悪果 の商品レビュー
大阪出身なので何とか最後まで耐えたが 土地勘がないと このくどい物語はつらいと思う 特に前半が長すぎる 決着のつけ方もイマイチ 2.7点
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関西系ハードボイルド。この著者の関西弁の描写は相変わらず秀逸。そこそこの長編だが、何の違和感もなく漫才のようなテンポでスイスイと読める。 本作の主人公である悪徳刑事の堀内とその相棒の伊達。えげつないっちゃあ、えげつないけど、彼らのシノギの相手が更にウワテの悪者だからかな、嫌悪感は...
関西系ハードボイルド。この著者の関西弁の描写は相変わらず秀逸。そこそこの長編だが、何の違和感もなく漫才のようなテンポでスイスイと読める。 本作の主人公である悪徳刑事の堀内とその相棒の伊達。えげつないっちゃあ、えげつないけど、彼らのシノギの相手が更にウワテの悪者だからかな、嫌悪感は全然湧かなかった。ヒーロー感覚で読めた。まぁ最後は、やっぱり、って感じだったけど。 ミステリとしても面白かった。この段階ですでに伏線が張られていたのかと驚き。ただ勢いだけのハードボイルドじゃないところがイイ。 この二人を主人公にして、新しく続編が発売されるようで。これからシリーズ化されていくのだろうか。お馴染みの二宮・桑原コンビも捨てがたいが、このコンビも好きだ。
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黒川博行 『悪果』 (2007年9月・角川書店) 大阪今里署のマル暴担当刑事・堀内は淇道会が賭場を開いているという情報を掴み、金曜日深夜、賭場に突入し二十八名を現行犯逮捕する。 堀内は、賭場に参加していた学校経営者を経済誌編集・坂辺を使いゆすり始める… 「おまえは極道よりも...
黒川博行 『悪果』 (2007年9月・角川書店) 大阪今里署のマル暴担当刑事・堀内は淇道会が賭場を開いているという情報を掴み、金曜日深夜、賭場に突入し二十八名を現行犯逮捕する。 堀内は、賭場に参加していた学校経営者を経済誌編集・坂辺を使いゆすり始める… 「おまえは極道よりも性根が腐っとる」 かつてなくリアルに描かれる捜査の実体と癒着、横領、隠蔽、暴力、・・・・・・ 日本警察の真実のなかにあぶりだされる男たちの強烈な光と闇。 デビュー作から25年、黒川博行の警察ハードボイルドがここに結実!(web KADOKAWAより) 生まれたときから大阪にどっぷりつかってきた私にはツボの作品。 だがこの作品をいわゆるノワールと言ってしまうのにはいささか抵抗を感じる。 虚無・悲観・抵抗などを主軸に据えて「悪」を書いたのがノワールだとするなら、この作品の主人公である堀内や相棒の伊達は、十二分に職務を全うしているように思える。 警察上層の腐敗(天下りや文書偽造による不正請求)がニュースをにぎわす今、どこのだれが警察機構にクリーンなイメージを持つものか。 「10年前に出してりゃ傑作だったかも」と思ったが、10年前じゃ出版させてもらえねぇっつーの。 とまぁ愚痴はこのくらいにして・・・。 読みながらその疾走感、リアリティーには感心させられた。 大阪弁も違和感なく(これが簡単なようで難しい)、登場人物は皆おしなべて腹黒い。 悪人の、生理的嫌悪感を呼び覚ますあの粘っこい感じがよくでている。 それどころか身内同士も互いの腹の探り合い、出し抜き合い、と飽きさせない。 ホント油断も隙もあったもんじゃない輩ばかりで嬉しくなった。 黒川さんの丁寧で真面目な一面がでた良作だと思う。 荒唐無稽を目指さず、本当の「今」を書こうとする意気込みを感じた。 しかし読んでいてひっかかる描写もいくつか見受けられたのも事実。 せっかくここまで書けているのだからそのへんがモタイナーイネ。 (デカピンのサンマで箱3万はありえんやろ?ケアレスミスか?) 90点(100点満点)。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ハードボイルドというかピカレスク小説みたいだと感じましたが、そうなると主人公が警察官というのが悪い冗談にしか思えない。 