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の商品レビュー

3.6

85件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2012/12/30

―――人間たちは、テングとブタに二分されている。 鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。 外科医の「私」は、テングたちを救うべく、違法とされるブタへの転換手術を決意する。 一方、自己臭症に悩む刑事の「俺」は、二人の少女の行方不明事件を捜査している。 そのさ...

―――人間たちは、テングとブタに二分されている。 鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。 外科医の「私」は、テングたちを救うべく、違法とされるブタへの転換手術を決意する。 一方、自己臭症に悩む刑事の「俺」は、二人の少女の行方不明事件を捜査している。 そのさなか、因縁の男と再会することになるが…。 日本ホラー小説大賞短編賞受賞作「鼻」を含む曽根圭介の短編集 一回読んだだけで凄いと分かるけど、解説+再読で更に衝撃を受ける ・暴落 「もしも個々人の株が市場で取引されていたら」というアイデアから論理を詰めていった作品 制度としてはともかく、感情の上では現実も似たようなもんやな ・受難 『暴落』とは対照的に、普通っぽい狂った人間による不条理なホラー ・鼻 なんといってもこれ。構成が緻密な上に鮮やか、しかもダーク これ以上は何を言ってもネタバレになる気がするので オススメ!

Posted byブクログ

2012/11/29

3篇が収録されているが全部後味悪い・・・けどどういう展開になるのだろう?とワクワクページを繰ってしまった。 「暴落」が一番良かったけど、世にも奇妙な~にありそうだなと思ったら同じような話があるようで。「株式男」のストーリーを見ると確かに似てる。 「受難」は不条理で始まり、不条...

3篇が収録されているが全部後味悪い・・・けどどういう展開になるのだろう?とワクワクページを繰ってしまった。 「暴落」が一番良かったけど、世にも奇妙な~にありそうだなと思ったら同じような話があるようで。「株式男」のストーリーを見ると確かに似てる。 「受難」は不条理で始まり、不条理で終わった。イマイチ。 救いがなくても構わないけど、某映画を彷彿とさせるシチュエーションのせいか、ラストの衝撃を期待してしまったのかも。 「鼻」は賞を受賞しただけあって水準は高かった。二つの視点がクロスする瞬間はたまらない。叙述トリックものが好きならお勧め。

Posted byブクログ

2012/11/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

全ての国民が株式を持つ「暴落」、手錠で片手を繋がれビルの片隅に放置された男の話「受難」、二人の全く違った視点から描かれるホラー「鼻」。どれもピリピリ来て、読み終わったあとゾッとするような話ばかり。面白かった。

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2012/10/24

下記3編からなる短篇集。 ①『暴落』・・・☆☆☆ この作者ならわりと凡庸だ。だが物語設定とイメージの連鎖で決して退屈ではない。 ②『受難』・・・☆☆☆☆ シチュエーションホラー的要素満載。この作者ならではの脱力感がオリジナリティを引出している秀作。 ③『鼻』・・・☆☆☆☆☆ ...

下記3編からなる短篇集。 ①『暴落』・・・☆☆☆ この作者ならわりと凡庸だ。だが物語設定とイメージの連鎖で決して退屈ではない。 ②『受難』・・・☆☆☆☆ シチュエーションホラー的要素満載。この作者ならではの脱力感がオリジナリティを引出している秀作。 ③『鼻』・・・☆☆☆☆☆ この作品集の中では最も引き締まった印象。近未来的世界観もスンナリと頭に入る秀作で、物語自体を存分に楽しめる。それ故ラストへ向かう展開がむしろ安っぽく感じられた。 この3編共通してるのが、「後味の悪さ」です。もしかしたら、好みを分ける作家さんかもしれませんね。

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2012/04/16

3篇のホラー小説が収録されています。 短編なので、サクサク読み進めることができました。 「暴落」 人の価値を株価で表した世界の話。アイデアが非常に良い! 何故彼は、病院にいるのか?何故、イン・タムという名前なのか? 結末はとても悲しく感じる。 「受難」 3次会の帰り、酔っ払っ...

