言葉使い師 の商品レビュー
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短編集。全六作品。表題作は、話すことも書くことも禁止された社会。意思疎通はテレパシーのみ。そこに言葉を操る男が現れ……。改めて言葉に宿る力を感じる。「スフィンクス・マシン」火星の“岩”との対話。「愛娘」宇宙空間での実験出産。「美食」極める先に潜む倫理上の禁忌。妻でなく料理人を雇えと言いたい。「イルカの森」太古のような未来へのタイムスリップ。「甘やかな月の錆」幸せからは程遠い不老不死の世界。
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SF。短編集。 どの作品も独特の世界観と不思議な読後感。 切れ味鋭いSFホラーの「愛娘」「美食」も好きだし、「イルカの森」の主人公が原始的なヒトへと退化していく様子も面白い。 今まで読んだなかでは、この著者の短編作品にハズレなし。
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第2作目の短編集ということで、6作全て初出が私が生まれる直前(の3年間)。むはぁ…。 どれもそれぞれ好きだけど…漠然とした不安をフィクションの中に提示されたようで、全体的にぞっとしていた気がする。だからこそ読まなきゃいられないのだけど! 今回は、表題作<言葉使い師>が群を抜いて好...
第2作目の短編集ということで、6作全て初出が私が生まれる直前(の3年間)。むはぁ…。 どれもそれぞれ好きだけど…漠然とした不安をフィクションの中に提示されたようで、全体的にぞっとしていた気がする。だからこそ読まなきゃいられないのだけど! 今回は、表題作<言葉使い師>が群を抜いて好きだけど、あと<愛娘>はSFベースの都市伝説っぽさが好み。 間を置いてまた再読したくなる本だ。
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スフィンクス・マシンが印象に残った。 言葉使い師はもう少し読み込んでみたい。 境界。 どこからどこまでが意識なのか、言葉なのか、機会なのか、人なのか。
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アシモフ/クラーク風の皮肉が利いたものから、ディック的な大仕掛け、そして真骨頂=言葉・自我をテーマにした作品まで、初期作品にしてその多彩さを十分アピールした一冊。特に表題作は30ページ弱にして、イメージと「言葉」が記憶に鮮やかに残る佳作。あと「イルカの森」や「甘やかな月の錆」のあ...
アシモフ/クラーク風の皮肉が利いたものから、ディック的な大仕掛け、そして真骨頂=言葉・自我をテーマにした作品まで、初期作品にしてその多彩さを十分アピールした一冊。特に表題作は30ページ弱にして、イメージと「言葉」が記憶に鮮やかに残る佳作。あと「イルカの森」や「甘やかな月の錆」のありそうな設定に見えてすこーしひねってるところに神林感(謎)を感じた(後者はタイトルも素晴らしい)。こういう作家の色みたいなものを知ってしまうと、その作家にだだハマりまではあと一歩である…。
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スフィンクス・マシンが好きです。絵を描くことが好きなのでなお一層です。 久しぶりに日本人作家のを読んで落ち着きました。 短くて読みやすくて好きです。
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神林長平、第二短編集。「スフィンクス・マシン」「愛娘」「美食」と、前半三篇はどれもじわじわと怖い話で、後味が悪いというか、読後もかなりダメージが残る。後半三篇も怖いと言えば怖いのだが、神林作品らしい“夢”のような雰囲気を持ったSFで、個人的にはこちらのタイプの作品の方が好み。特に...
神林長平、第二短編集。「スフィンクス・マシン」「愛娘」「美食」と、前半三篇はどれもじわじわと怖い話で、後味が悪いというか、読後もかなりダメージが残る。後半三篇も怖いと言えば怖いのだが、神林作品らしい“夢”のような雰囲気を持ったSFで、個人的にはこちらのタイプの作品の方が好み。特に、表題作「言葉使い師」は、二人称小説というスタイルの珍しさがまず印象的で、かつその二人称スタイルが腑に落ちるラストがとてもいい。 そして、どの作品でも非常に独特なSF的世界設定が敷かれているが、そのどれもが読んでいる内に違和感がなくなる自然な描かれ方で、いつものことながら凄いSF作家だなあと感じ入る。どの世界も、我々が生きる世界の未来の姿として十分にリアルで、実際にはこの世界はどの選択肢を選んで進んでいくのだろう?などと考えてしまったりも。
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「きみの心とはなんだ?そんなものはどこにもない。脳を走るパルス群の事か?」 心理療法医の勧めで荒涼たる火星を訪れた画家と、人間とコミュニケートできる岩に似た無機的生命体の接触を描く「スフィンクス・マシン」。 女は、女と男そして愛娘を生むことが出来る――。宇宙空間で妊娠した女性に...
「きみの心とはなんだ?そんなものはどこにもない。脳を走るパルス群の事か?」 心理療法医の勧めで荒涼たる火星を訪れた画家と、人間とコミュニケートできる岩に似た無機的生命体の接触を描く「スフィンクス・マシン」。 女は、女と男そして愛娘を生むことが出来る――。宇宙空間で妊娠した女性に発現する新しい生理機能とは何か…「愛娘」。 知性に支配された不死人都市で、「母親」に恋をしたために大人になれない自分を悔やむ少年が選んだ生き方とその結末…「甘やかな月の錆」。 すべての言語活動が禁止されている無言世界で、言葉を操る言葉使い師と出会ったために、否応無く裁判にかけられることになってしまった「きみ」の物語…表題作「言葉使い師」他2編。 言葉、知性、記憶、そして甦りの短編集。
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夢と現実が入り混じる物語の短編集。何が悪かったのか、どうすればよかったのか、無言の問いかけと突きつけられる現実の鋭さに愕然となります。 お勧めなのは表題作「言葉使い師」と、「イルカの森」、「甘やかな月の錆」ですね。
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絵が描けなくなった画家が火星の建造物と話しをする「スフィンクス・マシン」、ガリバー旅行記ばりにイルカが人間を飼う時代へ飛ばされる「イルカの森」、テレパシー主流の世界で禁じられた言葉を使う「言葉使い師」など5作品からなるSF短編集。言葉を使うことが禁止された世界、そんな世界も体験し...
絵が描けなくなった画家が火星の建造物と話しをする「スフィンクス・マシン」、ガリバー旅行記ばりにイルカが人間を飼う時代へ飛ばされる「イルカの森」、テレパシー主流の世界で禁じられた言葉を使う「言葉使い師」など5作品からなるSF短編集。言葉を使うことが禁止された世界、そんな世界も体験してみたいですね。
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