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やがて目覚めない朝が来る の商品レビュー

3.9

46件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/03/17

読み終わった今、心の奥深い場所が温もりのある暖かい手で包まれているような気持ちだ 人の人生は、糸を紡ぎ、その一本一本の糸を布に織りあげていくもののようにおもえた。 布が出来上がると、目覚めのない朝がくる その時、ああ生きていて良かった、生まれてきて良かったと思えたら、と願わずにい...

読み終わった今、心の奥深い場所が温もりのある暖かい手で包まれているような気持ちだ 人の人生は、糸を紡ぎ、その一本一本の糸を布に織りあげていくもののようにおもえた。 布が出来上がると、目覚めのない朝がくる その時、ああ生きていて良かった、生まれてきて良かったと思えたら、と願わずにいられない。

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2023/11/23

最初、「ちょっと読みにくい文章だなぁ…」と思いながら読み続けていくと、突然の展開に引き込まれていき、あっという間に読了しました。 いつか必ずやって来る「やがて目覚めない朝」、それを迎える数々の登場人物の姿に、死があたかも生の一部であるような感覚に陥りました。 寂しさはあるけれど、...

最初、「ちょっと読みにくい文章だなぁ…」と思いながら読み続けていくと、突然の展開に引き込まれていき、あっという間に読了しました。 いつか必ずやって来る「やがて目覚めない朝」、それを迎える数々の登場人物の姿に、死があたかも生の一部であるような感覚に陥りました。 寂しさはあるけれど、誰にも平等に必ずやって来るその日のことをぼんやりと考えながら、今を大切に生きようと不思議と前向きな気持ちになれました。

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2021/02/14

① この本を選んだ理由 図書館でタイトルに惹かれて ②あらすじ   少女の有加ちゃんが、小学生から、結婚して子どもと生活するまでの期間の中で、おばあちゃんの蕗さんと、その周りに集まる人たちとの関わりが、描かれている。  基本的に登場する人たちの会話が多く、のんびりしている雰囲...

① この本を選んだ理由 図書館でタイトルに惹かれて ②あらすじ   少女の有加ちゃんが、小学生から、結婚して子どもと生活するまでの期間の中で、おばあちゃんの蕗さんと、その周りに集まる人たちとの関わりが、描かれている。  基本的に登場する人たちの会話が多く、のんびりしている雰囲気が溢れているが、その中で死を意識させられる物語になっている。 ③感想  ふわっとしている感じ。そんな中で、みんな死んでしまうから、今の大切さを感じるとともに、いつか目覚めない日がくる悲しさを感じた。 ④心に残ったこと  今、ダラダラした生活をしているけど、皆が笑って生活してるな〜と、今を客観的にみてみたり、昔、母が生きていたときの、家族が一緒だったときの、そんな休みの日を思い出してみたり、これが幸せなんだろうな〜と、しみじみと考えさせられた。  やはり、笑顔が大切なんだろうな… ⑤登場人物 有加 蕗 お祖母さん のぶちゃん 母 舟(しゅう) 父 富樫さん 一松さん 田幡さん 久慈融 のぶちゃん父 久慈充子 のぶちゃん母

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2018/02/06

両親が離婚し、父は姿を消した。母と小学生の有加は、父方の祖母、蕗とともに暮らすことになった。一見、不和が起こりそうな組み合わせだけど、これが不思議としっくりとくる、良好な関係だ。舞台女優だった蕗の当時からの友人達に囲まれ、その生き方を見聞きしながら有加は成長する。そして蕗と父の最...

