食堂かたつむり の商品レビュー

小川糸【著】

2023/09/02

小川糸さんの初期の頃の作品。

展開が突飛だなと感じる部分はあったが、さすが食べ物の描写はこの頃から洗練されている。

一日一組、お客様に合わせて献立を考える。
自然に恵まれた土地の素材に倫子の料理に対する真剣さがのって、特別なご飯ができあがる。

とても穏やかで、だけど本当に大切なことも教えてくれるそんな一冊でした。

We eat many kinds of food to live.
It’s not just eating.
We receiving their lives.

2023/08/09

恋人が失踪してから声が出なくなってしまった。
憎む母がいる実家に帰ってきた。
声が出なくても、料理はできる。
だから、食堂かたつむりをオープンした。
一日一組。
予約して、お話しして人柄を知って、献立を考える。
ある時から、この食堂の料理は願いを叶えてくれるという噂が上がる。

母との距離が近づき始め、母の病気を知る。
母の過去を知り、初恋で思い続けた人と再開し、結婚した。
結婚式の料理を全て作った。買っていた豚で。
いなくなるのではない、形を変えてそこにいる。

半分ぐらいから一気に読み進めたくなった。
筆談であっても、相手のことを心底知ろうとする。
この本に何を感じたのかな。
なんか、事態をこじ開けようとしない？
一生懸命だけど、いつも通りに。
その中で、ヒントを得る。
気楽に、でも真剣に、心から。
なんかそんな感じ。

最後のフクロウ爺のネタバレ、母からの手紙心にずずときた。

2023/08/01

ご飯が出てくるお話が好きです。小さなご飯屋さんで、人々が癒される。それがご飯もの小説の定番。これもそう、と思って侮っていた。まず、食べものの描写が五感を刺激する。思わず、アマゾンで糠床ポチっちゃったよね。そして、最後。命をいただくとはどう言うことか。究極は、私たちは母の血肉を食べて生きているんだということ。命のお話でした。

2023/07/31

小川糸さんの小説を読むと、丁寧な暮らしをしたくなる。
自分は料理が好きじゃないから、なるべく簡単に出来るものばかり作ってしまうけど、こんなに誰かの事を思って丁寧に料理できるのは幸せなことかもしれない。

2023/06/21

心にしつこく残らない、あっさり読める本。
エルメスの由来があのエルメスじゃなかったところが好きでした。

2023/06/03

こんな食堂にゆっくりとのんびりと行って過ごしてみたいですね。季節の野菜や地元の食材を満遍なく使用した地域密着の食堂で、さらに世界の料理も食べれる。食事をおろそかにしてはダメですね。
最後の展開は感動しました。子供が嫌いな親なんていないですね。どんな事があってもどんな事を言っても最後は家族が大事で大好きですね。ほっこりしました。

2023/05/14

料理をして食べるということは命を頂くということ。

生き物を締めて解体するのは残酷に見えるけど料理して食べるためには必要なことなのよね。

だがアリババは許さない。絶対にだ

2023/03/26

料理に向き合う姿勢の真摯さと、食材への感謝の気持ちが伝わってくる物語だと思います。

料理を通しての人との関わりは時にほろ苦さを残しますが、概ね優しさに満ちていて、シンプルなメッセージが心に響きました。

生きていく上で欠かすことの出来ない食事に対して、もっと自覚を持たないといけないなと改めて実感します。

作中で描かれる数々の料理がとてもおいしそうで、是非一度食べてみたい、そんな気持ちになりました。

2023/03/17

読みやすかった。悪くはなかったけれど、物語の展開が突然すぎる印象。物語全体が浅く、深みがない。これは主人公や登場人物の心、気持ちの描写があまりなく、淡々と物語だけが流れていくからかも。あと、後半の残酷な描写は読むに耐えなく、その部分は読み飛ばした。

2023/02/23

ふだん目をそむけている「何か」を、つきつけられるようなお話でした。その意味で私にとっては、ホラーよりも読み難い（笑）