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絵描きの植田さん の商品レビュー

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50件のお客様レビュー

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2011/10/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ねえ、みんな!いままで知っていた?考えたことがあった? ほとんど自慢げに胸をそらせ、輝くような声でメリはいった。 私たち、こんなすばらしい世界に住んでるのよ いしいさんらしく、とてもほのぼのとした話でした。うん、ベージュのカーテン(笑)でも今回は季節が冬だし、雪の話が多いので、光を透かした白いカーテンかも。 火事で恋人(かは断言されてないけど、とにかく大切な女性)が死に、難聴になってしまった植田さんは今の町に引っ越してきて、友達もでき、穏やかな毎日を過ごしています。その町へ、いろいろ事情を抱えた母娘が引っ越してくるんです。その娘、メリはとても明るく、人懐っこい子で、植田さんとも、町の人とも仲良くなります。 ある日、植田さんは山へ写生に行って、雪崩に遭ってしまいます。それを知って山へ入ったメリは遭難して、先に見つかったのは植田さんでした。 メリもしばらくして見つかって、病院へ運ばれ死の淵に立ちます。それを救ったのが、植田さんの描いた絵。動物だとか、植物だとか、いろんなものが描かれたとてもとても綺麗な絵たち。そうして目が覚めたメリは、上に描かれた科白を出すんです。 白い白い、優しい世界がこの本では広がっています。雪を綺麗だとか、優しい感じがするとか言えるのは雪国に住んでいない人だけだ、とよく言いますが、この本の中では雪崩さえもそれほどの恐怖を帯びたものとして描かれてはいません。冬は雪で閉鎖される、そんな環境だからこその親密な人間関係が描かれています。さすがいしいさん。 そんでまた絵がとても綺麗なんです。閑散としていてもの悲しい雰囲気を持っているようにも見えるけど、やっぱり優しい・・っていうより柔らかい。絵を描かれた植田真さんは、他にも湯本香樹実さんの「私のおじさん」とかでも描かれてるらしいですよ。有名な人なのかな。

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2011/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いしいしんじさんのお話は三作め。トリツカレ男で度肝を抜かれ、麦ふみクーツェで眠い目をこすり、この植田さんでほっと一息。なんというか、害のないお話。何かを激しく求められることもなく、それゆえ心を乱されることもなく、たんたんと、土曜日のお昼過ぎに心地よい読書タイムを過ごせました。どうもありがとう。

Posted byブクログ

2011/06/29

雪と絵。 寒く凍てついた世界が 何故だかカラフルにあたたかい。 ひらがなの美しさ。 そんな事を感じた小説。 ささやかな絵。 とても繊細で、でも心にぐっと来る。 ああ、 こんな世界を見たかったんだ。 納得させられた本でした。

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2011/06/11

いしいしんじさんの作品の中で一番好きだ。 文章なのに、いろんな場面ごとの情景が浮かんでくる。 静かで綺麗で温かい物語。 読み終わった時に、少し涙が出た。 植田さんの絵もとても好きだった。

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2011/04/02

メルヘン度が強い どちらかと言えばトリツカレ男風なお話。 素敵な絵が小説の随所に 散りばめられていて ほっと心が和む。 私的にはいしいしんじさん独特の毒が もっと欲しかったように思う。

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2011/03/05

さすがポプラ社という具合の、かわいく、かつ、毒もあるお話。 本書の耳が聞こえない『植田さん』は架空の人物なんだけど、イラストレータの植田真が『植田さん』として描いた絵の一枚一枚に感動する。 タイミングもすばらしい。 前半すこし眠たいけど、後半すこし泣ける。 宝物を思い...

さすがポプラ社という具合の、かわいく、かつ、毒もあるお話。 本書の耳が聞こえない『植田さん』は架空の人物なんだけど、イラストレータの植田真が『植田さん』として描いた絵の一枚一枚に感動する。 タイミングもすばらしい。 前半すこし眠たいけど、後半すこし泣ける。 宝物を思い出したい大人は読みましょう。

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2011/02/22

あたたか。 それでいて、氷みたいに透き通っている。はっとする。 大切に、大切に、読みたい本。 季節は冬がいいな。 絵も、ほんとうにすてきなんです。

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2011/01/02

氷のように、透き通った雑味のないお話。 人の強さ、温かさがきわだつ。 シンプルな話で、読んでいて心地いい。

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2019/01/16

ストーブ事故で耳がほとんど聞こえなくなってしまった植田さんは 高原の一軒家に引っ越すことにした。 高原生活に慣れた頃隣の山荘に「向こう側」から若い母子がやってきた。 父親の横領騒ぎから逃げてきた林メリは 植田さんの絵を見たりスケートを教えたりして過ごす。 ある日雪の山にスケッチに...

ストーブ事故で耳がほとんど聞こえなくなってしまった植田さんは 高原の一軒家に引っ越すことにした。 高原生活に慣れた頃隣の山荘に「向こう側」から若い母子がやってきた。 父親の横領騒ぎから逃げてきた林メリは 植田さんの絵を見たりスケートを教えたりして過ごす。 ある日雪の山にスケッチに出かけた植田さんは雪崩にあうが リュックが木に引っかかったため埋まらずに済んだ。 しかしメリが植田さんを追って山に入ったまま戻ってこない。 カバー題字・装丁:植田真 雪に閉ざされた高原の自然と朴訥とした人々は いしいしんじのモチーフとしてふさわしいと思う。 シンプルだけど温かみのある絵もよく合っている。 童話の世界みたいでほっとできる作品。

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2010/11/04

絵が素敵だなぁ。 シンプルだけどリズムを感じる絵。 色合いがとっても素敵。 この人の本、「トリツカレ男」を読んだことがあるけれど、 言いたいことがシンプルなんだよね。 この言葉が言いたかったんだなぁと。 「この世界はなんて美しいんでしょう。」 その通りで。 ...

絵が素敵だなぁ。 シンプルだけどリズムを感じる絵。 色合いがとっても素敵。 この人の本、「トリツカレ男」を読んだことがあるけれど、 言いたいことがシンプルなんだよね。 この言葉が言いたかったんだなぁと。 「この世界はなんて美しいんでしょう。」 その通りで。 日々取り巻く人間関係の狭苦しさや、 到底かなうはずもない自然の脅威。 自分はなんてちっぽけなんだろうってことを 差し引いてなお有り余る美しさ、生の喜び。 それをはじめて実感として出会った感激。 素直に感動できるって言うかね。 いしいしんじさんの目線で 世界を見てみたい。 まだ2つしか読んだことないけれど 心が洗われる感覚。

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