両親が離婚し、父は姿を消した。母と小学生の有加は、父方の祖母、蕗とともに暮らすことになった。一見、不和が起こりそうな組み合わせだけど、これが不思議としっくりとくる、良好な関係だ。舞台女優だった蕗の当時からの友人達に囲まれ、その生き方を見聞きしながら有加は成長する。そして蕗と父の最後の姿を見る。終盤に差し掛かかった時、改めて表紙とタイトルを見てみると、この物語の情景がさらに沁みてきた。皆の、有加の父親をめぐるシーンが印象に残った。

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2018/02/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私(有加ゆか)が蕗さん(有加の父方の祖母)と蕗さんを巡る人たちを語る物語。 くだらない定義付だと承知の上で「お父さんお母さん子ども」を典型的な家族とするなら、登場人物は皆んな家族が欠けている人たち。でも、皆んな自立していてそれぞれの非常に魅力的だ。お互いに認め合って楽しく友人以上家族未満とう言う感じで付き合っている。 有加は周りの人たちから大事にされて大人になってゆく。 淡々と話は進む。大きな山場とかはないので、あらすじが伝え難い。でも私は、有加の目を通して蕗さんや周りの人たちの言動に触れる事で、心が温かくなり、私も「やがて目覚めない朝が来る」まで頑張って生きていこうと思えた。「くだらない事で悩んでいるうちに老いぼれてしまうから」♬と襟裳岬♫ばりに勇気をもらった。

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2016/09/12

1人づつ登場して、1人づつ退場していく。 誰にとっても特別で一度切りな、生まれて人を愛して赦して死ぬまでの、時間のお話し。

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2016/04/05

ちょっと浮世離れしているような本。きれいにまとまっている。もう少し泥臭いところがある方が好みかしら。

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2014/12/06

自立のために必死に生きようとする、大島さんのこどもの描き方が好きです。それを取り囲む大人たち。それを見ながら成長していく有加。そこには人生に引きこまれる影響力をもつ大人がいて、関わることでそれぞれの人たちが変化していく。好きな作家さんになりました。

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2014/06/26

有加が自分の祖母である蕗さんとの時間について語った本です。 私、大島さんの書く文章って好きみたいです。三冊読んで気づく。 なんだか静かで、降り積もるように積み上げられていくかんじ。 読みはじめて、一気に読んでしまいました。 本の表紙、一枚白い紙をめくって出てくる金から白へのグラ...

有加が自分の祖母である蕗さんとの時間について語った本です。 私、大島さんの書く文章って好きみたいです。三冊読んで気づく。 なんだか静かで、降り積もるように積み上げられていくかんじ。 読みはじめて、一気に読んでしまいました。 本の表紙、一枚白い紙をめくって出てくる金から白へのグラデーションのページがこの本にぴったりで、読み終わった後もしみじみ見つめてしまいました。 出てくる人がみんな優しいからこんな気持ちになるのかなー。 一番好きなのはミラさんです。 離婚しそうな有加の話をきいて、「いいぞいいぞ、有加、その調子ー!」って、そういってくれる人がいることってなんて心が安まるんだろう。 それも、すっごい深い愛情があるからこそ出る言葉だとおもいます。 「勝手なことして、失敗して、泣いて、のたうち回って、なにやってんだろあたし、なんてばかなんだろ、って自分で自分にがっかりするくらいでちょうどいいのよ。そうやって好きなように生きたらいいわ。失敗したら、みんなはがっかりするでしょうけど、みんなをがっかりさせないために生きることは、ないのよ、有加。あなたはあなたの好きなように生きたらいいの」 自分に言われているように感じました。 のぶ子が舟のことを有加に語るシーンは、ちょっと泣いてしまいました。 本人は全然泣いてないんだけど、すっごくかなしいんだなーさみしいんだなーって思ったので。 のぶ子が、楽しい時、素敵なものを見た時に「ああ、舟ちゃんは死んだんだった」とつぶやくの、なんかちょっとわかります。 私も、おじいちゃんはいないんだーと思うのは楽しい時だったから。 やがて目覚めない朝がくる。 蕗さんみたいに、有加みたいに、そう思って生きてみようかな。

Posted byブクログ

2014/02/04

静かで、美しい。 内面の葛藤は具体的には描かれず、しかしどんな説明よりも雄弁だ。 生きる覚悟を、しずかに見極められるかのように。

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