登場人物たちの冷め切った汚泥のような境遇・性格・感情をごく自然に受け入れながら読み進められたのにびっくりです。それくらい面白かった。 前半は主人公がいつもの通りに情報漏洩、たかり、賭け事、不倫、捜査、恐喝、を行っている様子を描いています。それが日常なのだと、読みながらしっかりと植えつけられてしまった。後半は日常が次第に狂い始め、周辺がきな臭くなり、殺人へと発展していきます。 相棒の伊達とも信頼関係はまるでないのだけど、得られる金などの魅力で繋がっている──と思いきやふと情のある描写などもあって、面白かった。 乾ききった人間関係の中にも情とか優しさやおかしみがあって、確かに主人公たちに共感とか同情はないけど、ありえないというほどの距離感はなかった。 それが恐ろしいです。 これ読みきった後、「仕事の合間にビールくらいなんてことない」って気持ちになったのもすごく恐ろしい事だと思います。
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文庫の帯に惹かれて図書館で借りてみました。 まあまあ面白かったです。 大阪府警マル暴刑事って、ほんとにこんな人いそう・・・
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内容 癒着、横領、隠蔽、暴力・・・日本の警察の暗部を描き出すノワールの傑作! 大阪今里署のマル暴担当刑事・堀内は淇道会が賭場を開いているという情報を掴み、金曜日深夜、賭場に突入し二十八名を現行犯逮捕する。堀内は、賭場に参加していた学校経営者を経済誌編集・坂辺を使いゆすり始める… ...
内容 癒着、横領、隠蔽、暴力・・・日本の警察の暗部を描き出すノワールの傑作! 大阪今里署のマル暴担当刑事・堀内は淇道会が賭場を開いているという情報を掴み、金曜日深夜、賭場に突入し二十八名を現行犯逮捕する。堀内は、賭場に参加していた学校経営者を経済誌編集・坂辺を使いゆすり始める… (借)
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これは楽しめた。第138回直木賞候補作。受賞作『私の男』をつい先日読んだばかりだが、個人的にはこっちの方が大衆作品として楽しめました。まぁ、あくまで素人の主観なんですが。あ、この回って『警官の血』も候補に挙がってたんだ。うーむ、激戦って感じですね。 大阪府警今里署のマル暴担当...
これは楽しめた。第138回直木賞候補作。受賞作『私の男』をつい先日読んだばかりだが、個人的にはこっちの方が大衆作品として楽しめました。まぁ、あくまで素人の主観なんですが。あ、この回って『警官の血』も候補に挙がってたんだ。うーむ、激戦って感じですね。 大阪府警今里署のマル暴担当刑事が主人公のハードボイルド小説。主人公の堀内は暴力団とは持ちつ持たれつ、悪徳業界紙と組んで強請(ゆす)りをしたり、とにかく悪徳刑事だ。いや堀内だけでなく暴犯係のほとんどの刑事が何かしらの悪徳商売(シノギ)で稼いでいるし、警察幹部のための組織的な裏金作りなど、警察自体が悪の巣窟として描かれている。 そんな現実とは思えない設定にも関わらず、大阪弁の小気味いい会話や緊張感溢れる捜査状況の描写にリアリティがありすぎて、え?これマジ?と思ってしまう。いや、でもこれが仮に本当だとしたら警察がゆるさんだろ。悪徳警察に筆者が消されちゃうよなぁ。。。あ、ちなみに大阪府警には今里警察署ってのはないです。架空の警察署です。
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勤務中にビール飲んで女を囲って、好き勝手やりたい放題のワルの刑事を描いて、癒着・横領・隠蔽・裏切り・暴力満載の痛快な黒川ハードボイルド・ワールド、渾身の一編。 大阪の、ひいては日本の警察の、名伏しがたい悪辣さ・闇の真実を描いて白日の元にさらした、でも颯爽とエンターテインメントで...
