ロボットとあおいことり の商品レビュー

デイヴィッド・ルーカス(著者),中川千尋(訳者)

2024/08/15

心臓が壊れてしまったロボットと南の国へ向かう青い小鳥の話。
絵もストーリーも本当に美しい絵本。

【ママ評価】★★★★★
『天空の城ラピュタ』のロボット兵を思い出すようなロボットと鳥の組み合わせ。
優しいロボットに心がジーンとする。
命や他の誰かのために動く優しさというような重く堅いテーマを、重すぎず柔らかく、でも心にしっかりと残るように描かれている。
切ないけれど美しく前向きになれるようなストーリー展開だった。
絵がとにかく素敵で、背景や文を囲む枠といった隅々まで美しい。
ロボットのデザインはシンプルだけど特徴的に感じる絵の画風が素晴らしい。
1ページ1ページ、1文1文、大切に読みたくなる絵本。

【息子評価】★★★★★
ストーリーが派手ではないので息子にはつまらないかと思ったら、意外にも後ほど再び読みたがった。
翌日もその翌日も読んでいる。
内容が悲しいというか、しっとりとしたストーリーなので意外。
登場人物が少なく、展開もシンプルなところが良いのかもしれない。
母が落ち着いた口調で語るのも良いのかもしれない。
息子に何かが響いたのが嬉しい。
2歳10ヶ月

2024/08/11

もう表紙だけで傑作の予感。そして、その予感どおり、優しいお話でした。
登場時のロボットの色が、表紙のロボットの色と違うのはそういうことだったのね。
献辞の葉子さんて誰なのかな？

2024/08/03

ちょっと切ないけど、美しいお話。ロボットが青い小鳥を胸の中に入れてあげて心をはずませる場面に心がじーんと温まった。

「ぼくの　まえの　しんぞうは、チクタク　なるだけだった。でも　いま、ぼくの　しんぞうは　うたを　うたっている」

ゴミ捨て場に捨てられ、孤独だったロボットの心に灯がともる瞬間。ロボットと小鳥が心を通わせる様子に温もりを感じる絵本だった。

つむぐは、静かに、でもじっと絵を見つめながら聞いていた。

2013/07/18

主人公は心臓が壊れて廃棄されたロボット。
からっぽの胸の中に凍えた小鳥が入ってきて、暖かさを感じる。
この寒い冬を小鳥は越せないから、小鳥を胸に入れて暖かい場所を目指して移動する。
なんかブリキの樵かロボット兵みたいだな。

小鳥とロボットの関係が半端で好きじゃない。
話せるのに交流が薄い。なのに命がけの行為だけは重い。

どうせ動くなら自分のために動いてほしい。
小鳥が擬人化されてない小鳥で、会話もできないけれどロボットが勝手に動くとか、
幸福な王子みたいに（あれは逆だけど）頼まれて動くとか、
どうせ廃棄されるゴミだから最後にひとはな咲かせようとか、
誰の意志で誰のためってのがハッキリしてるのが私は好きだ。

一見ダンデライオン系だけど、「通じないけど通じてる」じゃなくて「通じてるけど通じてない」に見えてしまう。

2010/06/25

感傷的。
だれかのためにがんばるっていうのはとても素晴らしいことなんだということを教えてくれる。
しあわせって、なんだろう、って思った。
読み聞かせがとてもしやすい本。
娘のためにはじめて買ったストーリー絵本がこの本でよかったと思っています。
あんまりたくさん読んであげたので、娘は結構諳んじてます。