バグダッド101日 の商品レビュー

アスネセイエルスタッド【著】,野中邦子【訳】

2018/11/12

戦争が始まる直前から戦闘が終わるまで、まさに現場にいたジャーナリストの記録だ。イラクの人の声、現場に残るジャーナリストの声、乗り込んで来た米軍兵士の声。イラク戦争は本当に必要な戦争だったのだろうか。この本を読んでも、簡単には結論が出ない。サダム・フセインの非道は確かにあった。しかし米軍の侵攻の非道さ、また侵攻後の治安が乱れたイラクのひどさ。これらを考えると、なにが良いことだったのかわからなくなる。

2011/01/11

イラク人はいつでも本を切望している。愛のほかには本があればよい。
昔からイラク人は中東で最も探究心の強い人々と言われてきた。
「エジプト人は書き、レバノン人は印刷し、イラク人は読む」という言葉もある。
1980年代に戦争が起きるまでイラク国民はアラブ世界で最も教育程度が高かった。現在は教育制度も崩壊してしまっている。
1980年代にシーア派ムスリムはフセインによって片っ端から逮捕された。シーア派主体のイランに不安を感じていたから潜在的な犯罪分子とみなされていた。