赤毛のアン の商品レビュー
この作品は一言で言えば、元孤児のおてんば娘アンネとその家族や仲間達が織り成す、感動ストーリーである。 カスバァト兄妹は自分達の営んでいる畑の働き手となる男の子を孤児院から引き取ることになっていた。しかしやって来たのは、本作の主人公であるアンネだったというところから物語は始まる。...
この作品は一言で言えば、元孤児のおてんば娘アンネとその家族や仲間達が織り成す、感動ストーリーである。 カスバァト兄妹は自分達の営んでいる畑の働き手となる男の子を孤児院から引き取ることになっていた。しかしやって来たのは、本作の主人公であるアンネだったというところから物語は始まる。 マシュウ・カスバァトはアンネを引き取ることに好意的だった。そこで否定的だったマリラ・カスバァトを有無を言わさぬ態度で説得し、アンネを育てることを決めた。そして次第にマリラも彼女の魅力に気づき、慈しむようになる。 その他にも様々な個性的なキャラクター達が登場し、話を盛り上げていく。そのなかでも、アンネの「心友」(親友)ダイアナは、共に空想話に花を咲かせられる程の仲良し。話のなかで、一度その仲が切り離されるが、アンネの活躍により復縁する。 この話のキーポイントは、アンネの成長と家族の変化である。 アンネは話のなかで数多くの失敗をする。しかしその失敗から反省し、精神的に成長する姿が描かれている。 また最初のマリラとアンネの関係は言うなれば、主人と使用人のようである。この関係が本当の家族のように、お互いにかけがえのない存在になっていく姿は必見だ。 ラストは感動間違いなし!ただし他のところに比べると、かなりあっさりと書かれているような気がする。そこが残念でならない。 また中盤は思わずクスッと笑ってしまう展開が何度もある。そのパターンが続き、ちょっと退屈するかもしれない。だが感動のラストを味わうために、我慢して読んでほしい。 家族について、子どもの可能性について深く考えさせられる作品である。 NHKの朝ドラをきっかけに、(翻訳家は異なるが)作品もぜひ読んでみてほしい。
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「子供時代に赤毛のアンを読んだかどうかでその人の人生って違うと思う」と何かのレビューで読んだ。そういえば私の友達も、子供の頃に読んだ赤毛のアンが好きで、大人になってカナダの小さな島まで旅に出ていたので気になって読んでみた。大人になって読んだせいか、マシュー達大人の気持ちがよくわか...
「子供時代に赤毛のアンを読んだかどうかでその人の人生って違うと思う」と何かのレビューで読んだ。そういえば私の友達も、子供の頃に読んだ赤毛のアンが好きで、大人になってカナダの小さな島まで旅に出ていたので気になって読んでみた。大人になって読んだせいか、マシュー達大人の気持ちがよくわかる。アンの感性の素晴らしさに目を丸くする。こんな子がそばにいたら楽しいだろうとも思った。そしてやっぱり、子供の頃にアンに出会っていたら、周りのささいな自然に想像力を膨らますのが一層楽しくなっただろうな、と少し惜しい気持ちになった。自分の子供にはぜひ子供の頃に読ませておきたいなという本。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『赤毛のアン』は小さい頃、日曜日の夜にやってたアニメで見たのよね~。 って言ったら年ばれちゃうけど、『フランダースの犬』とか『アルプスの少女ハイジ』とかも見て、いつも泣いてた。 アニメとしてしか知らなかったけど、実際に小説を読んだのはこれが始めて。 OLしてた頃、本屋さんで手に取ったことあるけど、あまりの字の細かさと多さに買うのやめたこともある。。。(苦笑) で、何十年目にしてとうとう読みました。 すーーーーごい良かった。 なんかね、心と頭がリフレッシュできた。 こんなに字数が多いのに話に最初から入り込めて、毎日「アンの世界」に入り込むのが楽しかった。 Anneの空想好きで、ちょっとおっちょこちょいでいろいろ騒動を起こすけぢ、何事にもへこたれない一途な性格。読んでて、自分の小さいころに似てると思った。あんなに喋りはしなかったけどね~。 口下手で働き者のマシュー。でも、アンにはいつも優しい言葉をかけるのね。最後、マシューが死ぬ前日に、「わしの娘だ、わしの自慢の娘だからな」って言うとこ、も~~~涙なしには読めなかった。今でも思い出すと泣ける。 そして、マリラ。アンのことをすごい愛してるのに、人を愛することに慣れてなく、ついアンに冷たい口調になってしまうの。そうそう。アニメで見たときも、「こんな冷たい人とクラスなんてアンがかわいそう」と子供ごころに思ったな~。でもね、本を読んでみると、マリラ、そんなに冷たく思えなかったよ。マリラはマリラなりに精一杯の愛情表現をしてたと思う。 最後、アンが自分の進学の道を断念してマリラと生きていくことを選択したとき、初めてマリラが殻を破れた感じで、ほんとよかった。 実はこの本を読んでたとき、ちょっと落ち込んでたんだよね~。でも、今まで忘れてた何か、落としていった何かを取り戻したように元気になった。 ほんと心が浄化された一冊でした。
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どこか人を惹きつける魅力があるアンに私も惹きつけられ次々とページをめくりました。私にとってお気に入りの1冊です。その後のアンの話も読みたいけど角川文庫からはでていないんですね。残念です。
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初めてちゃんと読んだ気がする! アンがのべつまくなししゃべるので、読みながら息切れしそうでした。 ギルバート、いいやつだ・・・。なんでそんなにやさしいのかしらと思う。ずっと無視され続けているのに。 マシューの不器用なやさしさ、マリラの表面にはでない愛情。 素敵でした。 それ...
