消されかけた男 の商品レビュー
チャーリー・マフィン…
チャーリー・マフィンシリーズの一作目。チャーリー・マフィンなんていうファニーな名前なのに、主人公の容姿は、やつれた中年男であり、しかもそうでありながらスパイである、という、ジェームズ・ボンドへのカウンターパンチ。日本では、そこそこオシャレなイメージのハッシュ・パピーが、イギリスで...
チャーリー・マフィンシリーズの一作目。チャーリー・マフィンなんていうファニーな名前なのに、主人公の容姿は、やつれた中年男であり、しかもそうでありながらスパイである、という、ジェームズ・ボンドへのカウンターパンチ。日本では、そこそこオシャレなイメージのハッシュ・パピーが、イギリスでは、誰もが履いてる大衆靴だ、というのを、この小説で初めて知った。
文庫OFF
久し振りのスパイ小説。ぐいぐいとストーリーに引き込まれる感覚も久し振りでした。 ラストの結末は、予想出来ない筋書きでしたが、KGBの将軍の亡命話にイギリスとアメリカの諜報機関の長が揃ってのめり込む筋書きは、少し荒唐無稽さを感じましたが、後書きの解説にも触れられている様にスパイの暗...
久し振りのスパイ小説。ぐいぐいとストーリーに引き込まれる感覚も久し振りでした。 ラストの結末は、予想出来ない筋書きでしたが、KGBの将軍の亡命話にイギリスとアメリカの諜報機関の長が揃ってのめり込む筋書きは、少し荒唐無稽さを感じましたが、後書きの解説にも触れられている様にスパイの暗躍する世界にしがない中間管理職が組織に一矢報いる話しは新鮮でした。 他の著作も手に取ろうと思います。
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イギリスの作家「ブライアン・フリーマントル」のスパイ小説『消されかけた男(原題:Charlie Muffin)』を読みました。 イギリスの作家の作品が続いていますね。 -----story------------- どこから見ても風采の上らない英国情報部の「チャーリー・マフィン...
イギリスの作家「ブライアン・フリーマントル」のスパイ小説『消されかけた男(原題:Charlie Muffin)』を読みました。 イギリスの作家の作品が続いていますね。 -----story------------- どこから見ても風采の上らない英国情報部の「チャーリー・マフィン」は、KGBヨーロッパ・スパイ網の責任者「ベレンコフ」を逮捕した腕ききだが、部長が交替してからは冴えない立場に追いやられている。 折しも、「ベレンコフ」の親友「カレーニン将軍」が西側に亡命を望んでいるとの情報が入った。 「チャーリー」はどこか臭いところがあると警告したのだが……。 ニュータイプのエスピオナージュ。 ----------------------- 1977年(昭和52年)に発表された、冴えない風貌でいながら頭脳明晰な英国情報部員である「チャーリー・マフィン」シリーズの記念すべき第1作です。 冷戦時代の敏腕スパイ、英国情報部の「チャーリー・マフィン」も、今は40過ぎの中年… もともと現場主義でスマートさを欠き、名門校出身でない「チャーリー」は新任の部長「ヘンリー・カスバートスン」から疎まれ、組織内の厄介者扱いされていた、、、 そんなとき、以前「チャーリー」が逮捕したKGBの大物スパイ「アレクセイ・ベレンコフ」の盟友「ワレーリ・カレーニン将軍」が亡命を望んでいるという情報が入る… しかし、この話に臭いところがあると感じた「チャーリー」は、慎重な対応を警告する……。 見た目はさえない中年オヤジだけど、実は凄腕のスパイ… という設定が、なかなか良い感じですね、、、 騙し合いの連続のスパイの世界… 亡命が大きな罠で、そんな中、「チャーリー」は任務を全うできるのか!? まさか、まさかの想定外の結末でしたねー 期待し過ぎていたのか、トータル的にはまずまずの印象でした。 以下、主な登場人物です。 「チャーリー・マフィン」 英国地情報部員 「イーディス」 チャーリーの妻 「ヘンリー・カスバートスン」 英国情報部の新任部長 「ジョージ・ウィルバーフォース」 英国情報部の新任次長 「ブライアン・スネア」 チャーリーの同僚 「ダグラス・ハリスン」 チャーリーの同僚 「アレクセイ・ベレンコフ」 ソ連KGB幹部。スパイ組織の責任者 「ワレーリ・カレーニン」 ソ連KGB幹部。ベレンコフの親友 「ガースン・ラトガーズ」 アメリカ合衆国CIA長官 「ウィラード・キーズ」 アメリカ合衆国国務長官 「ウィリアム・ブレイリー」 モスクワ駐在のCIA職員 「ジェームズ・コックス」 ブレイリーの後任者 「アーチボルト・ウィロビー」 英国情報部の前部長 「ジャネット」 チャーリーの愛人
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原書が刊行されたのが'77年、訳出されたのが'79年。25年も前の作品である。 確かに携帯電話とかインターネットとか無い時代で、ローテクであるのは致し方ないが、この頃の小説はひたすらキャラクターとプロットの妙味で読ませている。つまり作家としての物語を作る技量が...
