう。...

たとえヴォネガットの作品が砂糖の錠剤ににがいコーティングを施しているだけのようなものだとしても、私は彼の作品が大好きだ。読み始めると どんなに抑えても感傷的なきもちになってしまう。ギャグっぽくコミカルに書かれているところもあるが私は全然笑えなくてむしろ悲しい気持ちになってしまう。SFを数行でまとめるというアイディアも素晴らしいし、聖書に対する解釈や現代社会の問題点にヴォネガット独自の視点があるし、なにより登場人物達のドストエフスキー的な胸中の吐露が胸に迫る。泣いた。

Posted byブクログ

2012/05/06

読んでいて、どうすればいいのかわからなくなって、馬鹿みたいにぼろぼろぼろぼろ泣いてしまった。 ヴォネガットの作品はこれが初読だが、読む前からからそうなる予感はしていた。きっと泣いてしまうし、きっと辛いだろうと。その通りだった。 「カート・ヴォネガット・ジュニアの『ローズウォータ...

読んでいて、どうすればいいのかわからなくなって、馬鹿みたいにぼろぼろぼろぼろ泣いてしまった。 ヴォネガットの作品はこれが初読だが、読む前からからそうなる予感はしていた。きっと泣いてしまうし、きっと辛いだろうと。その通りだった。 「カート・ヴォネガット・ジュニアの『ローズウォーターさん~』は、この作家が世界に宛てた、一番新しい、一冊の怒りのラブ・レターである」(ジュディス・メディル) 怒りのラブ・レター。まさしく。 これは愛についての物語である。そして金についての物語である。 一人の男が限りない愛と、限りなく限りないくらいの金を、その身に背負って、生きる話である。 誰を救えばいいのか、という話ではない。 何を変えればいいのか、という話でもない。 世界はあるがままに。そして人間もありのままに。 みじめな人生に電話での話し相手と、わずかなお金を。 何も変わらない世界に小さなユーモアを。 そして、新しい命へ「ようこそ」と。 そうそう、あとはこれ。 「なんてったって、親切でなきゃいけないよ」。

Posted byブクログ

2012/04/16

*えり* 富と愛をひとびとに分け与えようとする、とある大富豪と、 彼を取り巻く人々の物語。 ローズウォーターさんに助けを求める人々は、 多くが金銭を求める人々ですが、 中にはほんのささやかな愛情だけを求めている人もいます。 ローズウォーターさんはその全てに応えようとします。...

*えり* 富と愛をひとびとに分け与えようとする、とある大富豪と、 彼を取り巻く人々の物語。 ローズウォーターさんに助けを求める人々は、 多くが金銭を求める人々ですが、 中にはほんのささやかな愛情だけを求めている人もいます。 ローズウォーターさんはその全てに応えようとします。 彼に何が起こってそのような行動をとるに至ったのか? また、彼の行動によって、周囲に何が起こったのか? 「無償の愛」は、限りない困難に満ちています。 果たしてそれは実現可能なのか?実現するには、一体何が必要なのか? 「人間を人間だから大切にする」ということは、シンプルですが気付きにくい事です。 笑いと悲しみと真実が散りばめられたお話でした。 読んでいて色々な所で悲しくて泣きました。 また読み返したい本です。

Posted byブクログ

2012/03/26

僕の書評を読む人は、僕のことを心配せずにはいられないでしょうねローズウォーターさん。「こんなに五つ星を連発する人間はきっと酒に溺れている人間だ」そんな風に考えるんでしょうよ!‥なんて、思わずローズウォーターさんに電話したくなりました。自分のように感化され易い人間にとって、アメリカ...

僕の書評を読む人は、僕のことを心配せずにはいられないでしょうねローズウォーターさん。「こんなに五つ星を連発する人間はきっと酒に溺れている人間だ」そんな風に考えるんでしょうよ!‥なんて、思わずローズウォーターさんに電話したくなりました。自分のように感化され易い人間にとって、アメリカ人的でタフな会話や皮肉はすごく危険ですが、大好物でもありますw。

Posted byブクログ