世界の歴史(16) の商品レビュー
ルネサンス イタリア中心に 人物と分けてあり良い 難易度 やや難 感動☆☆☆☆☆ 涙線☆☆☆☆☆ 興奮☆☆☆☆☆ 感心★★☆☆☆ 伏線☆☆☆☆☆
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描かれているのは等身大のルネサンスだ。限界もあるし、西欧だけがその成果を独占しているわけでもない。ましてや西欧だけがギリシア・ローマの古典の継承者であるということもない。また、歴史は単純でもない。オスマンの台頭、大西洋への道、それらのために直ちに地中海が、そしてイタリアが寂れたと...
描かれているのは等身大のルネサンスだ。限界もあるし、西欧だけがその成果を独占しているわけでもない。ましてや西欧だけがギリシア・ローマの古典の継承者であるということもない。また、歴史は単純でもない。オスマンの台頭、大西洋への道、それらのために直ちに地中海が、そしてイタリアが寂れたというわけではない。時代を代表する著名人たちの小さな伝記も単なる偉業の紹介ではない。人間臭い。本書には著者のルネサンスの実像を見極めようとする思い入れが感じられる。歴史学に根ざした冷静な情熱だ。
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地中海から大西洋をこえてインド洋や太平洋へー各国が繁栄と発展をもとめて世界の海をかけめぐり、光と影が複雑に交錯する。ルネサンスと大航海、ヨーロッパに燦然と輝いた時代を彩る多様な人物と華やかな歴史を活写する。
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2014.2.23 おもしろいが、難しい。 フィレンツェやヴェネチアについて調べるのによい。 大航海が始まったからと言って地中海が廃れたわけではない。
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著者ごとに癖がある「世界の歴史」16巻目。ルネサンスを文化的な側面だけでなく、地中海から概観し、前後の歴史(西欧のいわゆる「大航海時代」へも言及)も踏まえた比較的広い射程を持つ[p37「ルネサンスを、地中海世界という巨大な舞台でのドラマの一幕と考えよう」、p66-67]。そもそも...
著者ごとに癖がある「世界の歴史」16巻目。ルネサンスを文化的な側面だけでなく、地中海から概観し、前後の歴史(西欧のいわゆる「大航海時代」へも言及)も踏まえた比較的広い射程を持つ[p37「ルネサンスを、地中海世界という巨大な舞台でのドラマの一幕と考えよう」、p66-67]。そもそも「ルネサンス」ということばは、一旦はバロックの台頭などで忘れられた一時期を[p431「ながい忘却の淵にしずむ」「まるで古代の文明が中世の千年のあいだ埋もれていたように」]ミシュレやブルクハルトが近代に提案して再発掘し[p23など]、西欧的なある種の偏りがある概念、歴史の出来事の捉え方である。世界規模でみれば、それ以前に中国やイスラーム社会などではすでにあった技術(羅針盤など)に遅れて到達したとみることもできる[p450の宮崎市定など]。しかしそれでも、「ルネサンス」とよばれる一時期が重要で魅力的であることに変わりはない。地中海からみて、東はオスマン帝国のある程度の圧力(これは西欧の妄想かもしれない[p303 レパントの海戦の敗北はオスマン帝国には痛くも痒くもない→イスラーム勢力がトゥール・ポワティエで破れた感じと似ている。西欧地域は食も貧弱だし[p388]、内向的で陰気で根深い人種(文字記録を残すことなど)だし、そこまで魅力はないのかもしれない])と、局所的な地中海経済効果によって、富が集中し、パトロンが文化を培うゆとりが生まれた[p268「パトロンは、ルネサンスの華である」]夢のような短い一時期、ルネサンス。そして、地中海は稠密化し、飽和し、入り込む余地がなくなると、ポルトガルをかわきりに、西欧は西に向かって次の時代をいく。
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