原書が刊行されたのが'77年、訳出されたのが'79年。25年も前の作品である。 確かに携帯電話とかインターネットとか無い時代で、ローテクであるのは致し方ないが、この頃の小説はひたすらキャラクターとプロットの妙味で読ませている。つまり作家としての物語を作る技量が高く、本書が放つ輝きはいささかも衰えているとは思えない。それがゆえに2002年に32刷を数えるほど未だに生きながらえているのだろう。 これはチャーリー・マフィンシリーズの第1作である。 この第1作を読んで、これがシリーズ物になるのかと正直驚いた。それほどびっくりする結末である。この結末を読むとチャーリーが色んな人と交わす会話、地の文に現れる独白が別の意味を持ってくるから面白い。この結末を前提にもう一度読み返すのも一興だろう。 そして興味深いのはニュースで報じられる政治ニュースの裏側を垣間見せてくれる事。特に各国首脳の訪問にはかなりパワー・バランスが作用しているのだという事を教えてくれた。 本書ではCIAがカレーニン亡命劇に一役買うことが出来なくなりそうになると大統領の各国訪問から英国を外すように働きかけ、情報部へ圧力をかける件はなるほど、こういう駆け引きが裏に隠されているのかと感心した。 私がこの本に手を出すまでに想像していたシリーズの展開は本書の結末によって、もろくも崩れ去り、次回からどのような展開になるのかが全く想像つかなくなった。非常に次作が楽しみだ。
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ジョン・ル・カレの系譜の英国情報部もの。組織の人間関係、主人公の泥臭いキャラクター、アメリカとソ連が絡み合って非常に面白い。
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詳細は、あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート をご覧ください。 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1590.html 雑誌のブックレビューをみて読んだのが、フリーマントルの本を読み始めたきっかけ。 チャーリーシリーズの第一...
詳細は、あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート をご覧ください。 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1590.html 雑誌のブックレビューをみて読んだのが、フリーマントルの本を読み始めたきっかけ。 チャーリーシリーズの第一作に 最初に出会えてよかった。 渋くてかっこいいスパイ? というより渋くて複雑な内容にすっかり夢中です。 "どこから見ても風采の上がらない英国情報部のチャーリー・マフィンは、KGBヨーロッパ・スパイ網の責任者ベレンコフを逮捕したこともある腕ききだが、部長が交替してからは冴えない立場に追いやられている。そんな時、ベレンコフの親友カレーニン将軍が西側に亡命を望んでいるとの情報が入った。チャーリーは警告したのだが・・。 『1979/4 シリーズ第1弾』"
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※このレビューにはネタバレを含みます
大学生の頃、大学生協の本棚で出会ったこの本。 何とはなしにまた読み返したくなり、20年ぐらいぶりに自宅の本棚から引っ張り出して再読。オチは20年前に読んでるから知ってるんですが、細かい伏線やちょっとした言葉のやり取りから感じられる登場人物間の腹の探り合いや駆け引きは綺麗に忘れていて、かなり新鮮な読書となりました。 時は冷戦末期、主人公のチャーリー・マフィンは中年の英国情報部員。敏腕にも関わらず、最近の情報部の大幅な人員刷新の影響をまともに受け、新任の部長や副部長には露骨に嫌がらせを受け、生意気な新人に比べて不当な差別をされ、その新人たちからも蔑まれる日々。それどころか、差別だけでは飽き足らず古い体制と人材を一掃しようとする新しい上層部は事故に見せかけてチャーリーを殺そうと画策。