初めてちゃんと読んだ気がする! アンがのべつまくなししゃべるので、読みながら息切れしそうでした。 ギルバート、いいやつだ・・・。なんでそんなにやさしいのかしらと思う。ずっと無視され続けているのに。 マシューの不器用なやさしさ、マリラの表面にはでない愛情。 素敵でした。 それにしても、アンには本当に嫌なやつというのが出てこない。 続編は読まないほうがいいかもしれないな・・・。ここで終わるのがとても気持ちがいい気がする。
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子どもは、やがて大人になる。でも、その過程で何か大切なものを失ってしまう。もちろん、それを「成長」と呼ぶこともできるのだろうし、でもどこか残念な感は否めない。ただ一つ言えるのは、いずれにしてもその先に、きっと幸福は待っている。 ちなみに、カバーイラストは『よつばと!』のあず...
子どもは、やがて大人になる。でも、その過程で何か大切なものを失ってしまう。もちろん、それを「成長」と呼ぶこともできるのだろうし、でもどこか残念な感は否めない。ただ一つ言えるのは、いずれにしてもその先に、きっと幸福は待っている。 ちなみに、カバーイラストは『よつばと!』のあずまきよひこさん。 【目次】 赤毛のアン あとがき 中村佐喜子 (カバーイラスト/あずまきよひこ)
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「あの頃は悩みがなくて良かった」なんて言う人はいるけど、物心ついたときから、思考が止まることはなかった気がする。アンが赤毛を気にしたように、「○○子」と言う自分の名前を妙に気にしたこともあったし、アンが妖精を空想したように、ポケモンがそこの草むらにいたら…と想像して遊んだことがあ...
「あの頃は悩みがなくて良かった」なんて言う人はいるけど、物心ついたときから、思考が止まることはなかった気がする。アンが赤毛を気にしたように、「○○子」と言う自分の名前を妙に気にしたこともあったし、アンが妖精を空想したように、ポケモンがそこの草むらにいたら…と想像して遊んだことがあった。そんなことが無駄だとは、ちっとも思わなかったし、想像を膨らますことへの抵抗感なんか全く抱かなかった。 表紙のイラストに惹かれて思わず買っちゃった本です。本書はアン教師になるところまでですが、あとがきには続編があると書いてありました。んー、すぐにでも読みたいような、想像の余地を残していたいような…。
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文章がとてもきれいで、一言一言大切に読みたくなります。プリンスエドワード島の素晴らしい景色が目の前に広がるようで、すっかり物語の世界に引き込まれました。心が、ほくほくあったかくなりました^^
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エヴォンリーをはじめとする、自然の移ろい、そこに広がる豊かな風景の描写がとにかく美しい。 世界はこんなに素晴らしいんだなあ、と、思う。 それと想像力の素晴らしさにも。 ダイヤモンドで着飾った貴婦人になるよりも、グリーン・ゲイブルズのアン・シャーリーであることに幸せを感じる。 こ...
エヴォンリーをはじめとする、自然の移ろい、そこに広がる豊かな風景の描写がとにかく美しい。 世界はこんなに素晴らしいんだなあ、と、思う。 それと想像力の素晴らしさにも。 ダイヤモンドで着飾った貴婦人になるよりも、グリーン・ゲイブルズのアン・シャーリーであることに幸せを感じる。 このくだりがたまらなく好きで、 それだけに、この後の展開が一層深みを増す。 子供向けの本でハイライトは知っていたけれど、ストーリーだけでは分からない良さが沢山凝縮された本でした。 あと、ギルバートとアンの関係の変化がとても好きだ。 どうなるかと思ったけど、あの終わりでとてもほっこりした。
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小さい頃に読んだアン。高校生になってもう一度読んでみたけど、新たな発見が多いです。アンの想像力と自然の描写、アンの周りの人々のキャラクターが濃くて面白くて面白くて一気読み。名作は読みづらいってイメージでしたが、そんなことはなくて楽しめました。
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