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その名にちなんで の商品レビュー

4.3

46件のお客様レビュー

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2025/08/10

1人のインド系アメリカ人の物語 というか、家族の物語といった方がいいか 付けられた名前を巡って悩み、 また、インドへの里帰りを苦痛に思う思春期 を過ごすゴーゴリ 父の思いを知るのは父が突然亡くなってから 偶然が重なって出来上がった家族 出会い、別れ、思い 物語は淡々と流れる 読...

1人のインド系アメリカ人の物語 というか、家族の物語といった方がいいか 付けられた名前を巡って悩み、 また、インドへの里帰りを苦痛に思う思春期 を過ごすゴーゴリ 父の思いを知るのは父が突然亡くなってから 偶然が重なって出来上がった家族 出会い、別れ、思い 物語は淡々と流れる 読みながら時の流れに 自然と流されていく 思えば、どんな家族も似たようなもので その歴史には、さまざまなものがあり、 すべてが偶然の積み重ねでできている それぞれの世代で それぞれの歴史と、思いがあって 家族といえども 親には親の 子には子の人生がある 何がいいとも、悪いともいえない とかく、親の世代のことは鬱陶しさを感じる 子の世代のことは理解を超えている そんなものなんだろうなと 物語を通して改めて思う

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2023/07/08

短篇集『停電の夜に』からの流れで、著者初長編を読んでみた。 三人称現在形の文章で、約二世代の話が淡々と語られる。ドラマチックな出来事もけっこう起きているが淡々と進む。これがインド系に由来するのか、著者個人の資質によるのか、よく分からないが、通勤電車の中に居ながらにして、インド亜大...

短篇集『停電の夜に』からの流れで、著者初長編を読んでみた。 三人称現在形の文章で、約二世代の話が淡々と語られる。ドラマチックな出来事もけっこう起きているが淡々と進む。これがインド系に由来するのか、著者個人の資質によるのか、よく分からないが、通勤電車の中に居ながらにして、インド亜大陸とアメリカ大陸(と少しだけヨーロッパ大陸)とを行き来してきるような壮大な感覚を得たような。。

Posted byブクログ

2023/06/07

インド出身でアメリカに暮らす大学教授一家のほろ苦い家族物語。主人公は息子のゴーゴリ、というよりその家族。 著者の小説には、家族にすら理解されない言いようのない孤独というようなものがすっと描かれていて、それが何とも腑に落ちる。自分だけではないんだとも思わせてくれる。自分自身が学生だ...

インド出身でアメリカに暮らす大学教授一家のほろ苦い家族物語。主人公は息子のゴーゴリ、というよりその家族。 著者の小説には、家族にすら理解されない言いようのない孤独というようなものがすっと描かれていて、それが何とも腑に落ちる。自分だけではないんだとも思わせてくれる。自分自身が学生だった頃、かみさんと付き合っていた頃、子供が小さかった頃、子供が大きくなった最近のこと、年老いたおふくろ、17年前に亡くなった親父のこと等々思い出しながら読み終えた。愛する家族であっても、その時々で近付いたり離れたりする。全く理解できなくなったり、自分も若いころはそうだったくせに許せなくなったりする。 家族でも夫婦でもどんなに近くにいても、本当の心の内は思いもよらない。やはり一身同体ではあり得ない。 今この時、この本を読めてよかった。孤独や現実を受け入れることができるようになった。と思いたい。

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2022/07/31

ゴーゴリが読みたくなる お母さんのコロッケ、私も食べたい。 両親に対する思い 異国と母国の両方への憧れ どこにも帰属できない感覚 アメリカの暮らし

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2021/10/06

「停電の夜に」で著者を知りこの本を読んでみた。ゴーゴリがまるで自分の事のように思えて、自分の両親の事を考えながら一気に読んだ。ガングリー一家とその周りの人々の話で、悲しい出来事もあったりするけど、誰の身にも起こり得る普遍的なストーリーを淡々とした文体で書かれてあり、返ってそれが読...

「停電の夜に」で著者を知りこの本を読んでみた。ゴーゴリがまるで自分の事のように思えて、自分の両親の事を考えながら一気に読んだ。ガングリー一家とその周りの人々の話で、悲しい出来事もあったりするけど、誰の身にも起こり得る普遍的なストーリーを淡々とした文体で書かれてあり、返ってそれが読みやすかった。 マクシーンと付き合っていた頃の都会的な生活に酔っていたゴーゴリは、18で故郷や両親から離れて東京で生活を始めた私ととても重なる部分が多く、おそらく同じように感じながら読んだ人は多いのではないかと思う。 この本を読みながら、普通の何でもない私たちにも沢山の物語があり、そうした物語を作りながら生きているのだなーと改めて思った。 この本は映画にしたら良いのに、と思っていたら既に映画化されていた!読後にそちらもレンタルで観て、駆け足ながらも原作に忠実に描かれていて、優しい気持ちになれる映画だった。

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2018/02/18

ベンガル式の命名法では、1人の人間が2つの名前を持てる。愛称はダクナムといい、文字通り呼ばれる名前となる。

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2017/07/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ベンガル人の両親から生まれ、アメリカで育つゴーゴリ。自分の名前や、自分を取り囲むインド的なあらゆるものから逃れようともがく。 ゴーゴリはインドを離れアメリカで暮らし始めた両親の苦労も知らず、自分の名前の由来も知らず、家族から離れ、名前も変えてしまう。アメリカ的なものに憧れ、感化され、恋人の前にいる両親を恥ずかしいさえと思うようになるが、父の死を境に少しずつ変わっていく。 本当に大切にすべきものこそ、本当の意味で大人になるまでは、嫌で嫌でたまらないものかもしれない。 結局離れることができなかった彼のルーツに、運命の怖いほどの大きな力を感じた。

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2017/05/14

アメリカ生まれのインド人青年の自分探しの物語。インド人青年が アメリカ社会に溶け込み、拒絶しながら、自分の原点や居場所を探している ゴーゴリーにとっての原点は 名前なのでは 著者は 母、恋人、妻 との関係から ゴーゴリーの苦悩や 発見を 描きたかったのだと思う。短編 停電の夜...

アメリカ生まれのインド人青年の自分探しの物語。インド人青年が アメリカ社会に溶け込み、拒絶しながら、自分の原点や居場所を探している ゴーゴリーにとっての原点は 名前なのでは 著者は 母、恋人、妻 との関係から ゴーゴリーの苦悩や 発見を 描きたかったのだと思う。短編 停電の夜「3度目で最後の大陸」を 肉付けした感じ

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2013/10/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ベンガル人の夫婦が、アメリカに来て、仕事を得、子供が2人できる。子供(兄妹)は大きくなって、兄は何度か恋をして、結婚して、奥さんの不倫で離婚する。父親は心臓発作で死に、未亡人の母親はカルカッタへ帰る。 何が面白いんだろう・・・

Posted byブクログ

2013/09/21

決して選ぶことのできない自己のルーツ どれだけ複雑に歩いて行っても、一筆書きのようにその根っこはつながっている とはいえ、この国は曖昧模糊としていて、上書きを重ねて、ルーツってなんだってことにもなりそうな

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