欲望について の商品レビュー
欲望についての分析と考察。 非常に良書。 欲望はあなたの内部で自然発生するもの。 それは生存と繁栄のため。 その言いなりになることは、人生を意味のあるものにしない。 以下メモ あなたの人生が地上の天国になるか,地獄になるか。 それをかなりの程度まで決定するのは、あなたの置かれ...
欲望についての分析と考察。 非常に良書。 欲望はあなたの内部で自然発生するもの。 それは生存と繁栄のため。 その言いなりになることは、人生を意味のあるものにしない。 以下メモ あなたの人生が地上の天国になるか,地獄になるか。 それをかなりの程度まで決定するのは、あなたの置かれた環境ではなく、あなた自身であり、そしてまた、あなたがどれだけ欲望を抑制しているかにかかっている。 人生最大の目標とすべきものが、名声や財産の追求であってはならない。 目標とすべきは満足を手に入れることである。 世俗的成功を手に入れても、その追求に向けて彼らを駆り立てた不満の感情は消えることがない。
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賢い人を幸福にするにはほとんど何も要らないが、愚か者を満足させるものは何もない。たいていの人が惨めなのはそのためである。 ラ・ロシュフコー の一文から始まるが、それに集約されているような本。 私たちは日々、自分の中から湧き上がるありとあらゆる欲望(食欲、物欲、富、名声、異性、称賛 etc)に突き動かされ、そして苦しんでいる。 それにもかかわらず、多くの人は欲望を満足することこそが幸福に繋がると信じて活動している。 が、しかしそれは本当に幸福をもたらすのか? という問いからスタートした本書。 中身はこんな内容 1. 欲望の潮の満ち引き 2. 他者 3. 欲望の水脈をたどる 4. 欲望の源泉 5. 欲望の心理学 6. 欲望の進化 7. BIOS(生物学的インセンティブ) 8. 人間の置かれた状況 9. 仏教、キリスト教、イスラム教 10. アーミッシュ、フッター、オナイダ 11. 哲学と欲望 12. 変わり者 というように、欲望の現状 ⇒ 欲望の原因。メカニズム ⇒ 欲望との良い向き合い方 というように系統立てて書かれており、理解しやすい。 特に我々日本人にとっては仏教国であるがゆえに煩悩という名で古くから付き合ってきた。 ただし、それは今のように懇切丁寧に系統立てて科学的に説明されているわけではないので、どうしてもわかりにくくなっている感じがする。 なので、仏教に興味がある人が読んでも理解の一助になるのではないか。 以下、良いと思った考えなど ・私たちが他者を求めるのは反応が欲しいためだ。私たちのほとんどは自信がない。 ・人間の真の幸福が宿るものとして、他者の頭はあまりにも惨めな舞台である。 ・我々は人に幸福だと思わせるためには、実際に幸福になるためよりも、はるかに労をいとわない。 ・私たちが羨望の虜になるのは、たんに他人の生活よりも自分の生活の方が良く知っているからだ。 ・日々の生活にたえず欲求不満を抱く人の多くは知的能力を欠いているか、知性があるものの使っていないか。 ・手に入れたとたん好きでなくなるようなものを欲しがることがある。 ・今持っているモノに満足しなくなれば、また新しい欲望を形成する。 ・生きようとする「生物的」意志が砕かれたとき、人間は生きることを「証明」しようと知性がどれだけ努力しても効果がない。 ・BISは生物の生存・繁殖に有利な事は「快」、不利な事に「不快」を示すプログラムだ。それは生きることに有利であってもそれは個人が幸福かどうかは意に介さない。 ・欲望は道徳的に悪いからでなく、克服しない限り私たちが苦しむ。 ・成功と満足は違う。というよりかなりの程度まで相容れない。 ・自分の欲望に何らかの歯止めをかけない限り、満足することはない。 ・セックスに関わる快楽は、ドラッグ同様にこちら側に相当の犠牲を要求する。特に異性を性的に判断するなど ・人間に最も強烈な楽しみを与えるのは、そんなものからでも楽しみを見出せる力である。 ・楽しみの奴隷にならないやり方で楽しめ ・受け入れた時はじめて、人は受け入れたものの真価を認めることができる ・欲望を達成したら何が私に起きるだろう?達成しなかったら?多くの場合、全く変わらない。 ・隣人から尊敬されたいという欲望は、自分から見て尊敬すべき存在でいたいという欲望よりも強い ・この人の人生が価値あるものなら、生きることに熱中して、私を批判する時間などあるはずがない。 極論、 唯我足るを知る ということです。
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欲望についての形式化、客観視ができるようになる。他者からの承認や、優越感を得たいという欲求など、どのようなかたちの 欲求があるか理解することで、自らがどのように振舞うのかということを自分で考えることができるようになる。 ただ欲望の生まれる理由についてもっと根源的な議論が欲しかった...
欲望についての形式化、客観視ができるようになる。他者からの承認や、優越感を得たいという欲求など、どのようなかたちの 欲求があるか理解することで、自らがどのように振舞うのかということを自分で考えることができるようになる。 ただ欲望の生まれる理由についてもっと根源的な議論が欲しかった。
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心理学の入門書としては、かなりおすすめ。平易で分かりやすいうえに、深い学習にも繋げていける。 「欲望」について、歴史・文化・宗教・哲学など、幅広い視点から解説されているが、なによりも「欲望」の根本的なメカニズムについて、理解することが財産だ。
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欲望にかられて失敗することがあり、欲望をコントロールする手法を知りたく本書を読んだ。結論としてはやはり特効薬は無いが、本書を読み、欲望の性質を知ることと先人の智慧を知ったことで、これからをより良く生きるための参考になった。 欲望には限りがないということは、漠然と知ったような気にな...
欲望にかられて失敗することがあり、欲望をコントロールする手法を知りたく本書を読んだ。結論としてはやはり特効薬は無いが、本書を読み、欲望の性質を知ることと先人の智慧を知ったことで、これからをより良く生きるための参考になった。 欲望には限りがないということは、漠然と知ったような気になっていたが、「ミスウォンティング」「適応・順応」という言葉、説明を読んでより改めて意識的に捉えることが出来た。人間はある欲望を満たしてもそれに順応すると満足できなくなってしまう。結果欲望の奴隷となり欲望のために生きることになりかねない。 欲望を制御する考え方としては、喜びの感情を尊重する哲ストア派の哲学が一番しっくりきた。エピクテトスの言葉「人が自分に向ける時間とエネルギーを、コントロールのできる人生の諸相に向けるならば、今よりもはるかに幸せになるだろう」は心に刻んでおきたい。
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おもしろい。モラリスト的エッセイ。名声欲など各種の欲望とそこから生まれる苦を回避する方法。 ストア派やシノペのディオゲネスについて新しい知見を得た。心理学や進化論にも言及。哲学読み物はこういう形が正しい。 原書はもってたんだからもっと早く読んでおくべきだった。
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