八郎 の商品レビュー
昔な、秋田の国に、八郎って山男が住んでいたっけもの。八郎はな、山男だっけから、背がたァいして高かったっけもの。 ある日のことセ。八郎がまた浜サ来たっけセ、一人のめんけおとこわらしが、海見てワイワイ、海見てワイワイ泣いていたと。 なぜ自分の体が小山ほどあるのか知らない八郎が、大波...
昔な、秋田の国に、八郎って山男が住んでいたっけもの。八郎はな、山男だっけから、背がたァいして高かったっけもの。 ある日のことセ。八郎がまた浜サ来たっけセ、一人のめんけおとこわらしが、海見てワイワイ、海見てワイワイ泣いていたと。 なぜ自分の体が小山ほどあるのか知らない八郎が、大波に田畑を流されて泣く百姓たちを見て、初めて自分が働く者を助けるためにあることに気づき、荒れ狂う海に立ち向かってゆく。 自己犠牲を描いていますが、感傷的ではなく、骨太な印象を受けるのは、おそらく滝平二郎先生の挿画のせいでしょう。 八郎が海に入ってゆく場面を描いた見開きの挿画は圧巻。
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なぜか我が家に前からあった本。 うちの2歳男子には、八郎のように 「ココロもカラダもでっかい男」になってほしい! そんな気持ちをいつも忘れず。 この本には特に思い入れがあります、この本というか「八郎」に。 小学校4年ぐらいの時に、近藤先生という男性の大きな先生が 赴任してこられました。 近藤先生は隣のクラスの担任になられたのですが、独特の手法 (模造紙にマジックで歌の歌詞を書き、教室のオルガンで弾き語り 子どもと一緒に大きな声で歌う) で、自身の担任クラスだけでなく他のクラスも「音楽の合同授業」にしちゃって、私達にいっぱい色んな歌を教えてくださりました。 近藤先生が来られてから、学校中に歌声があふれました。 学芸会は「かさじぞう」「森は生きている」のミュージカルをやった 記憶があります。 が、近藤先生は小6の頃には学校に居られず、後から病気で亡くなられたと 聞きました。 がんだったそうです。 どこまで本当なのかわかりません。 記憶もあいまいです。 でも、黒板に貼られた模造紙の歌詞を見ながら、先生のオルガン伴奏に あわせて全力で歌った記憶だけは残っています。 その残っている記憶の中に「八郎」の歌もあります。 歌詞は 「海よ 山よ けだものよ 耳をすませ 私の歌 オオオ 響く歌を聞け ・・・」 八郎の本を見ると、その歌の記憶もよみがえるのです。 もちろん近藤先生のお姿も。
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方言がきつくて子どもにはなかなか理解できないでしょう. でも八郎の優しさは伝わるのではないでしょうか. 繰り返しでてくる鳥の鳴き声も魅力的.
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小学生の時に木版画製作をしました。 山を持ち上げるシーンを彫りました 私にとって懐かしい一冊です。
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昨年は、東日本大震災の影響が世の中全体を覆っていましたね。 ノナは、夏休みの3,4年生向けおすすめ本の筆頭に、この本を持ってきました。出版されてから40年以上たった今でも、読者の心を強く揺り動かす本です。 秋田弁で書かれた文章に、力強い版画の絵が一体となって、相乗効果を上げていま...
昨年は、東日本大震災の影響が世の中全体を覆っていましたね。 ノナは、夏休みの3,4年生向けおすすめ本の筆頭に、この本を持ってきました。出版されてから40年以上たった今でも、読者の心を強く揺り動かす本です。 秋田弁で書かれた文章に、力強い版画の絵が一体となって、相乗効果を上げています。 ただ、秋田弁という方言を使っているだけに、文章を目で読むより声に出して読んであげた方が断然いいのです。これがねえ…秋田出身の人でないとなかなかねえ…。 でも、本物の秋田弁でなくても、臨場感は伝わります。ぜひ声に出して、読み聞かせをしてあげてほしいと思います。照れないで! ノナはこの本、幼稚園や保育園の先生に、よみきかせ用としておすすめしていましたが、評判よかったですよ。
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どうして日本を舞台にしたお話って、こんなに物悲しいんだろう。「めでたしめでたし」なんていうオチで終わらない。ただ八郎がいて、八郎と闘う海がいて、物語は流れていく。八郎は、絵本の中なのに、すごく大きく見えて、海はそれより大きくみえます。
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方言で語られた文体と絵の組み合わせがとてもいい絵本だと思いました。 口にだして読んで方言の温かみを楽しみたくなります。
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八郎は、とんでもなく大男。 ある日、大波に田んぼを流されてしまう!と泣いている百姓の子どもを見て、荒れ狂う海にむかっていきます。 物語のスケールの大きさもいいけど、滝平二郎の版画が白黒でこれもすごくいい。 秋田県の「八郎潟」や「寒風山」の由来が秋田弁で書かれており、秋田弁が難し...
八郎は、とんでもなく大男。 ある日、大波に田んぼを流されてしまう!と泣いている百姓の子どもを見て、荒れ狂う海にむかっていきます。 物語のスケールの大きさもいいけど、滝平二郎の版画が白黒でこれもすごくいい。 秋田県の「八郎潟」や「寒風山」の由来が秋田弁で書かれており、秋田弁が難しくて何度も練習してから読みました。 読み聞かせ当日は、東北地方の地図を作って子ども達と場所を確認しながら、お話しを進めました。 15分以上かかるお話しで、3年生には難しいかなと思いましたが、飽きることなくじっくり聞いてくれました。
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すごすぎる。 この本、小さい頃から何度も読んでいるけど、ほんとうにすごい本だ。 ★五つじゃ足りないくらい。 秋田の八郎はでかい男だ。 いつも山から浜まで駆けていっては海に向かって叫んでいた。 そんなある日、海の水が村の田んぼに襲いかかる。 泣きじゃくる小さい子を見て、八郎がと...
すごすぎる。 この本、小さい頃から何度も読んでいるけど、ほんとうにすごい本だ。 ★五つじゃ足りないくらい。 秋田の八郎はでかい男だ。 いつも山から浜まで駆けていっては海に向かって叫んでいた。 そんなある日、海の水が村の田んぼに襲いかかる。 泣きじゃくる小さい子を見て、八郎がとった行動は… この絵本のスケールの大きさは…使い古された言葉だけれど 「他の追随を許さない」という言葉がピッタリだ。 物語とともに滝平二郎の骨太の版画が心に響く。 間違いなく不朽の名作である。 私の中の「読みべき絵本」の筆頭に挙げたい一冊。 ぜひ読むべし。
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