勤務中にビール飲んで女を囲って、好き勝手やりたい放題のワルの刑事を描いて、癒着・横領・隠蔽・裏切り・暴力満載の痛快な黒川ハードボイルド・ワールド、渾身の一編。 大阪の、ひいては日本の警察の、名伏しがたい悪辣さ・闇の真実を描いて白日の元にさらした、でも颯爽とエンターテインメントです。 まあ何というハイテンポの展開であることよ、と今更ながら、そう思いながら、たしか4時間もかからないで、アッという間に読んでしまったことを記憶しています。 こういう書き方は、ひょっとすると安っぽく見られるきらいがあるかもしれないなどと、老婆心ながらフト思ってしまったりすることがありますが、名人芸に近いこのストリーテーラーの、まさか、その軽薄そうな関西弁を嫌悪している訳ではないでしょうが、本作品に直木三十五賞を出さずに候補のままにした選考委員の責任はたいへん重いはずです。 そういえば黒川のおっちゃんも、もうアラカンかと今しがた驚嘆の声を上げたところですが、『二度のお別れ』(1984年)や『キャッツアイころがった』(1986年)から、すでに25年余が過ぎようとしているのですね。 実物はきっと端正な繊細な人格者であると想像しているのですが、いや、だからこそ、透徹して、とことん悪を見定めた物語を構想できるのでは、と勝手に思い込んでいます。 願わくば、今後まかりまちがっても、どうか藤田宜永のように、恋愛小説を書くなどという見っとも無いことはなさらないよう、くれぐれもご自愛くださいませ。
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関西マル暴犯係の話。 最初は映画や漫画によくある、ステレオタイプの暴犯刑事がはちゃめちゃな生活してるだけの話かと思って、 な〜んだと思いながら読んでたんですが、ミステリーとしていつのまにか成立していたことに驚きました。 もう本を開いたところから、布石、布石の連続だったことを読み...
関西マル暴犯係の話。 最初は映画や漫画によくある、ステレオタイプの暴犯刑事がはちゃめちゃな生活してるだけの話かと思って、 な〜んだと思いながら読んでたんですが、ミステリーとしていつのまにか成立していたことに驚きました。 もう本を開いたところから、布石、布石の連続だったことを読み終わってから気づかされるんです。 でも、なぜか全然悔しくない。たぶん、小説として十分面白かったからだと思います。 とくに、後半主人公がずるずると堕ちていくさまは、スピード感とあいまって痛快です。 「隠蔽捜査」とは真逆の位置にある警察小説だと思いました。
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マル暴担当の刑事、堀内と伊達。暴力団に情報を流し、バックを受け取る先輩。依願退職させられ生活安全課。賭場開催の情報つかみ全員逮捕。 逮捕者を脅す記事に情報を流し、広告料の分け前を受け取っていた。その金はクラブの女につぎ込む。引越し代として70万円せびられ払う。 元を取るために寝込...
マル暴担当の刑事、堀内と伊達。暴力団に情報を流し、バックを受け取る先輩。依願退職させられ生活安全課。賭場開催の情報つかみ全員逮捕。 逮捕者を脅す記事に情報を流し、広告料の分け前を受け取っていた。その金はクラブの女につぎ込む。引越し代として70万円せびられ払う。 元を取るために寝込みを訪ねてFUCK。記者が車でひき殺される。自分もヤクザに待ち伏せされ、警察手帳と引き換えにメモを要求される。 メモの内容は、学校法人の土地をマンション用の土地として売ることの期限を示していた。ゆすっていた男は沖縄の磯釣り事故を装い殺されていた。 3000万円の要求から、1億円にあげる。コピーを作成するがばれる。受け渡し場所、デパート屋上でヤクザに切られる。血痕と指紋を残し 監察にばれ、依願退職。警官として最後の日に理事長に発砲して脅し、5000万、2500万、2500万の小切手を得る。 相棒の伊達には5000万円受け取ったと嘘をつき、半分の2500円わたす。 マルチにはまる妻を残し、女と済む。1年後、上京。銀座に店を出すが赤字。伊達が三角関係のもつれでヤクザに刺された記事が出る。 自分の女にも他の男がいるのは確実。いつ、刺されるのだろうか?
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