そんな折、チャーリーがかつて捕えたソ連KGBの大物の親友が亡命を希望しているという情報が入り、英国MI6に米国CIAまで加わった様々な駆け引きが始まる。チャーリーは自分を死地に追いやろうとする上層部や同僚の策略を巧みにすり抜けつつ、ソ連の大物の亡命劇にも重要な役割を果たしていく。亡命がいよいよ実行に移された時、チャーリーは、彼の同僚と上司は、米国CIAは…。 スパイ小説ですがジェームズ・ボンドのような派手なドンパチはないです。 一方で、人が死ぬ時は淡々と、粛々と死んでいきます。実際のスパイ活動や戦争でも、人が死ぬ時はこれぐらいあっけなく、まるでコンビニで商品とお金がやり取りされるように誰も気に留めないような手続きが踏まれるだけなのでしょう。学生時代の自分がこの小説にリアリティを感じ、のめりこんだ理由がそこにあります。 終盤の展開は見事です。一気に数十ページを読み進めてしまい、最後の最後に「あれ?」と思って改めて読み返してみると、最後の場面でのキーパーソンとなるべき人物のことがほとんど描写されていなかったことに気づき、それによって最後のシーンの鮮やかさが引き立ちます。 個人的には、小説は最後の引き際、即ちその作品の締めとなる最後の数行が重要であり、作者の技量の見せ所だと思っています。最後のオチが綺麗にオチていない小説は、それまでの展開がどんなに見事でも、後味があまりよくない作品だったという印象になってしまいます。 この作品の最後の数行はこんな感じ。 「チャーリー・マフィン、きみの健康を祈るよ」 「はあ?」とスチュワードが、ふり返ってたずねた。 「なんでもない」と、ベレンコフはいった。「べつに、なんでもないんだ」 この最低限のやり取りだけで、ベレンコフの心情や今後のこの小説世界の展開、読者がチャーリーに対して抱いたこと、多くのことが網羅されています。自分としては非常に好きな部類の終わり方です。 このシリーズは既に多くの続編が出ています。 そのあたりも久々に読み返し、また書評を書いてみたいと思っています。
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英国諜報員チャーリー・マフィンは見た目はさえない中年オヤジだけど、実は凄腕のスパイだった。 そんなチャーリーは、新しい上司や年下の同僚にとっては目の上のたんこぶのような存在であり、上司たちはいつかチャーリーを排除したいと考えている。。。 騙し合いの連続のスパイの世界。会話のひとつ...
英国諜報員チャーリー・マフィンは見た目はさえない中年オヤジだけど、実は凄腕のスパイだった。 そんなチャーリーは、新しい上司や年下の同僚にとっては目の上のたんこぶのような存在であり、上司たちはいつかチャーリーを排除したいと考えている。。。 騙し合いの連続のスパイの世界。会話のひとつひとつの中にも駆け引きや騙しのヒントが隠されているような感じ。映画のような派手さはないけれど、常にきな臭いような、もやもやしたような、何とも言えない緊迫感がある。上層部の陰謀。そして意表を突くラスト。 チャーリーが相手にするのはロシアの情報部員。この作品を読み終わってまだ余韻が残っているころに起きた、イギリスでのロシア人スパイ暗殺未遂という衝撃的なニュース! 小説の世界が飛び出してきたかのようだ。 翻訳にちょっとばかり古臭さを感じたし読みにくさもあったけれど、この小説にはそれがぴったりなのかもしれない。
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最初で、ええっ⁉︎ってなって、亡命が成功するのか、ハラハラしながら読んだ。 訳が新しかったらなぁ。 シリーズらしいけど、この後どうなるんやろう。
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がーん、買い間違えた。 本棚に3冊並ぶことになってしまった……。 まあフリーマントルは好きだからいいけど(震え声)。 好きだからいいけど、30年前のものだけに今となっては引っかけ方が少々甘く感じる。好きだからいいけど。
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