風立ちぬ・美しい村・麦藁帽子 の商品レビュー
堀辰雄の名作。登場人物の心情が風景描写のところどころに表れており、暗いストーリーのはずが、透き通った物語であるなと感じた。しかし、もっと深く読めるような箇所が多くあったかもしれない。自らの読書力が足りないことを感じさせられる作品でもあった。純文学を読み砕ける人かっこいいなぁと思い...
堀辰雄の名作。登場人物の心情が風景描写のところどころに表れており、暗いストーリーのはずが、透き通った物語であるなと感じた。しかし、もっと深く読めるような箇所が多くあったかもしれない。自らの読書力が足りないことを感じさせられる作品でもあった。純文学を読み砕ける人かっこいいなぁと思いながら手にとった本書ではあるが、まだまだ実力不足…実力をつけてまた再読したい。
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ある事柄による、皆に共通する予感について、誰も、何も言わないけれど、ある感情の発露を抑えることで、できるだけ穏やかに、なだらかに、その時を迎えるための思いや気遣い、淡々と移ろう季節を描いた物語だった。 “私”の主観は、いつしか僕のそれに重なった。 風景も空気も、雨も風も、匂いも味...
ある事柄による、皆に共通する予感について、誰も、何も言わないけれど、ある感情の発露を抑えることで、できるだけ穏やかに、なだらかに、その時を迎えるための思いや気遣い、淡々と移ろう季節を描いた物語だった。 “私”の主観は、いつしか僕のそれに重なった。 風景も空気も、雨も風も、匂いも味も。 言葉にできない感情に、相応しい名前を見つけようという、途方もない試みに没頭する日々。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
高原のサナトリウムで療養中の節子と婚約者の主人公。確実に死へ向かっている雰囲気はある中、2人のプラトニックな関係の心理描写や情景描写が美しい。 生死感、幸福の形、夫婦(パートナー間)間のあり方などは様々。私がこの2人から感じたことは、お互いが支えるとか支えられるとかではなく、共に時間や空気を共にすることの尊さのようなものを感じました。多分、何度も読み返したくなる作品だと思う。ジブリで映画化されているようですが観ていないので、このまま小説の世界観を大切にした方がいいのかな?
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* 風立ちぬ、いざ生きめやも。 * 療養中の恋人に付き添い、高原のサナトリウムで過ごす日々 . ちょっと昔の文体で書かれてるから中々入りずらかったなぁという印象。アニメも途中までしか観たことないから観たら整理できるだろうか。
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堀辰雄文学館を訪れたのをきっかけに”風立ちぬ”のみ読了。古典文学は読まないので全編を通して感じられるひんやりとした空気感となんとも言えない透明感が新鮮でした。
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「美しい村」から始まり「風立ちぬ」まで、さわりを読んだだけでは一見そうとは思えないが一繋がりの話。 全体的に風景や人物描写のあとに語り手の感想等の記述があるとあう丁寧親切設計なので、私のように情緒の理解に乏しい人間でも話に迷子にならずに読むことができるのはよかった。 実体験をもと...
「美しい村」から始まり「風立ちぬ」まで、さわりを読んだだけでは一見そうとは思えないが一繋がりの話。 全体的に風景や人物描写のあとに語り手の感想等の記述があるとあう丁寧親切設計なので、私のように情緒の理解に乏しい人間でも話に迷子にならずに読むことができるのはよかった。 実体験をもとにした話は珍しくないが、そこに妄想という妄想を加えて究極的にピュアにした理想の最後を描いた、という印象を受けた。これが二人のやり取りだけで、もし広大で美しい自然の描写が無かったら胸焼けを起こして途中で読むのを放棄していただろう。
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ジブリ映画「風立ちぬ」に先立って読み始めたが、読了は遥か後日となってしまった。文筆家の主人公が小説の題材を求めて軽井沢で過ごす風景を小説にするという「美しい村」を振り出しに、少し苦手な純文学の小品が綴られる。読む速度が上がらなかった。解説は多士済々で、中には自分の解説に酔っている...
ジブリ映画「風立ちぬ」に先立って読み始めたが、読了は遥か後日となってしまった。文筆家の主人公が小説の題材を求めて軽井沢で過ごす風景を小説にするという「美しい村」を振り出しに、少し苦手な純文学の小品が綴られる。読む速度が上がらなかった。解説は多士済々で、中には自分の解説に酔っているのでは? と思うものがあったが、恐らくそれが書かれた時代には何の違和感も無かったのだろう。残念ながら著者が意図した音楽的なリズムも感じられず。
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「美しい村」 前半は田舎の情景描写が主だが後半は専ら絵を描く少女との交流を通したものが主になる。全体的に散在してる印象。実際に起きたことをぽつぽつと書いているような。 「麦藁帽子」 夏を背景に少女に対する想いの移り変わりを描いた作品。彼女への想いにまた気づかされるシーンは印象的。...
「美しい村」 前半は田舎の情景描写が主だが後半は専ら絵を描く少女との交流を通したものが主になる。全体的に散在してる印象。実際に起きたことをぽつぽつと書いているような。 「麦藁帽子」 夏を背景に少女に対する想いの移り変わりを描いた作品。彼女への想いにまた気づかされるシーンは印象的。二人はもう交わることはないのだろうか。昔を回顧するものが多い? 「旅の絵」 堀辰雄の神戸旅行の様子を描いている。形容しがたい鬱々とした心の沈みを感じる。その分ハイネの詩が深く感ぜられる。 「風立ちぬ」 常に漂う死の気配と、しかしその中で感じられる生の喜び。死を感じながらも、2人が共有する愛、幸福があまりにも儚くて愛しくて号泣してしまった。心理描写と共に描かれる情景描写も秀逸。素晴らしい生の物語だ。
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『麦藁帽子』が美しくてとてもよかった。あれだけなら☆4.5としたいところだけれど、他の作品は純文学に慣れた私でも退屈だった。
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軽井沢とサナトリウム…そして死。現代のイメージとは全く違うけれど、別荘街を歩いていて感じたことがあるのを思い出した。
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