3篇のホラー小説が収録されています。 短編なので、サクサク読み進めることができました。 「暴落」 人の価値を株価で表した世界の話。アイデアが非常に良い! 何故彼は、病院にいるのか?何故、イン・タムという名前なのか? 結末はとても悲しく感じる。 「受難」 3次会の帰り、酔っ払っていた主人公は、気づくと拘束されていた。 内容はタイトル通り。主人公は、なんて憐れなんだろう・・・。 「鼻」 医師と警察、2人の男の視点で話が進む。 ネタバレしちゃうとアレなので、とにかく、両視点を注意深く読むようにしてください。徐々に「アレ・・・?」という感覚が面白い。 3篇とも共通しているのは、やっぱり生きている人間が一番怖いってことかな? 怨霊とか、呪いも無いし、描写がグロくて怖いってことでもない。

Posted byブクログ

2013/08/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どの作品も楽しく読めた。 「暴落」の設定は面白いのでもっと長く読みたかった。ラストは少し物足りなかったし。 「鼻」は読み終わった後なんだかモヤモヤしていたが、ブックカバーを外したときそのモヤモヤの理由がわかった。 表紙の絵がミスリードになっているのですね。

Posted byブクログ

2012/03/07

『ホラー』という言葉を聞き読むのを躊躇っていました。 読むと中々面白く この作品を読んだ以降 ホラーにはまっています。

Posted byブクログ

2012/02/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第14回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。この作者、「沈底魚」で第53回の乱歩賞も受賞している。鼻もよかったけど、正直、同時収録されていた暴落と受難のほうが面白いと思った。

Posted byブクログ

2011/12/29

書き下ろしの「暴落」、「受難」と2007年にホラー小説大賞短編賞を受賞した「鼻」を含む短編集。 3つとも短編ながら読み応えがある。 「鼻」は明朝とゴシックで並列に進む物語がどこでシンクロするのかが分からず、不快感を感じながら読み進めるが、その分、最後に一つになったときの快感がある...

書き下ろしの「暴落」、「受難」と2007年にホラー小説大賞短編賞を受賞した「鼻」を含む短編集。 3つとも短編ながら読み応えがある。 「鼻」は明朝とゴシックで並列に進む物語がどこでシンクロするのかが分からず、不快感を感じながら読み進めるが、その分、最後に一つになったときの快感がある。 自分の体験から書いているわけではないので、ノンフィクションのように迫力がある訳ではないが、著者の脳みそからひねり出された世界が面白い。 著者はこれを計算し抜いて書いている。

Posted byブクログ

2011/11/26

「鼻」曽根圭介 ミステリホラー短編集。モノトーン。 表題作は第14回日本ホラー小説大賞短編賞受賞。 「暴落」「受難」「鼻」の3編。 一応ジャンルとしてはホラー、だと思いますが、身の毛のよだつような恐怖小説ではなく、 ミステリとかサスペンスの要素も強いかっちりした小説。 押しも押...

「鼻」曽根圭介 ミステリホラー短編集。モノトーン。 表題作は第14回日本ホラー小説大賞短編賞受賞。 「暴落」「受難」「鼻」の3編。 一応ジャンルとしてはホラー、だと思いますが、身の毛のよだつような恐怖小説ではなく、 ミステリとかサスペンスの要素も強いかっちりした小説。 押しも押されぬ正統派の娯楽小説って印象。良い。 『鼻』のトリックというか、種明かしは解説を読んで初めて解りました。 これもまさにいわゆる叙述トリック!だと思いますね。文体が巧いんだもん。 ホラー小説大賞って狭き門のようで、よっぽど直木賞とか乱歩賞、本屋大賞より受賞作に対してのワクワクが大きいかもしれない。 『枕底魚』も読みたいと思います。(4)

Posted byブクログ