繁殖 の商品レビュー
本当にそんなやり方でよかったのか、そんな解決法しかなかったのか疑問が残る。桧垣が真実を打ち明けてから、責任感が強い聡美がいきなり「女」になったことにも違和感が残ったし、聡美と桧山の途中からの行動についていけませんでした。全て正直に警察に話すことが何よりの解決だとは思わないし、組み...
本当にそんなやり方でよかったのか、そんな解決法しかなかったのか疑問が残る。桧垣が真実を打ち明けてから、責任感が強い聡美がいきなり「女」になったことにも違和感が残ったし、聡美と桧山の途中からの行動についていけませんでした。全て正直に警察に話すことが何よりの解決だとは思わないし、組み替え遺伝子植物利用の研究が提帯するようになったら後味悪いけど・・。聡美が主人公でもあり、桧垣が主人公でもあり、町田医師が主人公でもある話。町田医師視点で読むと、いいかんじに話は終わったかんじもするけれど・・まぁ、人生カッコイイことばかりじゃないし、リアリティがあるということかも。
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途中までは、ぐいぐい引きつけていく畳み掛け方は相変わらずうまいな〜と思う。しかしながら、事件の解決(と言っていいのか、あれ)のやり方が強引というか、そんなに上手くいくものだろうかと思う。いくらなんでもずさんな処理の仕方だろうし、バレるだろ、普通に。そしたら隠匿しようとしたことで...
途中までは、ぐいぐい引きつけていく畳み掛け方は相変わらずうまいな〜と思う。しかしながら、事件の解決(と言っていいのか、あれ)のやり方が強引というか、そんなに上手くいくものだろうかと思う。いくらなんでもずさんな処理の仕方だろうし、バレるだろ、普通に。そしたら隠匿しようとしたことで却って重い罪に問われそうなものだしなぁ。量刑とかは詳しくないから置いておくとしても、結局「きちんと裁かれ、社会的な影響(風評被害、遺伝子組み換え植物利用の停滞/後退)にも責任を果たす」よりも気持ちの切り替えはつかないだろうし、逆にずっと罪の意識を引きずらなければならない辺りが、むしろ救われてないラストだったかな。 その読後感の悪さを緩和するためなのかどうかは解らないけど、最後は「町田医師の物語として見れば救いのあるいい話」で締めてあって、それがまたズレ感を助長してる感じ。町田医師も確かに第二の主人公と言っても良い立ち居地だったかとは思うけど、主人公カップル(名前忘れた)をそれぞれ勘定すると、むしろ第三の主人公ってところ。それで締められてもなぁ。 扱ってる題材は興味深いだけに、言いたいことを羅列しました、感が、小説っぽさより前面に出てきててちょっと残念。
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北関東の農村風景が残る幼稚園に桧垣学は、訪れていた。恋人の原島聡美がこの幼稚園の先生をしてた。今日は、夏の暑い日。園児達は、父兄と一緒に農業研修に出掛けてた。桧垣は、聡美のために手伝いにきてた。おにぎりと鴨鍋のお昼御飯。無事に終ったと思われたが、その日の夜相次いで病院に駆け込む園...
北関東の農村風景が残る幼稚園に桧垣学は、訪れていた。恋人の原島聡美がこの幼稚園の先生をしてた。今日は、夏の暑い日。園児達は、父兄と一緒に農業研修に出掛けてた。桧垣は、聡美のために手伝いにきてた。おにぎりと鴨鍋のお昼御飯。無事に終ったと思われたが、その日の夜相次いで病院に駆け込む園児たちが・・・。 園児達の症状をみて、おにぎりの杜撰な管理から出た単純な食中毒だと思われた。だが、大人に一人も症状が出ないのは、おかしい・・。病院の医師の町田信夫は、慎重に原因を調べる。吐しゃ物を調べるとカドミウムが検出された。公害病の「イタイイタイ病」の原因となった物だった。 安易な発表が農家の風評被害に繋がる事を恐れて、病院・保健所・警察 は、慎重に捜査を開始した。毒を盛ったのは、誰か?毒は、どこから来たのか?真相は・・・。 第一回小学館文庫小説賞を受賞した仙川環の作品です。医療ジャーナリストによる医療ミステリーの第三弾です。医療ミステリーは、海堂尊「チームバチスタの栄光」が真っ先に浮かぶ人が多いかな?個人的には、こちらのミステリーの方が好きです。面白いと思うので、仙川環の本を読んで見てくださいね
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「感染」「転生」に続く医療ミステリー。 気になる作家さんの一人です。 今回は医学界ではなく、幼稚園で起きた食中毒から 事件に発展していくという展開。 環境の事を考えて、良かれと思ってやったことが とんでも無いことに・・・ 食中毒の問題はもちろん、環境の問題も考え...
「感染」「転生」に続く医療ミステリー。 気になる作家さんの一人です。 今回は医学界ではなく、幼稚園で起きた食中毒から 事件に発展していくという展開。 環境の事を考えて、良かれと思ってやったことが とんでも無いことに・・・ 食中毒の問題はもちろん、環境の問題も考えさせられる内容です。
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幼稚園の鍋パーティでカドミウムが検出される。 原因は鴨肉。 遺伝子組み換えのアゾラ(草)を餌にしていたため。 桧相が勝手に実験室から持ち出したものだった。 アゾラのすごい繁殖力が怖い。
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最近、注目している女性作家の一人。 夏のある日、幼稚園で食中毒事件が起きた。そして物語は日めくりで、様々な展開を見せていく。 食の安全が大問題となった2007年。 今年の世相を表す漢字も「偽」という字が選ばれたらしい。 (その他の候補も「食」「嘘」「疑」というような関...
最近、注目している女性作家の一人。 夏のある日、幼稚園で食中毒事件が起きた。そして物語は日めくりで、様々な展開を見せていく。 食の安全が大問題となった2007年。 今年の世相を表す漢字も「偽」という字が選ばれたらしい。 (その他の候補も「食」「嘘」「疑」というような関連する字だったそうだ) 不二家、赤福、マクドナルド、ミートホープ、比内地鶏、船場吉兆・・ もちろん食品の問題だけでないとしても、口に入るものだけに安心できなければ売る資格はない。 しかし、大人ならまだしも、子どもたちが食べるものは、細心の注意を払う必要がある。 そして誰が犯人かわからない食中毒事件。誰もが疑心暗鬼に囚われるはずだ。 この小説の「繁殖」というタイトルは、食中毒の原因が判明してしまうと「ああそういう繁殖って意味か」と 納得してしまうが、実は他の意味もあるのかもしれない。 犯人探しで人を恨んだり妬んだりする気持ちの繁殖・・何ともいえぬ嫌な気分だけど。
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