刺青殺人事件 名探偵・神津恭介 の商品レビュー

高木彬光(著者)

2018/08/05

トリックはすごい。
ただ、これまでにいろいろ読んでいるからか、うすうす気づくことはある。
方法は分からないけど。
物的証拠が一切無いけど、ほぼ感覚だけで犯人を見破り、あとは張り付いて言質を取るという少しズルイやり方。
ま、ややこしい方法で犯罪を犯す人ってのは、大体にしておしゃべりなもの。
理屈が先行するからボロも出る、と。
トリックやなんかより、最後のおまけみたいなとこに凄く興味が向いてしまった。

2015/03/30

＜ネタバレ有り＞

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以前から気になっていた神津シリーズ1作目。
戦後日本の薄暗い雰囲気といい、刺青の醸し出す妖艶さといい、探偵役の神津恭介の正しい名探偵っぷりといい、針と糸を使った正しい（？）密室トリックといい、古き良き探偵小説という感じでした。こういう時代がかったミステリは大好き。現代のミステリでは感じられない禍々しさがいい…。
ただ探偵がなかなか登場しないので途中までその存在をすっかり忘れていました。神津さんの思い込み（将棋の攻め方如何や愚直そうなので犯人ではないetc...）で簡単に容疑者を絞り込んでしまうところに少し疑問を感じたりもしたのですが、読み終わってみると面白かったと思える一冊でした。
神津さんのスマートさがいいですねー。自信家だけど嫌味がない。たくさんシリーズが出てるので次はどれを読もうか迷ってしまう。